
25/01/2024
日本人の心血管イベントによる死亡の季節変動をみると、夏場は少なく、寒い時期におおよそ1.5倍から2倍くらい高くなることが分かっています。そして、血圧の変動(上昇)がイベントの誘引、重要な引き金になっていると考えられています。データを検討すると、心血管イベントによる死亡は、収縮期(上の)血圧においては20mmHg、拡張期(下の)血圧は10mmHg上昇すると、それぞれリスクが2倍ずつ増加する事が見てとれます(図参照)。心血管イベントの多くは早朝に発症しますが、起床後の血圧の急上昇、モーニングサージがその原因と考えられており、冬季にはそれが増強される事が分かっています。
血圧の変動は足元からの高さんお気温によって異なり、高さ1.1mの室温が10℃下がると血圧は5mmHg上昇、高さ0.1mと、より低いところで室温が10℃下がると血圧は9mmHg上昇したとする報告もあります。「気温の変化は薬では抑えられない問題だが、高血圧症を引き起こす大きな引き金になっていることに注目しなければならない」とされており、上記の研究結果より「部屋全体の温度管理よりも、足元を冷やさないための温度管理の工夫が重要」とも報告されています。
11月初旬ですが朝晩の寒さが厳しいこの数日、寒さ対策は体調管理に重要ですが血圧が高めの方は特に足元の冷えに注意してお過ごしください。
https://www.jhf.or.jp/action/mediaWS/19/02.html