23/07/2025
ユニットエイドとPATHが提携
地域・国主導の取り組みで予防可能な病の母子感染防止を
• HIV、B型肝炎、シャーガス病は予防可能な病。ただし適時のスクリーニングと予防措置がとられなければ、出産時に母親から赤ちゃんに感染して最悪の結果をもたらすことも。
• ユニットエイドは2,500万米ドルの新規投資で、必須医療サービスを妊産婦ケアに統合する取り組みを支援
• PATHは、地域パートナーのWHA(世界肝炎アライアンス)およびICWEA(東アフリカHIV陽性女性国際コミュニティ)と共に、9か国でSAFEStart+の実施を主導。
• PAHO(汎米保健機構)とWHO(世界保健機関)は、政策と実践の整合を図るための技術的指針を提供し、より広範な普及拡大を支援。
カンパラ(ウガンダ)発 —ユニットエイドが総額2,500万米ドルの投資で*、HIV、梅毒、B型肝炎、シャーガス病の母子感染(垂直感染)根絶にむけて各国を支援。妊産婦と新生児の健康改善に向けた大きな一歩が踏み出されます。その中心にあるのはPATHが主導するSAFEStart+プロジェクトで、高品質ケアを日常的なサービス提供プラットフォーム(妊産婦ケア)に統合することに重点を置き、効率性を高めながら、女性と赤ちゃんの命を守る検診と治療の実施範囲を大幅に拡大するというもの。
前出の予防可能な4つの感染症は、毎年何百万人もの妊婦に影響し、新生児に百万件を超える避けられたはずの病、障害、死をもたらしています。診断も治療も受けられないまま放置すれば、死産、慢性疾患、一生にわたる合併症に至る可能性もあります。母体から赤ちゃんへの感染防止ツールとして簡易診断検査や手ごろな価格の治療薬はすでに存在しています。しかし、市場の分断、生産能力不足、サービス供給システムの資金不足などに代表される課題のため、本当に必要としている人々に届いていないというのが実情です。
SAFEStart+は、各国および地域コミュニティが、地域のニーズに即した統合的かつひと中心のサービスを設計し、拡大していけるよう支援します。これには、1回のテストで複数の感染症を検出できる新しい診断技術へのアクセス拡大や、必要なタイミングで予防的治療を提供できるよう妊産婦健診サービスを強化することが含まれます。
ユニットエイド事務局長フィリップ・デュヌトンは、「正しい介入が素早くなされれば、これらの病は完全に予防可能です。ユニットエイドの投資は単なる製品提供にとどまらず、すべての赤ちゃんが健康なスタートを切れるよう女性たちと地域社会と連携しながら、ケアをどのように届けるべきかを再検討することも大切と考えます」と語っています。
若者たちやケアへのアクセスが限られている女性などを含む、もっとも高いリスクにある人々に手を差し伸べるようデザインされたSAFEStart+は、9か国で地域主導のモニタリングを支援し、地域社会と市民団体が人を中心に据えたソリューションを共に構築できるようにしていきます。コミュニティパートナーであるWHAとICWEAは、偏見やジェンダー不平等といった障壁をとりのぞくため、個々の状況に即したモデルをデザインするよう主導し、信頼構築とサービス取り込みを促し、一方で保健システムにおける公平性と人権の向上を推進します。SAFEStart+はさらに、必須医薬品へのアクセスを広げ、地域社会による参画を強化し、長期的なスケールアップに向けた持続可能な資金確保にも重点を置いていきます。
PATHでプライマリヘルスケア担当グローバルプログラムディレクターを務めるDr.キンバリー・グリーンは、「このイニシアティブは、統合性を高め、ひと中心のケアを可能にすることで、女性とその家族の命を守る医薬品・医療サービスの普及と利用を拡大します。国とコミュニティのリーダーシップ、保健システム、プライマリヘルスケアを強化して垂直感染をなくすことは私たちのアプローチの基本です」と語っています。
ICWEAのリリアン・ムウォレコ事務局長は、「地域社会主導による対応はHIV、梅毒、B型肝炎の垂直感染をなくすためには最重要です。SAFEStart+を通じて、ICWEAは女性の声と優先事項にしっかり対応し、彼女たちの生きた体験と現実に即したサービスを進めていきます。地域社会主導のモニタリングと意義ある取り組みを活用して、私たちは予防と治療の努力が単に行き届くだけでなく、公平でニーズに応じたものとなるよう目を向けていき、母子感染根絶目標、そしてお母さんたちと赤ちゃんたちのためのより健康な未来にむけた前進を早めていきます」としています。
PATH主導による実施のもと、PAHOとWHOは各国が政策通りの実施をともなえるよう技術ガイダンスを提供することになります。これらの機関は、エビデンス創出を導き、ステークホルダー間の技術的連携を調整し、研究プロトコルの策定に貢献し、母子感染をなくすためのグローバルターゲットにむけた各国の進捗状況を検証します。
資源共有という革新的アプローチを通じて、ユニットエイドはまたGaviワクチンアライアンスおよびPATHと、4か国で実施の学習アジェンダと実装科学プロジェクトについても連携しています。これにより、出生時のB型肝炎ワクチン接種と母体のスクリーニング・治療の拡大を図り、母親と新生児双方の迅速な保護を確保します。
ユニットエイドとPATHの母子感染根絶パートナーシップは、女性と家族のためのより強固でより公平な保健システムを各国が構築できるようサポートするもので、これにより最重要の技術が開発されるだけでなく、それらを最も必要としている人々のもとに確実に届けられるようになります。サービスを統合し、地域社会のリーダーシップを強化し、必須医療ツールへのアクセスを拡大することで、ユニットエイドの母子感染根絶への投資は、防げたはずの感染を誰一人として被ることのない世界に向けた前進を後押しします。
SAFEStart+はブラジル、コンゴ民主共和国、マラウイ、ナイジェリア、パラグアイ、セネガル、南アフリカ、ウガンダ、ベトナムで実施されます。
*垂直感染根絶のためのユニットエイドの投資は、SAFEStart+プログラム支援への2100万米ドルに加え、技術支援とガイドライン作成のためWHOへ300万米ドルとPAHOへ80万米ドルが割り当てられます。
Unitaid is proud to launch SAFEStart+, a bold new initiative to eliminate mother-to-child transmission of HIV, syphilis, hepatitis B and Chagas disease in partnership with PATH, the World Hepatitis Alliance (WHA), the International Community of Women Living with Hiv in Eastern Africa - Icwea, the Pan American Health Organization (PAHO-WHO) and the World Health Organization (WHO).
With a US$25 million investment, SAFEStart+ will support nine countries in integrating life-saving screening and treatment into routine antenatal care. These infections are entirely preventable, but without timely access to testing and treatment, they continue to cause devastating outcomes for mothers and babies. By centering community leadership and co-designing solutions with local partners, SAFEStart+ aims to expand access to essential health services, reduce stigma, and ensure no child is born with a preventable disease.
This is more than a health investment. It's a step toward more equitable, resilient and people-centered care systems. Together with our partners, Unitaid is helping shape a future where every baby has a healthy start, and every mother is supported with the tools and care she needs.
Learn more: https://unitaid.org/news-blog/unitaid-and-path-partner-to-ensure-babies-are-born-free-of-preventable-disease-through-new-community-and-country-led-initiative/