ルークス芦屋クリニック

ルークス芦屋クリニック 細胞レベルの健康を取り戻していただけるようサポートいたします。

獣医さんが語る腸内フローラ移植
18/06/2025

獣医さんが語る腸内フローラ移植

今回のテーマは「犬猫への便移植」当研究会会員である兵庫みなと動物病院 院長豊福祥生 先生をゲストにお迎えしてワンちゃん🐶やネコちゃん😺に対する便移植(FMT)についてお話をお聞きしました!豊福先生は私たち.....

口臭の原因ガスの一つに硫化水素がありますが、このガスはSIBO(小腸内細菌異常増殖症)の原因ガスの一つとして知られており、いずれも口〜腸〜肛門に及ぶ消化管内の細菌叢の乱れ(dysbiosis)によるものです。実際にSIBOの方には口臭やガス...
08/06/2025

口臭の原因ガスの一つに硫化水素がありますが、このガスはSIBO(小腸内細菌異常増殖症)の原因ガスの一つとして知られており、いずれも口〜腸〜肛門に及ぶ消化管内の細菌叢の乱れ(dysbiosis)によるものです。
実際にSIBOの方には口臭やガス臭を気にされる方が多くいらっしゃいます。
ということで今日はSIBOやIBSの病態を理解するために口臭セミナーに参加してきました。

#口臭

【IBSと睡眠障害】首都圏で行った調査によると43%の人に睡眠障害が認められたということですが、IBSの人は健康な人よりもっと睡眠障害が多いとされています。昨年のThe American Journal of Gastroenterolog...
30/05/2025

【IBSと睡眠障害】

首都圏で行った調査によると43%の人に睡眠障害が認められたということですが、IBSの人は健康な人よりもっと睡眠障害が多いとされています。

昨年のThe American Journal of Gastroenterology誌1月号(Topan R, et al. Am J Gastroenterol. 2024;119:155-64.)に掲載された論文によると、前日の夜に「よく眠れた」と感じた日には、IBSの消化器症状が軽減する傾向が示されました。一方で日中の消化器症状とその日の睡眠の質との間に関連は示されませんでした。
 
以前より睡眠の質がIBSの消化器症状に影響することが示唆されてきましたが、これまでのところIBSの消化器症状と睡眠が関連するかどうか結論は得られていませんでした。今回の論文の著者らはRome IV基準でIBSと診断された英国内のIBS患者80人を対象に、睡眠の主観的・客観的指標と消化器症状との関連を調べました。

その結果「よく眠れた」という回答を得られた翌日は、「腹痛」の軽減が認められましたが、一方では日中の腹痛の程度が軽かったり全くなかったからといって、その日よく眠れるかどうかに関連を見出すことはできませんでした。

また同様に「よく眠れた」という回答が得られた翌日は、「下部消化器症状(膨満感や残便感)」の軽減が認められましたが、一方では日中の下部消化器症状が軽かったり全くなかったからといってその日よく眠れるかどうかには関連を見出すことはできなかったということです。

この結果から著者らは、患者が自らの睡眠に関してどうとらえているかが、翌日の消化器症状に最も大きく影響する可能性があると結論付け、睡眠は消化器症状に影響する生活習慣の1つとみなすべきであると指摘しています。

このようにIBSの診療において睡眠の質を評価し、必要に応じて治療をし、「よく眠れた」という実感を得てもらうことが大変重要であると考えらます。

睡眠ホルモンであるメラトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」から作られますが、このセロトニンの95%は腸にあるクロム親和性細胞から作られます。腸内細菌の乱れがあるとこのセロトニン産生にも影響を及ぼし、その結果として不安や抑うつ、不眠症状の原因となることが知られています。ですから日頃からの腸内環境を整える取り組みがより良い睡眠にもとても重要なのです。

