沖縄県立中部病院 島医者養成プログラム

沖縄県立中部病院 島医者養成プログラム 沖縄県立中部病院の島医者養成プログラムのページです。手に汗握る1人離島診療所の様子をリレー形式でお届けします!

月に1回、プライマリコース勉強会として専攻医主導で開催しています。今日は、西表西部診療所へ地域研修に行ったPGY3の平田先生、中部病院を卒業し八重山病院で勤務されているPGY4の富川先生から、それぞれの場所での学びを共有してもらいました。地...
18/02/2025

月に1回、プライマリコース勉強会として
専攻医主導で開催しています。

今日は、西表西部診療所へ地域研修に行ったPGY3の平田先生、中部病院を卒業し八重山病院で勤務されているPGY4の富川先生から、それぞれの場所での学びを共有してもらいました。

地域の中核病院、離島診療所と求められる能力や搬送の基準など異なります。
初期研修医の先生方も、中部病院にいながらこういったことを事例通して学べるのは貴重な機会ですね!

専攻医のみなさんいつも計画ありがとうございます!

お疲れ様です。しばらく更新が滞っておりました。改めて、2024年は離島を終えた若手指導医が3人戻って来て、『地域ケア科』として、離島支援に加えて、総合内科外来や急性期在宅業務、くだり搬送など活動の場が広がりました。指導医のキャリアプランも様...
09/02/2025

お疲れ様です。
しばらく更新が滞っておりました。

改めて、2024年は離島を終えた若手指導医が3人戻って来て、『地域ケア科』として、離島支援に加えて、総合内科外来や急性期在宅業務、くだり搬送など活動の場が広がりました。

指導医のキャリアプランも様々で
『将来は地元でファミリークリニックを開業したい』と、総合内科外来で内科の先生方に教えてもらいつつ稀な疾患の診断能力を高めるトレーニングをしつつ、在宅業務で地域と繋がる経験をしている人もいれば、

自治医科大学の義務年限の関係で、2回目の赴任に備えて整形外や皮膚科や救急外来の勤務を織り交ぜる人もいます。

総じて、総合診療専門医として、病院総合医のような働き方、家庭医としての働き方、両方の経験を積むことが出来ているように感じます。

離島診療所を終えた先生方が、次のキャリアに向けて個人個人に合った経験を積むことの出来る場でありたいと思います。(図1)

そしてその流れで、来年度は現在離島診療所で勤務されている卒後6年目の先生が、病棟の総合内科業務の経験をさらに積みたいと、中部病院に戻ってくる見込みです。嬉しい限りです。

これまで以上に病棟チームとの連携も深めていくことで、中部病院と地域がさらに近づき、患者さんひとりひとりに適したケアや帰宅先を提供.調整できるように、尽力していきたいと思います。(図2)

引き続き、このアカウントでは、離島で活躍している先生方の様子をお伝えしたり、中部病院内で取り組んでいることも紹介していければと思います。

OB.OGの先輩方、他部署の皆様、引き続き離島で頑張る専攻医のご支援をよろしくお願い致します。

また離島診療や中部病院の島医者養成コース(総合診療コース)にご興味のある院外の皆様もぜひご連絡おまちしています。

引き続きよろしくお願い致します。

)

29/10/2024

みなさんこんにちは。

早いもので下半期に入りました。
9月いっぱいで卒後4年目の専攻医が中部病院での研修を終えて、沖縄の宮古/八重山/北部地域へ羽ばたいていきました。
先日は卒後3年目の先生方を中心に送別会も開催されました。

半年の地域中核病院勤務を経て、次年度からはいよいよ離島診療所に勤務予定です。

5人が巣立っていきましたが、皆さん熱心で患者さん想いでそして優秀なとても素敵な先生方でした。中部病院はさみしくなっておりますが、それぞれ新天地でも活躍されているようです。

今回は新しく八重山病院に赴任した富川先生からお話を聞きました。富川先生はこの世代の島医者養成コースのチーフレジデントとして、自身の診療に、後輩の指導にいつも頑張っていました。

