和歌山生協病院 医局

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25/05/2022

2022.05.25.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2022,vol.386,no.18,
Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covid-19
COVID-19患者へのイベルメクチンの早期治療の効果

イベルメクチンは寄生虫のクロライドチャンネルに作用する抗寄生虫薬であるが、RNAの細胞核内への移行を阻害する事で抗ウイルス作用が期待され、HIV、デング熱ウイルスなどでの研究が進められている。Covid-19では60以上のRCTが実施され、31の臨床研究が報告されているが、結果は一貫していない。ブラジルでのランダム化プラセボコントロール研究、TOGETHER研究として実施。2021年3月-8月で実施。イベルメクチン群では400μg、3日間投与。3515人が無作為化され、679人イベルメクチン、679人プラセボ、2157人に別の介入が割り付けられた。平均49歳、女性58.2%。主要評価項目は28日以内の入院orER受診の複合。イベントは14.7%vs16.3%でリスク比(ベイズ信用区間)で0.90(0.70-1.16)で有意差なし。パープロトコル解析でも差なし。死亡は3.1%vs3.5%で有意差なし。層別化したサブ解析でも差なし。イベルメクチンはCovid-19の転帰を有意に改善しなかった。

25/05/2022

2022.05.18.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2021,vol.385,no.14,
Trial of Intensive Blood-Pressure Control in Older Patients with Hypertension
高齢高血圧患者での厳格血圧管理

SPRINT研究では血圧120以下目標の厳格血圧管理の有用性が示されたが、他の大規模観察研究では高齢者で血圧130以下にすることの注意喚起がなされている。60-80歳の中国人での血圧厳格管理についてSTEP研究として実施。本研究ではスマートフォンのアプリを用いて家庭血圧の記録も実施した。降圧剤としてオルメサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジドを用い、オムロン社製自動血圧計を用いて家庭血圧測定。60-80歳の中国人8511人を厳格治療群、標準治療群に割付。標準群は130-150、厳格群110-130目標で管理。主要評価項目は、脳卒中、ACS、急性心不全、冠動脈インターベンション、AF、死亡の複合。平均年齢66.2歳、男性46.5%、BMI:25.6,腎障害2.3%、DM19.4%、脂質異常症36.1%。1年の時点で、厳格群BP127.5、標準群135.3を達成。3.34年観察され、主要評価項目の複合転帰はイベント数で厳格群147人3.5%vs標準群196人4.6%、ハザード比0.74(0.60-0.92、p<0.007)で有意に良好であった。脳卒中で0.67(0.47-0.97)、ACSで0.67(0.47-0.94)であった。有害事象では低血圧でハザード比1.31(1.02-1.68)であったが、骨折、ふらつき、腎転帰については差を認めなかった。

13/05/2022

2022.05.11.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2022,vol.386,no.16,
Case Records of the MGH
Case 12-2022: An 41-Year-Old Woman with Transient Ischemic Attack and Mitral Valve Masses
一過性脳虚血発作と僧帽弁腫瘤を認めた41歳女性

3週間前からの重度の性器出血。プロゲステロン製剤投与。9日前に右顔面麻痺、構音障害にて救急搬送。45分後には症状消失。脳CT異常なし。翌日の脳MRIでは右基底核、右小脳半球に陳旧性の小梗塞。DWIでは新規発症の脳梗塞認めず。経食道心エコーで僧帽弁に疣贅あり。血液検査でPT正常、aPTT(22-36):39.0軽度延長あり、CRP:6.1。ヘパリン投与にてaPTT>150となりヘパリン中止。紫斑様の光線過敏性の皮疹が体幹、頭部、手足にあり、レイノー現象が10か月前からあり。ドライアイあり。25歳時に自然流産。33歳の妊娠時にRPR陽性、TPHA陰性の指摘あり。その際は妊娠高血圧があり帝切にて出産。
鑑別診断:aPTT軽度延長、PT正常、RPR擬陽性、自然流産歴からループスアンチコアグラントの存在、皮疹からSLEが疑われる。前医と当院の血液検査で、LA検査陽性、抗カルジオリピンIgG抗体陽性、抗β2グリコプロテイン抗体陽性。抗核抗体160倍、抗DsDNA抗体陰性、抗SS-A抗体陽性、抗RNP抗体陰性。
診断:SLEに関連する抗リン脂質抗体症候群、SLEによるリプマン・サックス型心内膜炎
経過:ワーファリン、ヒドロキシクロロキン開始。M弁疣贅は保存的に経観。