【当院でおすすめしている睡眠のための工夫】

1. 自分に合った睡眠時間を確保
睡眠は体質や年齢など個人的な要因に影響されるため、その人が何時間眠れば良いのかという絶対的な基準はありません。厚生労働省の作成した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、「成人は6時間以上」、「小学生は9時間~12時間」「高齢者は個人の体調や生活状況に合わせた時間」と示されていますが、個人的には成人でも7時間以上の睡眠時間を確保する方がいいと思います。しかし入眠困難がなく、朝の目覚めも良くて日中の眠気もない場合、おおむね質の高い睡眠が取れていると考えて良いでしょう。
※睡眠検査を受けることでおおよその自分に適した睡眠時間を推測することができます。

2. 朝日を浴びて体内時計をリセット
私たちの体には体内時計(概日リズム)が備わっていて、朝起きて夜に寝るというリズムに合わせて、体温や血圧、細胞の再生やホルモン分泌が調整されています。
生活習慣の乱れた体内時計のリズムをリセットしてくれるのが「朝日」です。特に日の出前後の青白い光は、脳の「松果体」で感知されれることで睡眠ホルモン「メラトニン」が減少し、目を覚ます働きのある「セロトニン」の量を増やします。この反応の約14時間後には再びメラトニンの分泌がピークとなり眠気を起こします。

3. 寝る直前にスマホやPCは見ない
パソコンやスマホからの光には、睡眠ホルモン「メラトニン」を抑制する「ブルーライト」が含まれています。これを多く浴びると寝つきを悪くするだけでなく、体内時計を乱す要因にもなります。寝る前の1時間は、テレビやパソコン、スマホなどを見ない習慣を身に付けましょう。

4. 運動習慣を身に付ける
ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を習慣的に続けることで、寝つきや睡眠の質の改善が期待できます。ストレッチや腹式呼吸なども良いとされています(当院では「逆腹式呼吸」を推奨しています)。ただし、激しい運動は逆効果になるので要注意。運動やストレッチは床に就く1~2時間前までに行うのが良いとされています。

5. ゆっくり入浴して体の深部を温める
就寝時間の1~2時間前にゆっくりと入浴することがおすすめです。入浴により深部体温が上昇しますが、お風呂から出た後に急低下することによって眠気を引き起こします。興奮した自律神経を落ち着かせる働きのあるマグネシウムを多く含んだ入浴剤も効果的です。入浴は眠気が起こるタイミングから逆算すると床に就く1〜2時間前が良いでしょう。逆にすぐに眠りたいときは、湯船に入らずシャワーだけがおすすめです。

6. 睡眠に重要な栄養素を摂る
睡眠の質を上げるには3つのアミノ酸が重要です。

・トリプトファン
メラトニンの材料となるトリプトファンが含まれる食材としてよく知られているのが牛乳やチーズなどの乳製品ですが、当院では腸内環境の観点から積極的には乳製品の摂取はお薦めしていません。トリプトファンはレバー、大豆製品、ナッツ類にも多く含まれますからこれらの食材を意識して、できれば朝食に摂取することが良いでしょう。

・グリシン
グリシンはエビやホタテなどの魚介類に多く含まれ、睡眠へスムーズに入りやすく、睡眠の質を高める効果が期待できます。

・GABA
GABAはトマトやバナナ、ヨーグルト、玄米などの穀類に含まれ、興奮した神経を落ち着かせ、副交感神経を活性化させて、睡眠の質を高める効果が期待できます。

・ビタミンB群
睡眠に関連するセロトニンやメラトニンといった神経伝達物質は補酵素であるビタミンB群が不足するとうまく産生できません。基本は食事からの摂取ですが、必要に応じてサプリメントなどからビタミンB群をしっかり摂取することで睡眠の質を向上させます。※当院では睡眠障害向けのサプリメントを取り揃えておりますので気になる方はご相談ください。