中部病院研修を振り返ってもらいながら、自身の今後の目標や、後輩たちへのエールを語ってもらいました。

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こんにちは。
沖縄県立中部病院プライマリコース2024年度チーフを務めさせていただいた、卒後4年目の富川です。
当プログラムでは卒後3年半を中部病院で過ごしたあと、半年間の離島中核病院(北部、宮古、八重山病院のいずれか)での研修を経て、卒後5年目で離島診療所に島唯一の医師として赴任することになります。私は10月から八重山病院でご指導いただいており、今回、中部病院での研修を終えた節目としてこちらに投稿させていただくことになりました。

○中部病院の研修を振り返って
自分のルーツは沖縄にもありますが、関東で生まれ育った身ですので、沖縄での研修はかなりハードルが上がります。それでも中部病院を選んだのは、何となく島医者(=限られた資源の中で生活まるごと診る医療)に興味を持っていたところ、屋根瓦式の教育と病歴・身体所見を大切にする文化が自分の思い描く研修像にぴったりと感じたからです。
中部病院の研修は、卒後年数によって役割が変わります。大まかには、1年目(インターン)はまず患者を診てS:患者の訴え、O:客観的所見を的確に取れるようにする、2年目(ファーストレジデント)はそれに加えてA:アセスメント、P:プランを立てられるようにし病棟管理も行う、3-4年目(シニアレジデント)はファーストのサポートや重症対応を行いつつ、プライマリコースでは小児科、産婦人科、整形外科、検査室、離島診療所、県外クリニックなどで離島に必要な知識や技能を学びます。インターンを終えただけではほとんど何もできませんが、この様々な役割の積み重ねで一通り経験できるようになっており、非常に良く考えられた制度だと思います。
この3年半、尊敬できる同期や先輩後輩に恵まれ、数多くの患者さんから本当にたくさんのことを教えていただきました。医師人生の基礎づくりとなる最初の数年を中部病院で過ごせたことに心から感謝しています。

○これからの目標
中部病院では急性期メインの研修だったので、これからは慢性疾患の管理や家庭医学的アプローチについてより深く学び実践していきたいと考えています。
また、これまでの自分の診療スタイルは「とにかく患者や他の職種の方のもとへ足を運び、話を聞いて自分の目で見て、ざっくりどんなことが必要か考える」ところまでを重視しており、それはそれで良いのですが、具体的な方針を立てるのはほぼ上級医に頼りきりでした。必要なことをキャッチする力はだいぶ身に付いてきたような気がするので、今度は机に向かう割合も増やして自分なりのプランを立てられるよう努めます。
長期目標は、皆にとっての身近な「お医者さん」になることです。

○後輩へ
プログラムの山場である離島診療所がこれからなので、そちらの魅力等についてはすみませんが先輩方、よろしくお願いします笑

学生のみなさんへ。少しでも中部病院や離島医療に興味をお持ちの方はぜひ一度見学にいらしてください。肌に合うなーと感じればきっと中部病院で楽しく研修できます。お待ちしています。
中部病院の後輩や他院で研修されているみなさんへ。わからない、できないことだらけでも、そんなの当たり前のことです。私たち4年目も、所詮数年目の駆け出しでまだまだ諸先輩方には遠く及びません。目の前の患者さん一人一人の一つ一つのことから、学ばせていただく姿勢を忘れずにいれば、いつの間にか成長できるのだと思っています。お互い、頑張りましょう!そしてあわよくば将来、離島医療について一緒に語りましょうね。

長々と書いてしまいました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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富川先生、忙しい中投稿ありがとうございました。

八重山病院、その先の離島診療所で大変なこともあると思いますが、それ以上に楽しいことや学びも多くあるかと思います。
引き続き中部病院から応援しています。困ったことがあればいつでもご相談くださいね。

