17/05/2024
皆様、先日は第24回研究会にご参加いただき有り難うございました。第24回当番役員を無事に終了することができ、ご参加くださった皆様に心より感謝いたします。
さて、先日の講演で歯科用ハンドピースの開発からメインテナンスまでを企画させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
1点気になることがありまして、こちらに記載してよいかわかりませんが、研究会で情報発信を直接している場がこちらだけなので、こちらに記載いたします。
第24回当番を終えておりますので、もしこの場での発言が不適切でしたら申し訳ありません。削除いただければと思います。
株式会社ナカニシ様の講演の中で、歯科用ハンドピースの分類をセミクリティカルと紹介しており、講演を聞かれた方より、歯科は遅れている、医科とは認識が違うというご指摘がありました。
この件に関しまして研究会唯一の歯科職として少し補足できればなと思います。
このセミクリティカルの分類は米国疾病予防センターCDCのガイドラインに示している分類であり、株式会社ナカニシ様が分類したわけではありません。
歯科のインフェクションコントロールのガイドラインについては2003年にCDCが提唱しており、この時点で歯科用ハンドピースはセミクリティカルに分類されています。
(このガイドラインは2016年に一度見直されましたが大きな変更はなく今も提唱されているガイドラインです)
ただし、注釈がついており、セミクリティカルに分類されるが使用の合間にはheat-sterilizedする必要があると書かれています。
先日お話しがありましたように歯科用ハンドピースは非常に精密でデリケートな構造ですし薬液による高水準消毒は難しいかと思います。not high-level disinfectedとCDCの注釈にも書かれています。
そもそもこのガイドラインは2003年のものであり、20年以上前のもの時を経ておりますので時代とそぐわない部分も出てきているのだと思います。
ナカニシ様の説明の中でも、現在はハンドピース内部に汚染物質が逆流しない仕組みや洗浄できる構造の方向で開発がされています。
今年2月のCDCのコメントですが、現在米国では歯科用ハンドピースを規制しており、FDA(Food and Drug Administration:米国における厚労省のような機関)の基準をクリアした再生処理可能なハンドピース以外は使うべきではないとしています。
これらは各国のお金、人、物、などの様々な因子を背景に決められていますので、今、そのまま日本に持ってくるのは非常に難しいことだと思います。
そもそも【歯科用ハンドピースの再生処理が不十分で感染した事例はありません】
医学的に感染がないものにどれだけの時間と費用とマンパワーをかけるのか?
超高齢社会で国医療費を抑制しようとする流れの中で非常に難しい問題です。
相対して、品質管理はどうするのか?
これらについては今後も考えていくべき課題だと思います。
今後も皆様と一緒に考えて行ければと思っておりますので引き続き、歯科に興味を持っていただきまして、一緒に学ばせていただければと思います。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
次回第25回研究会は11/30です。
皆様のご参加をお待ちしております!!