7. カフェインや喫煙を控える
カフェインに覚醒作用があることはよく知られていますが、特に感受性の高い人は要注意です。どうしても欲しい場合は午前中に摂取するように心がけましょう。
IBSやSIBOの方の中にはカフェインで日中の腹部症状が悪化する方も多く、やはりカフェインを控えておく方がいいでしょう。
また、タバコに含まれるニコチンは中枢神経系に刺激を与え、脳を覚醒させてしまいますので控えることが重要です。

私は元々タバコは吸いませんがコーヒーは好きな方です。以前は1日数杯飲んでいる時期がありましたがそのころは睡眠障害に悩まされていましたが、今では午前中に1杯と決めて寝れるようになりました。

8. 「光」をコントロールする
睡眠中の明るさはできる限り暗い方が良いとされています。眠る前に強い光を浴びることはメラトニンを抑制するため避けることが望ましいですが、光の色にも眠りやすい環境をつくる色があります。特にオレンジ色などの暖色系の色は光のエネルギー量が少なく、「メラトニン」の分泌を妨げにくいとされています。

個人的にはLEDより白熱球の光の方が質の高い睡眠には有効だと感じていますが、このご時世LEDの光を浴びないようにすることがなかなか難しくなってきています。

日本の住宅の照明は明るすぎるため、メラトニンの分泌を抑制するだけでなく、脳内の覚醒物質とされる「オレキシン」を活性化させてしまい、睡眠不足の原因の一つであるスマホのブルーライトよりもその影響は大きいのではないかとされています。

いかがでしょうか?

これらの対策を講じても睡眠の質がなかなか改善しない場合は、前回のブログでも紹介した「睡眠検査」をご検討ください。

#睡眠検査

【あなたの睡眠はどうですか?】IBSやSIBOの背景には睡眠障害や不安障害、抑うつ状態を伴うことがよくありますが、中でも睡眠の質が上がるだけでも症状が緩和するケースは少なくありません。日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いことで知られ、OEC...
30/05/2025

【あなたの睡眠はどうですか?】

IBSやSIBOの背景には睡眠障害や不安障害、抑うつ状態を伴うことがよくありますが、中でも睡眠の質が上がるだけでも症状が緩和するケースは少なくありません。

日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いことで知られ、OECD加盟国の中でも群を抜いて短くなっています。(図1)

皆さんの中にも日中に眠気を感じる方も少なくないのではないでしょうか? 睡眠研究の権威でいらっしゃる柳沢正史先生によると、世界的に見ても日本人の睡眠時間の短さは異常であり、基本的に昼間に「眠気」を感じるケースは全て「睡眠不足」とのことです。

近年の我が国の医療費は右肩上がりで増加していますが、これは超高齢化社会となっていることに加え、睡眠不足に関連したさまざまな疾患の増加も無視できないと考えられています。

IBSやSIBOでは自律神経の働きが落ちていることも要因の一つですが、その背景には睡眠の質の低下や睡眠時間が短いことも大きく影響しています。

これまでの研究で睡眠の質と睡眠時間を改善させることで、メンタル、メタボリックシンドローム、認知機能、がんリスク、免疫異常、皮膚の老化、これら全てを改善させることが可能とされていますが、IBSやSIBOに伴うさまざまな症状の改善にも効果があります。

【あなたの睡眠の質がわかる検査】

あなたの睡眠をチェックしてみましょう!

もし下記のようなお悩みがあれば、あなたの「睡眠の質」に問題があるのかもしれません。

・もしかして不眠症?
・日中の眠気
・集中力の低下
・家族からいびきを指摘された
・ダイエットがうまくいかない
・不安感が強い

睡眠に問題があると、高血圧、糖尿病、うつ病、認知症、脳卒中、慢性的な消化器症状(IBS、SIBOなど)などのリスクが高くなります。

もし気になるようでしたら一度、脳波による「睡眠検査」をおすすめします。

【睡眠検査でわかること(図2)】
・睡眠の質が詳しくわかる
脳波を測定するからこそ詳細な睡眠状態が分かります

・睡眠障害のリスクがわかる
リスクが顕著な場合は専門の医療機関の受診を勧めたり、当院で対応可能な情報も提供します。

※特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が強く疑われる場合は提携している呼吸器内科にご紹介します。