OB.OGの皆さまもぜひ中部病院から巣立っていった専攻医の皆さんの応援をよろしくお願いいたします。

今回もお読みいただきありがとうございました。

離島医療や家庭医療に興味のある研修医や学生の皆さまがいらっしゃいましたら、当アカウントのメッセンジャーや中部病院までお気軽にご連絡ください。
お待ちしています。

お疲れ様です。離島の近況報告第二弾今回は北大東診療所の島袋先生です。南北大東島は沖縄離島の中でも本島からの距離が特に遠い島です。ドクヘリを利用できなかったり、民間機の往復も金額的に高かったりと、アクセス面で総合病院や専門医療の介入のハードル...
26/09/2024

お疲れ様です。

離島の近況報告第二弾
今回は北大東診療所の島袋先生です。

南北大東島は沖縄離島の中でも本島からの距離が特に遠い島です。ドクヘリを利用できなかったり、民間機の往復も金額的に高かったりと、アクセス面で総合病院や専門医療の介入のハードルが高く、難しい判断が迫られることも少なくありません。

そんな中、この4月から赴任して活躍している島袋先生からお話を聞くことができました。

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●北大東島ってどんなところ?
那覇空港から飛行機で約一時間、沖縄最東端に位置し、開拓から約100年経つ人口600人程度の島です。高齢化率が低く、製糖工場、建築関係、漁師など働き盛りの年代が比較的多い島です。行事が多く島民との距離感も近くのんびり、まったりと生活できる島です。

●島医者を目指した理由は?
地元が沖縄県北部地区の田舎で僻地での医療に抵抗がなかったこと、科を絞ることのない老若男女の診療や、その家族・地域を含めた健康問題まで考えることのできるよい環境だと思ったからです。

●島の医療の良いところ&大変なところを教えてください
一島民として日頃から住民と関わる機会があるため患者との信頼関係を構築しやすいことや、患者背景がわかるので定期外診療などでも診療にプラスになることが多いです。島医者になり頼られているという実感があり、責任感も自然と出てきます。
医療資源が限られていること、島唯一の医者なので緊急時にその場で相談できないこともあり診断、対応がベストなのか不安になることがあります。その経験の積み重ねで自信がついてきていると感じています。
定期的に指導医との振り返りをする機会もあり本当に感謝しています。


●島医者を終えた後の進路
まだ具体的には決めていません。島医者を経験させていただいて総合診療科の楽しさを感じている一方、もともと整形外科、スポーツドクターへのあこがれもあります。どちらにせよ、現在の島医者の経験はとても大切な財産になると思うので、今の環境を楽しみながら精一杯頑張りたいです。


●島を目指して研修を頑張っている後輩達へのエール
現在研修しているどの科のローテーションでも島での診療に直結します。
診療所ではつらいこともありますが、それ以上に島での生活は楽しく、かけがえのない経験ができるので今の研修を一生懸命頑張ってください。

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島袋先生、ありがとうございました!
おっしゃるように離島での経験は、今後総合診療に進むにしても、臓器別専門に進むにしても、必ず役に立つことかと思います。

疾患が実生活にどのように影響を与えるかを、患者と同じ環境で生活しながら近くでみていくという経験は、治療の目標設定やコミュニケーションの内容に良い影響を与えると思います。

引き続き健康に気をつけて、島での勤務頑張ってください!

最後までお読みいただきありがとうございます。
また次回の更新をお楽しみに。

こんにちは。沖縄県立中部病院 島医者養成プログラムです。今回は久しぶりに、島で活躍している専攻医の先生についての投稿です。インタビュー形式で島医者について語って頂きました。今後、シリーズでお届け出来ればと思います。初回は伊是名診療所で勤務さ...
20/09/2024

こんにちは。
沖縄県立中部病院 島医者養成プログラムです。

今回は久しぶりに、島で活躍している専攻医の先生についての投稿です。
インタビュー形式で島医者について語って頂きました。

今後、シリーズでお届け出来ればと思います。

初回は伊是名診療所で勤務されている徳田先生にお願いしました。

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●伊是名島ってどんなところ?

