23/12/2022
『救急搬送同乗の帰り』
「愛知県江南市の「江南厚生病院」に勤める20代の女性研修医が今月16日、別の病院から救急車で戻る途中、友人との食事会に向かうため、わざわざ救急隊員に近くの駅まで送らせていた。」
これは問題ですね。
基本的に病院間搬送は片道のみ。
帰りはタクシーなどで帰るのが基本ではないでしょうか?
搬送の後、帰りは乗せて、病院まで送り返してくれることがあるかもしれませんが、私用でタクシー代わりにとは言語道断!
もし、市内の近隣の病院なら、帰りを救急車が送ってくれなくてもタクシーで帰って、後で病院が清算してくれることはあるでしょう。
でも医療圏をまたぐような搬送は大変です。
ほとんどの方は経験したことがないでしょうけど・・・。
僕が利尻島に勤務していた頃(1990)初めてヘリコプターに同乗して札幌医大へ搬送した時のことです。
ギランバレー症候群を疑っていたら、実は脳膿瘍だったという方の搬送をしました。当時は一番近い市立稚内病院(フェリーで90分+α)には脳神経外科がなく、札幌医大へ搬送をお願い致しました。
時には札幌医大から医師が同乗してくれることもあったのですが、その時は同乗医師はなく、こちらから搬送の同乗をすることになりました。
白衣に聴診器を肩にかけて、搬送。
無事、札幌医大に到着、申し送りをして、治療を委ねました。
その後は・・・。
ヘリで戻してくれることはなく、自力で帰ることに。
初めての搬送なので、白衣のまま・・・。
財布を持ってきてよかった!
着替えは持ち合わせはなく、白衣のままタクシーで、札幌駅へ。
旭川まで特急も90分そのまま。
旭川から稚内へは急行で3時間白衣で揺られ。
稚内へ着くと、もう利尻行きのフェリーはなく、白衣でホテルに宿泊。
翌日は朝一便で白衣でフェリーに乗り込み利尻島へ。
利尻島の鴛泊には病院からのお迎えの車が来てくれていて、自宅まで送迎。着替えて病院の仕事。
搬送で戻るまで、ほぼ一日かかるような行程でした。
白衣での移動はちょっと恥ずかしい思いをしました。
私立稚内病院勤務の時もクモ膜下出血などで月一回は旭川への救急搬送同乗というのがありました。
稚内ー旭川間はおおよそ240Km。当時その間に脳外科はなかったのです!
因みにその距離は東京から福島市の手前(本宮)ぐらいの距離です!
救急車で3時間で搬送、帰りは救急車に乗せてもらって、そのまま帰るのですが、サイレン鳴らさないので4時間以上かかりました。
でも、帰りに食事がてらミスタードーナツに横付けしてもらって、病院のお土産、自宅用など買い込んで帰ったのは懐かしい思い出です。
当時は稚内にミスタードーナツがなく、救急隊の方々も一緒にドーナツを買って帰りました。
ミスタードーナツに救急車で横付けして、白衣で買い物はちょっと奇異な目で見られましたが。
「無理です。そこに行くのはきついです」 消防隊員はいったんは断ったというが、女性研修医は再度、「上司の許可」をタテにして、最寄り駅まで送り届けるよう求めたという。 愛知県江南市の「江南厚生病