28/04/2022

2022.04.27.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2020,vol.383,no.20,
A Randomized Trial Comparing Antibiotics with Appendectomy for Appendicitis
虫垂炎での虫垂切除術に対する抗菌薬治療のRCT

CODA研究。ERを受診し、画像診断で確定した虫垂炎を対象とし、糞石を伴うもの、穿孔しているものも含めた。除外対象は敗血症性ショック、汎発性腹膜炎、虫垂炎再燃例、重度の蜂窩織性所見を伴うもの、他とした。抗菌薬群、手術群に無作為に割り付けられ、抗菌薬群は最初の24時間以上は経静脈的に抗菌薬を投与し、以後10日間の経口抗菌薬治療。経口摂取可能で疼痛コントロール可能となれば退院可能とし、48時間以降の症状増悪等があれば手術。最終的な手術の決定は担当医が判断。手術群は術式等、すべて従来で可。主要評価項目は30日後の主観的健康指標であるEQ-5D。1552例が割り付けられ、27%に糞石あり。ベースラインは抗菌薬群で38.3歳、男性63%、BMI:29.0、WBC:12900。手術群は96%で虫垂切除術が実施。抗菌薬群1.33日、手術群は1.30日で退院。30日後のEQ-5Dは0.92vs0.91で両群に差がなく、パープロトコル解析でも差なく、手術に対する抗菌薬治療の非劣性が示された。糞石の有無でのサブ解析でも同様。抗菌薬群では48時間で11%、30日で20%、90日で29%に手術が施行された。糞石例では90日で41%に手術施行。手術群では776例中7例で虫垂癌あり。NSQIPによる合併症では8.1/100人vs3.5/100人で抗菌薬群で有意に多くレート比2.28(1.30-3.98)で、糞石例ではさらに多かった。仕事に復帰できるまでの期間は5.26日vs8.73日で有意に短縮。
観察期間を延長した2021年385巻の追加報告では抗菌薬群は1年後40%、2年後46%、3-4年後49%に手術が施行されていた。
虫垂炎に対しての抗菌薬治療は虫垂切除術に対して非劣性であることが示されたが90日時点で3割で手術が必要であった。

22/04/2022

2022.04.20.和歌山生協病院 journal club を行いました。
JAMA Cardiol,2022,
Effect of 15mg Edoxaban on Clinical Outcomes in Age Strata in Older Patients With Atrial Fibrillation
高齢心房細動患者における3つの年齢層でのエドキサバン15㎎の臨床転帰、ELDERCARE-AF試験でのサブ解析より

2016-2019に2重盲検RCTとして実施。全例日本人で164施設での試験。80歳以上のAF患者で、CCR<30、BW≦45、大出血歴、NSAIDsの常用、抗血小板剤の併用のいずれかにて、標準的な経口抗凝固療法が不可能なものを対象とし、1対1でエドキサバン15mgとプラセボを割付。984例で解析。80-84歳群は平均82.2±1.4歳、85-89歳群は86.8±1.4歳、90歳以上群は92.3±2.1歳で、女性57.4歳。ベースラインでは86-89歳群で、BMI:22.2、CCR:35.5±12.8、CHADS2スコア:3.1、HAS-BLEDスコア:2.3であった。転帰では脳卒中or全身性塞栓症でハザード比はそれぞれ0.41(0.13-1.31)、0.42(0.17-0.99)、0.23(0.08-0.68)。全死亡ではハザード比で1.28(0.62-2.67)、0.91(0.53-1.53)、0.86(0.49-1.53)。大出血のハザード比は5.27(0.61-45.36)、0.74(0.24-2.33)、3.02(0.82-11.21)、全出血で1.49(1.08-2.06)、1.31(0.97-1.79)、1.18(0.84-1.66)であった。
標準的な経口抗凝固療法が適さない80歳以上の日本人患者で実施したELDERCARE-AF試験ではプラセボと比較してエドキサバン15㎎投与は90歳以上を含む3つの年齢層において、脳卒中、全身性塞栓症予防に優れており、出血は多いが統計学的有意には多くはなかった。