伊是名島は、沖縄本島から約30km北に位置する、人口約1200人の小さな島です。自然豊かで、サトウキビ畑やもずく漁、稲作が盛んなこの地域は、400年続いた琉球王国第二王朝を築いた尚円王の生誕地として知られています。島内には尚円王に関連する文化スポットが点在しており、歴史に触れる機会も多いです。また、島では伝統的な祭りや行事が行われ、沖縄の文化を間近で体験することができます。沖縄にしては珍しく、ハブがいない!ので自然の中での生活も安心です。

●島医者を目指した理由

大学病院や市中病院での研修中、重症化してから運ばれてくる患者さんを目の当たりにし、「もっと早い段階で何かできたのではないか?」という思いが強くなりました。そのような経験を通じて、病気が進行する前に地域で手を打つことの重要性を感じ、プライマリケアの意義を深く考えるようになりました。

研修を重ねる中で、特に離島のような医療資源が限られた地域において、プライマリケアが地域住民の健康を守る最前線に立つことを実感しました。プライマリケアにおいては、「ACCCA」(近接性、継続性、連携、包括性、責任)の原則が重要で、医師が患者さんの身近にいることで、信頼関係を築きながら継続的にケアを行い、他の医療機関とも緊密に連携しながら対応していく必要があります。このように、地域の医療に直接貢献できること、そして自分も医師として成長できる環境に魅力を感じ、島医者を志しました。

●島医療の良いところ & 大変なところ

島での医療は、患者さんとの距離が非常に近いことが大きな特徴です。患者さんの背景にある家族や生活環境、職場や学校などを直接知ることができ、それを踏まえて医療を提供することができるので、医師としての視点を大きく広げ、患者さん全体を包括的に見る力を養う素晴らしい機会だと感じています。

一方で、島には基本的に医師が一人しかおらず、すべての診断や治療、フォローアップを自分一人で行わなければなりません。この責任感は大きく、時にはプレッシャーに感じることもありますが、それが自己成長の大きな原動力にもなります。自分のスキルを高め、日々学び続けるためのモチベーションとなるのです。また、島には役場や保健師、特別養護老人ホームのスタッフ、診療所のスタッフなど、地域全体が医療を支えてくれる環境が整っています。そのため、実際には一人で抱え込むことなく、周囲のサポートを受けながら診療にあたることができるため、安心して働ける環境があるのも魅力です。

●島医者を終えた後の進路

島での経験を活かし、今後は病院での総合診療にも挑戦しながら、島医療と都市医療の架け橋になることを目指しています。島で得た包括的な医療の視点や、患者さんとの深い関わり方を、より広い範囲で活かし、地域医療と専門医療を結びつける存在になりたいと考えています。

●島医者を目指して頑張っている後輩たちへ

島医者として働くことは、医師としてだけでなく、一人の人間としても多くを学ぶことができる経験です。地域の患者さんとの深い関わり、そしてその家族やコミュニティの一員として貢献する日々は、一生の財産になります。確かに、大変なことも少なくありませんが、その分、得られる喜びや達成感は計り知れません。

今、皆さんが研修で経験していることは、すべて将来の糧になります。自信を持って、目の前の学びに全力で取り組んでください。そして、もし自分の進路や研修に迷いが生じたら、ぜひ離島の診療所に足を運んでみてください。見学や短期の実習を通じて、実際に島の医療を体験することで、新たな気づきや進路のヒントが得られるかもしれません。いつでもお待ちしています!

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徳田先生、ありがとうございました!
伊是名島は沖縄離島の中で人口も多く、高齢者施設もあり、かなりハードワークをされているかと思います。

そんな中、快くインタビューに答えていただきました。感謝です。

徳田先生のおっしゃるように、
1人しかいない、住民との関係性が近い、という島の環境が、強い責任感や幅広い対応力、視野の広さを育んでくれますね。そしてそれは離島勤務終了後どこで働くにしても活かすことの出来る力になると思います。
総合診療、家庭医の研修の場としても恵まれた環境ですね。

