27/12/2012
「子供への漢方の飲ませ方」の工夫
一口に漢方薬といっても、
処方される薬により味も香りも千差万別です。
中には、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)や
小建中湯(ショウケンチュウトウ)のように
比較的口当たりの良い処方もありますが、
大多数の処方は独特の味や香りを持ち、
決して子供が好むものではありません。
ましてや病気で具合が悪く、普通の食事さえ進まない時に、
今まで飲んだ経験のない薬を目の前に突き出されたら、
腰が引けるのは眼に見えています。
さらには、漢方薬の有効性が一般の人には
充分浸透していない可能性もあり、
お母さん自身が薬の効果に
半信半疑の場合すらあります。
最初に必要なことは、子供と実際に向き合い、
薬を飲ませてくれるお母さんに、
漢方薬を飲むことの必要性や薬の有効性
をしっかり認識してもらうことです。
実は、その目的のために最も有効な手段は、
ちょっとした機会を捉えてお母さんに漢方薬を飲んでもらい、
その効果を実感してもらうことなのです。
ことわざに「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」とありますが、
まず親をこちらの世界に引き込んでおくということが重要です。
次に実際に服薬する時のテクニックですが、
昔ながらの紙状のオブラートが基本です。
今では、ゼリー状のオブラートもあり、
小さい子供にも使い易くなっています。
しかし、値段がはりますので、薬代よりオブラート代の方が
高いなんてことになりかねません。
他には、漢方薬に限らず子供が薬を飲む時には、
甘い飲み物を混ぜる、または薬を飲んでからお口直しをする
という手段が使われます。
漢方薬の場合、苦味や独特の香りを持つものが多いので、
もともと苦味のあるココアとか、麦芽飲料が子供たちに好評なようです。
味や香りを包み込むという点では、乳酸飲料やカルピスも有効です。
さらに、溶けると苦味が増す処方では、粉のまま流動物に混ぜ込む
という手法をとります。
例えばコンデンスミルクや、一歳以上なら蜂蜜も使えます。
一般に冷たいと味の感度が落ちますので、冷たいアイスクリーム、
特にチョコアイスなどがお勧めです。
毎食後に内服のためにアイスクリームでは体に悪いということであれば、
パンに塗るジャムやピーナッツバター、中でもチョコレートペーストが一押しです。
プリンのスプーンなどで、一匙とってエキス顆粒を練りこみ、
そのまま「あーん」と口の中に入れるのです。
薬に対して警戒心の強い子なら、ベビーシュークリームを半分に割って、
中のクリームに薬を混ぜ、何事もなかったかのように蓋をして
一口で食べさせるという高等テクニックもあります。
子供を半ばだまして薬を飲ませることも初期には
必要かもしれませんが、
子ども自身が薬を飲んで症状の改善を自覚すると、
まずい処方でも案外すすんで飲んでくれることもあります。
アトピーなど皮膚が痒い子供は、消風散(ショウフウサン)や十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
で痒みが治まるのが分かると自分で薬を催促するようになります。
そうそう、子供は全て甘党ではなく、時々辛党の輩がいるのを忘れていました。
塩味を好む子供の場合、マヨネーズに薬を混ぜると上手くいきます。
この手の子供は、好みがうるさく、ひき割り納豆やのりの佃煮など、
思いもよらない肴で薬を嗜んでいるようです。
しかし、私が最も驚かされた漢方薬の友は、なんとイカの塩辛です。
こんな子は将来、大酒のみになって、(インチンコウトウ)や
黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)のお世話になっていることでしょう。