19/04/2022

2022.04.13.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2021,vol.384,no.24,
Case Records of the MGH
Case 18-2021: An 81-Year-Old Man with Cough, Fever, and Shortness of Breath
咳、発熱、息切れをきたした81歳男性

Covid-19パンデミック中に81歳男性が発熱、咳、息切れで入院。3日前までは健康であった。既往歴に高血圧。来院時、37.9度、酸素飽和度91%。胸部XPでは両側に斑状影(patchy airspae opacity)を認めた。その後、病棟で呼吸不全が悪化し、呼吸回数40、4L酸素投与で酸素飽和度86%となった。
血液検査:WBC 11920、Dダイマー>10000ng/mL、CK:1607、高感度トロポニンT:62↑

鑑別診断:非感染性肺炎症候群として誤嚥性肺炎、肺水腫、癌、血管炎、肺胞出血、間質性肺炎。間質性肺炎の原因として特発性、過敏性肺臓炎、薬剤性肺炎、サルコイドーシスなど。感染性肺炎としては市中肺炎(肺炎球菌など)、マイコプラズマ、レジオネラ。その他の疾患として、肺塞栓。

診断:鼻咽腔スワブでのSARS-Cov-2のPCR検査陽性。造影剤を用いたDual Energy CTにて、両肺にスリガラス影を認め、さらに閉塞性の血栓を肺舌動脈の近位部に認めた。
最終診断:SARS-Cov-2によるARDS、急性肺塞栓症。

08/04/2022

2022.04.06.和歌山生協病院 journal club を行いました。
Circulation,2022,vol.145,
Association Between Age and Outcomes of Catheter Ablation Versus Medical Therapy for Atrial Fibrillation : Results From the CABANA Trial
心房細動に対するカテーテルアブレーションvs薬物治療での年齢と転帰の関連、CABANA研究から。

初期の比較的若い人を対象としたカテーテルアブレーション(以下CA)のランダム化試験では薬物療法に対して、AFの減少、消失やQOL改善で優越性が示された。その後の観察研究では高齢者でも相対的な優位性が示されたが、CABANA研究での年齢と転帰について検討した。2204人の未治療もしくは治療歴が浅い(2剤以上の抗不整脈薬使用は除く)AF患者を1対1にCA群、薬物治療群に割付。薬物群は抗不整脈治療orレートコントロール治療は臨床医の裁量とした(大部分の患者はリズムコントロールになっていた)。48.5ヶ月観察。主要評価項目は死亡・ADL低下を伴う脳卒中・重大な出血・心停止の複合。ベースラインでは、65歳未満は59.4歳、65-74歳は69.3歳、75歳以上で77.3歳。CHA2DS2-VAScスコア3点以上は28.9%、65.8%、92.6%であった。4年後のイベントでは、主要評価項目の複合イベントは、CA群でハザード比は、年齢別に、0.57(0.30-1.09)、0.79(0.54-1.16)、1.39(0.75-2.58)で、74歳未満ではイベントは少ないものの、75歳以上ではむしろイベントが増加していた。死亡に関してもハザード比は0.46(0.21-1.00)、0.72(0.44-1.16)、1.92(0.88-4.17)で同様の傾向であった。
75歳以上での転帰がよくなかった原因として、高齢者での手技の短期的なリスク、AFによる心房のミオパチー、リモデリング、薬物群に割り付けられた患者でCAに回った患者の影響などが考えられた。

30/03/2022

2022.03.23.和歌山生協病院 journal club を行いました。
J Neuroimmunology,2019,vol.332,
Clinical characteristics of autoimmune GFAP astrocytopathy
自己免疫性GFAPアストロサイトパチーの臨床的特徴