1人の環境で頑張っている専攻医を、しっかりサポートできるよう指導医も尽力します。

今回もお読み頂きありがとうございました。

【島の経験を生かしておこなう急性期在宅】本日は中部病院の島医者養成プログラムを終えたスタッフの活動についてお伝えできればと思います。今年度から離島診療所を終えたスタッフが3名中部病院に戻ってきています。もともと在籍していたスタッフと合流し、...
05/08/2024

【島の経験を生かしておこなう急性期在宅】

本日は中部病院の島医者養成プログラムを終えたスタッフの活動についてお伝えできればと思います。

今年度から離島診療所を終えたスタッフが3名中部病院に戻ってきています。もともと在籍していたスタッフと合流し、賑やかになりつつあります。

業務内容としては、総合内科外来(自分の外来&研修医指導)、津堅診療所代診、離島の専攻医のサポート、救急当直などおこなっておりますが、もうひとつ大きな柱として【急性期在宅】の業務を担っています。
(地域ケア科という部署名で活動しています。)

急性期在宅とは海外で言うところのHospital at Home(HaH)のことで、入院相当の患者さんを、自宅や施設で訪問看護ステーションや施設職員と連携しながら治療をおこなうしくみのことです。

いわゆる看取りや通院困難な方のための『訪問診療』ではなく、「急性期疾患の治療期間のみ、特別訪問看護指示書を記載して治療しつつ、中部病院からの往診体制を提供する。」といったものになります。

救急室や病棟に、在宅や施設で治療できそうな患者さんがいれば本人やご家族に相談し、病態だけでなく介護体制も含め安全に治療できるかどうか判断します。本人やご家族へ説明し同意を得られれば、訪問看護師に治療の指示をおこないます。1日1回(2回)、2週間の期間であれば点滴加療も可能です。期間中は中部病院から往診体制を敷き、また状況に応じて電話相談や、専用のSNSを通して情報共有をおこないます。もし、状態が悪くなれば再度救急受診して再入院も可能です。治療を無事に終えたら、かかりつけの先生へ治療経過のお手紙を書き、引き続き通院でのフォローの依頼をします。

適応になる疾患としては腎盂腎炎、肺炎、COVIDが多く、処置を終えた後の胆嚢炎やカテーテル血流感染症の抗生剤治療をおこなう症例もありました。

HaHのデータでは安全性も高く、むしろ再入院率の低下や入院関連廃用症候群(HAD)を予防するという良い効果があげられています。

中部病院でも、4月から40件を超える急性期在宅治療を提供しておりますが、再入院や致命的な経過となる方はおらず、フォローの外来でも「治療2-3日目からはいつもとおりの体調で、歩いたり家事をしたり元気に過ごしていました。」という方がほとんどでHaHのデータと近い経過を辿っていると感じます。

高齢者の方々の入院関連廃用症候群(せん妄や筋力低下による歩行困難)を回避できることに加え、以前から常々叫ばれている中部病院の病床逼迫に対して、微力ながら貢献できないかと考えています。

今後も進みゆく高齢社会や、定期的に訪れるCOVIDの流行で、病床逼迫が起こり救急車を断らざるを得ない状況が起こってしまいます。
中部病院が三次救急病院としての役割を果たすためにも、臓器別専門医の先生方が専門分野により注力できるためにも、引き続きこの取り組みを続けていければと思っています。

しかし、急性期在宅の運用は課題も多く、簡単ではありません。適応の判断は病態生理だけでなく、介護する家族の心配に寄り添ったり、家族や介護サービスを含めた介護力を評価して自宅で安全に過ごせるか判断をしたり、往診が必要な際は検査機器もない中で状態の評価が必要だったり、様々な専門性を持つ多職種と協力したり、、、単に指示書を書いて往診体制を取るのみではありません。

ただ、このあたりは離島での経験が生きているように感じます。実際に患者さんのご自宅に訪問したり、在宅で介護するご家族さんの不安を目の当たりにしたり、ヘルパーさんや保健師さんと協力したり、、
実際に急性期疾患を離島で入院させずに治療した経験など、今に活かせていることは多いように感じています。

