09/03/2026
うーむ。とても有難い。
そして、漢字の如く有り難い🙏
今日のサンスクリット格言
सन्तोषस्त्रिषु कर्तव्यः स्वदारे भोजने धने ।
त्रिषु चैव न कर्तव्योऽध्ययने जपदानयोः ॥
(santoṣas triṣu kartavyaḥ svadāre bhojane dhane |
triṣu caiva na kartavyo 'dhyayane japadānayoḥ ||)
満足すべきは三つ――自分の伴侶と、食事と、財。
満足してはならぬも三つ――学びと、祈りと、施し。
(チャーナキヤ・ニーティ 7.4)
逐語訳:
सन्तोषः (santoṣaḥ) - 満足(男性名詞・主格単数)
त्रिषु (triṣu) - 三つにおいて(数詞・処格複数)
कर्तव्यः (kartavyaḥ) - なされるべきである(義務分詞・主格単数)
स्वदारे (svadāre) - 自分の妻(伴侶)において(男性名詞・処格単数)
भोजने (bhojane) - 食事において(中性名詞・処格単数)
धने (dhane) - 財において(中性名詞・処格単数)
त्रिषु (triṣu) - 三つにおいて(数詞・処格複数)
च (ca) - そして(接続詞)
एव (eva) - まさに(強調辞)
न (na) - ~ではない(否定辞)
कर्तव्यः (kartavyaḥ) - なされるべきである(義務分詞・主格単数)
अध्ययने (adhyayane) - 学習において(中性名詞・処格単数)
जप (japa) - 唱念において(男性名詞・語幹、複合語前分)
दानयोः (dānayoḥ) - 施しにおいて(中性名詞・処格双数、japaとの双数複合)
解説:
満足とは美徳である――私たちはそう教わります。けれどもこの格言は、その常識にそっと切り込みを入れます。満足すべきところと、決して満足してはならないところがある、と。
自分の伴侶、日々の食事、手元にある財。この三つについては「これで十分だ」と心から思えることが、穏やかな暮らしの土台になります。隣の誰かと比べて、もっと美しい伴侶を、もっと贅沢な食卓を、もっと大きな富をと望み続ければ、心は永遠に渇いたままです。すでに与えられているものの中に豊かさを見出す目。それは、足元の大地をしっかりと踏みしめる力にほかなりません。
一方で、学ぶこと、祈ること、人に与えること。この三つにおいては「もうこれで十分だ」と思った瞬間に、何か大切なものが止まってしまいます。知識に終わりはなく、祈りの深まりに底はなく、施しの喜びに限度はありません。この三つは、注げば注ぐほど自分自身の器が広がっていく、不思議な営みです。
考えてみれば、前の三つは「外から受け取るもの」であり、後の三つは「内から外へ流れ出すもの」です。受け取ることには感謝をもって満ち足り、流し出すことには際限なく心を開く。この呼吸のような往還のリズムの中に、人が本当に満たされる秘密が隠されているのかもしれません。
春の小川は、受け取った雪解け水を惜しみなく下流へと送ります。溜め込もうとすれば淀み、流し続けるからこそ清らかさを保つ。私たちの心もまた、同じ理(ことわり)の中にあるのではないでしょうか。
今日、もしふと不満の影がよぎったなら、それが「受け取る側」の不満なのか、「与える側」の不満なのか、静かに問いかけてみてください。満足の置きどころをほんの少し整えるだけで、同じ一日の景色がまるで違って見えるはずです。
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