髄液中の抗GFAP抗体陽性で造影MRIで脳室周囲の線状造影を特徴とする髄膜脳脊髄症がこれまで数例報告があるが、臨床的特徴は十分に検討されていなかった。岐阜大学に2002-2018年に入院した炎症性CNS疾患225例、非炎症性CNS疾患35例で、髄液中抗GFAP-IgG抗体をCBA法にて検討したところ、14例6.2%(44歳、女性43%)で陽性であった。これらの症例の退院時診断は、自己免疫性脳炎5(ADEM4、抗NMDA受容体脳炎1)、神経梅毒1、原因不明の髄膜脳炎8であった。14例の初期症状は発熱93%、頭痛79%、嘔気29%で入院時には意識障害79%、髄膜刺激症状71%、振戦・ミオクローヌス64%、自律神経障害(排尿障害)57%、四肢・体幹運動失調43%、精神症状36%、呼吸不全29%、低Na血症57%を認めた。髄液所見では細胞数143(25-378)、蛋白195(71-286)で、初期には多くの症例でADA高値(中央値13)を認めた。画像検査では64%で、T2WI、FLAIRで両側基底核(典型的には視床後部)に高信号を認め、4例で脳室周囲に線状の造影所見を認めた。脊髄MRIを実施した7例では5例で脊髄円錐に造影病変を認めた。SPECTでは前頭葉に血流低下、脳波では全例で徐波を認めた。
振戦、ミオクローヌス、排尿障害、低Na血症を認め、髄液細胞高値が持続し、脳画像で脳室直下に線状造影病変、両側視床後部に高信号を認める髄膜脳炎では、本疾患を考慮するべきである。

18/03/2022

2022.03.16.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2022,vol.386,no.10,
Case Records of the MGH
Case 7-2022: A 65-Year-Old Woman with Depression, Recurrent Falls, and Inability to Caree for Herself
うつ病、繰り返す転倒、ADL困難をきたした65歳女性

4年前、うつ病の診断。4週間前にオートバイ運転中の居眠りで転倒事故。その後、左下肢の違和感を訴え、転倒。脳CTではびまん性深部白質病変のみ。その後、歩行器を使わないと歩けなくなる。MRIでは橋と脳室周囲白質のT2WIでの高信号病変、脳波異常なし、その後のMRIでも半卵円中心、放線冠、内包などに斑状のT2WI、FLAIRで高信号。左下肢の違和感、脱力はあるも、トレッドミルでは歩行可能。直近の血液検査では白血球12940以外は異常なし。

鑑別診断:進行性の変動のある症状、左不全麻痺。進行性?のびまん性白質病変
CADASIL(本例では側頭極病変、外包の病変なし)、PML(免疫抑制状態でない)、クロイツフェルト・ヤコブ病(もっと進行早い)、脳静脈洞血栓症、MS、PACNS、傍腫瘍性脳炎、神経サルコイドーシス、びまん性のグリオーマ、リンパ腫など。
診断的検査:脳生検→CD20+のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

18/03/2022

2022.03.09.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2022,vol.386,no.3,
24-Hour Urinary Sodium and Potassium Excretion and Cardiovascular Risk
24時間尿中ナトリウム、カリウム排泄と心血管リスク

Na摂取は心血管疾患のリスクと考えられているが、いくつかのコホート研究では、主に単回の尿検体より推定された1日Na摂取量で3g以下、6g以上で心血管リスクが増加すると報告された。最も精確な方法である、健康人での複数回の24時間尿を用いてNa、K摂取量と心血管リスクとの関連を検討した。
6つのほぼ健康な成人のコホート研究(医療職観察研究HPFS、看護師健康研究NHS、NHSⅡなど)の個人データを統合した。合計10709人(51.5±12.6歳、女性54.2%、BMI:26.6±4.5、非喫煙45.5%、飲酒量1ドリンク/週以下44.1%、DM:2.4%、高血圧23.6%、高脂血症29.8%)、24時間尿検体数37896のデータ使用。8.8年観察し、心血管イベントは571(5.9イベント/1000人・年)発生した。年齢、性、人種、BMI、喫煙歴、アルコール摂取量などで調整したモデルでの心血管リスクのハザード比は、尿中Na量が最も少ない第1四分位群(Na:2212mg)に対して最も多い第4四分位群(Na:4692mg)は、1.60(1.19-2.14)、尿中K量では0.69(0.51-0.91)、Na/K比(第1四分位群のNa/K比1.5、第4四分位群で3.4)で1.62(1.25-2.10)で、有意に心血管リスクと関連していた。尿中Na量が1000mg増加する場合の心血管リスクのハザード比1.18(1.08-1.29)で18%増加していた。複数の24時間尿での検討では、Jカーブではなく、量依存的に心血管リスクと関連していた。
(参加者注、尿中Na2212mgでNa摂取量は約7g、尿中Na4692mgでNa摂取量は約14.9g)