そして、現在はこの活動を通して、
地域の訪問看護ステーション、高齢者施設の皆さん、ケアマネさん、ご家族、そして中部病院内外の先生方、リハビリスタッフや看護師さんや地域連携室退院支援室の皆さん…多くの方々と連携させて頂いています。
異なる専門性が集まり発揮されており、改めて地域包括ケアの重要性ややりがいを感じる日々です。

これからも、安全な急性期在宅の仕組みづくりを通して中部地区(沖縄全体)の地域医療問題にも取り組みつつ、
ひとりひとりの患者さんやその家族の健康や安心にフォーカスすることは忘れず、引き続き取り組んでいきたいと思います。

最後に宣伝にはなってしまいますが、
地域包括ケアや、急性期在宅という新たな取り組みを通して、一緒に地域医療問題に取り組んでいく仲間を募集中です。

働き方は自由度がとても高く、在宅、外来、病棟、離島応援の割合は相談可能です。

将来のキャリアは特に総合診療医/家庭医は多岐に渡ると思いますが、開業に向けて外来&訪問の経験を積みたい、ホスピタリストとして勤務するために総合内科をメインでおこないつつ治療困難な方は在宅移行までケアしたい、などなど多くのニーズに応えられるかと思います。

離島で頑張られている専攻医の皆さんも、ぜひ離島終えた後の選択肢にしてみてはどうでしょうか?

ご興味やご質問のある方はお気軽にこちらのページのメッセンジャーや、中部病院地域ケア科までお問い合わせください。

お待ちしております。

お世話になっております。当プログラムで研修を終えたメンバーが家庭医療専門医試験を受けてきました。離島僻地での勤務、ポートフォリオや学会発表など課題を終えて受験資格を得ることができました。試験は7月20.21日の2日間おこなわれ、筆記試験20...
22/07/2024

お世話になっております。

当プログラムで研修を終えたメンバーが家庭医療専門医試験を受けてきました。

離島僻地での勤務、ポートフォリオや学会発表など課題を終えて受験資格を得ることができました。試験は7月20.21日の2日間おこなわれ、筆記試験200問、CSA(臨床技能評価)10症例を無事に終えました。大きな節目となります。

CSAでは救急、在宅、予防…幅広いシチュエーションでの対応が求められ、設定もとても練られており難しさを感じた一方で、離島診療所で経験したことを活かすことができたと思います。
何より指導医の先生方のこれまでのご助言や、学年の近い先輩方の応援もあり、無事に終えることができました。ありがとうございます。

受験したメンバーの内2名は4月から沖縄県立中部病院に戻ってきています。
まだ合格できたかどうかはわかりませんが、今後も自身の研鑽や総合診療科/地域ケア科としての活動だけでなく、専攻医のみなさんの専門医取得に向けたサポートや指導に注力していこうと思います。

受験された皆さま、試験の運営をしてくださった皆さま、本当にお疲れ様でした。

みなさま、お世話になっております。今回は、2年間の離島診療所での勤務を終えた下地先生に原稿をお願いしました。これまでを振り返りながら、島で行う総合診療や家庭医療のこと、そしてその経験を次のキャリアに活かしていく、色々なお話を準備してくれまし...
15/05/2024

みなさま、お世話になっております。

今回は、2年間の離島診療所での勤務を終えた下地先生に原稿をお願いしました。

これまでを振り返りながら、
島で行う総合診療や家庭医療のこと、
そしてその経験を次のキャリアに活かしていく、

色々なお話を準備してくれました。
下地先生、2年間の離島診療所勤務、本当にお疲れ様でした。

___________________________

PGY7の下地遼です。
令和4年度から2年間沖縄県最北端の離島である伊平屋診療所で勤務し、今年度から沖縄県立中部病院に戻って参りました。現在は地域ケア科に所属し、幸喜先生や同期とともに病棟から在宅移行の支援や、外来指導、離島支援を行っております。
今回は離島診療所勤務を終えての感想と言いますか、振り返りを共有できればと思います。

