17/12/2021
最近、ドラマを見ていて思わず目の演技などで涙が出てしまうことがある。
その人の人生の今を切り取って演じるには人間理解の深さが要求されるものなのだろうと思う。
大竹しのぶが「ああ野麦峠」に出演したとき、(今となっては記憶が曖昧なのだが)同僚が心中した朝、会社のお祝いの餅をみんなで食べるとき「たべてはなんねぇ」と一言いう場面があった。この一言に監督がうなったと記事で読んだ記憶がある。
「鉄道員」ぽっぽやの時も、太鼓叩いて笛吹いてと言う舞台の時も、彼女の一言はつい「う~ん」と言うしかない感動を与えてくれるものだった。
見事なまでに人生を切り取った一言だったのだ。
私の尊敬する藤本蓮風先生は「鍼に己の人生を込める」と講演で話してくれた。
聞いた当初それが一体どういうことなのかまったく理解できなかった私だが、齢70を過ぎた今でもその言葉が私の「命題」となっている。
人の痛みや苦しみを我がものとしてただ「寄り添う」医者を「心医」と言う。
私にとってはとてつもなく高いハードルだが、「一言」に通じる鍼師に一歩でも近づけたらと願っている。