18/03/2022

2022.03.03.和歌山生協病院 journal club を行いました。
JACC,2021,vol.78,no.21,
Effect of β-Blocker Withdrawal on Functional Capacity in Heart Failure and Preserved Ejection Fraction
HFpEFでのβ阻害薬中止での心機能への影響

最近の報告ではHFpEF患者の75%以上がβ阻害薬が投与されているが、その影響についての情報は少ない。無作為化クロスオーバー試験として実施。18歳以上、NYHA2以上、LVEF>50%、NT-proBNP>125を対象とした。不安定狭心症、中等度以上の弁膜症、ベラパミル、ジルチアゼム、イバブラジンなどのCa拮抗薬投与中などは除外。
A群はβ阻害薬を半量、3日後中止、15日後半量再開、60日後評価。B群はβ阻害薬継続、15日後半量、18日後中止、60日後評価。A群26例、B群26例で、74.5歳、女性60%、BMI:31.1±4.7、高血圧88.5%、心拍数64.8、LVEF:64.7、最大酸素摂取量12.4mL/kg/分。β阻害薬中止時は最大酸素摂取量は14.3vs12.2で有意に改善した。サブ解析でも肥満、糖尿病、IHD、洞調律の有無に関係なく、β阻害薬中止で最大酸素摂取量は改善。二次評価項目ではMMSEは差はなかったが、MoCA(モンテラル認知症評価)では有意差はないものの改善傾向を認めた。

28/02/2022

2022.02.16.和歌山生協病院 journal club を行いました。
NEJM,2021,vol.385,no.27,
Chlorthalidone for Hypertension in Advanced Chronic Kidney Disease
進行期慢性腎障害の高血圧に対するクロルタリドン

サイアザイド様利尿薬であるクロルタリドンは心血管死を減らす事が示されているが、進行期慢性腎障害での効果、安全性をCLICK研究として実施。Stage4のCKD(eGFR:15-30)で24時間血圧測定でのコントロール不良の高血圧を対象とした。薬剤はリシノプリル20-40mgまたはロサルタン50-100㎎、アムロジピン10㎎、アテノロール25-100㎎、トルセミド10-20㎎を併用。クロルタリドン群は12.5㎎より開始し50㎎まで増量可能とし、プラセボ群の1対1で二重盲検で割付。主要評価項目は12週後の24時間血圧。160例で無作為化され、クロルタリドン群81例(66.2±10.8歳)、プラセボ群79例で評価。DM合併74%、入院を要する心不全32%、BMI:33.0、eGFR:23.5±4.2、尿アルブミン/クレアチニン比中央値862。ベースラインの24時間血圧のsBP平均でクロルタリドン群142.6vsプラセボ群140.1で12週後、-11.0vs-0.5で有意に低下。2次評価項目では尿アルブミン/クレアチニン比は12週で-52%vs-4%で有意に改善。一方で血性クレアチニンではベースラインから25%以上上昇したのはクロルタリドン群45%vs13%で、25%以上上昇のオッズ比は利尿薬併用で9.2(3.0-31.3)であった。観察期間後2週の薬剤終了後、薬剤を3年間さらに観察した49例(クロルタリドン20例、プラセボ29例)ではeGFRが、10以上低下or透析導入or死亡のハザード比は0.63(0.36-1.12)と有意ではないがリスクを減らしていた。

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電話番号

+81734717711

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