【大変だったけど楽しかった。】
2年間の診療では本当に様々な経験をさせていただきました。ヘリ搬送となった症例では2年間で40件以上あり、挿管症例も5件と比較的忙しい環境でしたが、私の後ろには東シナ海しかない中、「なんでも来い」の度胸を身につけることができました笑。一方で以前にも書きましたが、患者さんから感謝されることはこの上ないくらい島医者をやっていて良かったと感じます。

【離島には家庭医療のエッセンスが詰まっている】
私たちのプログラムでは新・家庭医療専門医を取得するために、4年間の研修を通して、ポートフォリオと呼ばれるレポートを20例提出しなければなりません。困難さや、モヤモヤを感じた事例を家庭医療の枠組みに当てはめ、時に離島を経験した指導医からのアドバイスをいただきながら、どのようにアプローチをしていくかを考える過程は非常に学びとなります。ポートフォリオの題材となったのは離島での事例がほとんどで、家庭医療のエッセンスが散りばめられていることに気づきました。またこのような事例には医師1人のみの能力では到底対応できないものばかりで、困った時に誰に協力を求めるべきなのか、常に多職種と顔の見える関係性を構築することと、連携の大切さを実感することができました。

離島診療所を経験しながら、総合診療専門医・家庭医療専門医が取得できる研修プログラムは数少なく、当プログラムでは幅広い背景を持った先生方が離島で多くの経験されており、病院での救急症例は離島ならばどこまで対応するか?医療資源の少ない環境で独居の高齢者へのアプローチはどうするか?などの離島診療におけるTipsをシャワーのように浴びることができました。

4月からは島医者の経験を活かして次に島医者となる後輩たちに指導をする立場となりました。当院での研修は病院として求められる能力と島医者として必要な能力を両立して学んでいく必要があり、私も当時は研修の中で、葛藤を感じておりました。まだまだ発展途上ですが、臓器専門医のサポートを賜りながら、中部病院の研修をより良いものにしていきたいと考えております。

当プログラムに共感したり、離島診療に興味があれば、いつでもご連絡ください。

ご無沙汰しております。新年度になりました。私たちの島医者育成コース(総合診療コース)に新しい仲間たちが加わりました。1年目の先生方が7(8)名、専攻医の先生方も初期研修から多く残ってくださったり、院外からも1名来てくれました。卒後4年目の専...
05/05/2024

ご無沙汰しております。
新年度になりました。
私たちの島医者育成コース(総合診療コース)に新しい仲間たちが加わりました。1年目の先生方が7(8)名、専攻医の先生方も初期研修から多く残ってくださったり、院外からも1名来てくれました。
卒後4年目の専攻医の先生方が中心になり、顔合わせ会を開催しました。

1年目の先生方は経歴や年齢など多様性溢れる方々が来て来れました。ひとりひとりの自己紹介ではそれぞれの離島や総合診療への思いを聞くことができ、お互いに刺激をもらえたことかと思います。
先輩医師からは『まずは無理せず仕事に慣れるところから。いつでも相談してね。』と温かいエールが飛びました。横のつながり、縦のつながりも大切にしながら皆で成長していきたいですね。

また、今年度は中部病院で研修し2年間の離島診療所勤務を終えた2名が指導医として中部病院に戻って来ています。離島の経験を後輩たちに伝え、より良い研修を提供できるように頑張ります。また、診療所とは異なる総合病院における総合診療科の働き方や中部地区の地域医療への貢献についても、今年度から取り組む新しい事業を通して尽力したいです。

これからもますます活気付いていく沖縄県立中部病院の島医者育成コースを、どうぞよろしくお願い致します。

引き続き、見学や研修の問い合わせはメッセンジャーや中部病院の電話番号までご連絡ください。一同、お待ちしております。

住所

沖縄県うるま市宮里 281
Uruma, Okinawa
904-2293

アラート

沖縄県立中部病院 島医者養成プログラムがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

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