※SAS治療に使われるCPAP(図3)が使えない場合には口腔内装置(OA)(図4)を作成するための歯科をご紹介いたします。

・「眠れない」が客観的にわかる
布団の中で眠れずにいた時間の長さは思いのほか自分の感覚と異なるものです。睡眠検査は「眠れない」の深刻さだけでなく自分の感覚の正しさを確かめる機会にもなります。

・睡眠時間や生活リズムがわかる
睡眠時間や不規則生活の有無や、その睡眠の質への影響を評価します。

・睡眠を良くする方法がわかる
あなたの詳しい睡眠の状態とアンケートの回答を踏まえ睡眠を向上させるための睡眠の専門家からのアドバイスを提供します。

睡眠検査はご自宅で簡単に機械を装着して受けることができます(図5)。

検査終了後「睡眠レポート」を作成してお渡しいたします(図6)(サンプルpdf:https://8f0ad978-ac86-4f79-9d07-dedd9e681e2b.filesusr.com/ugd/021ba9_9b57e46e75ae4690bc8ca5b40655b7f9.pdf )

どうぞお気軽にご相談ください。

#睡眠 #睡眠時無呼吸 #口腔内装置

【SIBOとお掃除蠕動(MMC)】腸にはお掃除蠕動(Migrating Motor Complex : MMC)と呼ばれる大きな蠕動運動が備わっていることをご存知ですか?この強力な蠕動運動は食事と食事の間に小腸から細菌や食べかすをきれいにお...
27/05/2025

【SIBOとお掃除蠕動(MMC)】

腸にはお掃除蠕動(Migrating Motor Complex : MMC)と呼ばれる大きな蠕動運動が備わっていることをご存知ですか?この強力な蠕動運動は食事と食事の間に小腸から細菌や食べかすをきれいにお掃除することでSIBOの予防に一役買っています。

お掃除蠕動(MMC)とは?
MMCは、空腹の時に90~120分ごとに起こる一連の波状の腸の蠕動運動です。腸内環境を整えてくれる「家政婦」「お掃除屋さん」のようなものだと考えてみてください。

・MMCはSIBOにとってなぜ重要なのか?
ストレス、頻繁な間食、迷走神経の機能不全などによりMMCが正常に機能しなくなると、小腸に細菌が蓄積し、SIBOおよびその関連症状を引き起こす可能性があります。

・MMCをサポートする方法
✅ 食事の間隔:MMCが活性化するように、食事の間隔を3~5時間空けましょう。
✅ 間食は避けましょう:少量でも腸の働きを阻害する可能性があります。
✅ 迷走神経をサポート:深呼吸、うがい、瞑想は腸の運動機能を高めます。
✅ 寝る前の食事をやめましょう : 寝るときに胃のなかに食べ物が残っているとMMCがうまく働きません。
✅ 消化管運動促進薬の服用を検討しましょう:腸の運動機能が低下している場合は、特定のサプリメントや薬(ex.モサプリド)が効果的です。

MMCがきちんと働けるように空腹時間を増やすことで、SIBOの予防と回復に大きく貢献してくれます。

あなたは食事の間隔をあけていますか?

それとも、頻繁に間食をしていますか?

私は、医療従事者向けのSIBO Mastery Programを修了していますが、これからもSIBOの診断と治療方法などを、日本より情報が早い海外の情報からアップデートをおこない日常診療に活かしていきます。

#腸内環境 #腸内細菌 #食事間隔 #消化 #膨満感

【SIBOと機能性ディスペプシア(FD)】あまり馴染みのない名前かもしれませんが機能性ディスペプシア(FD)に悩まされる人は少なくなく、我が国では人口の15%程度がFDとされています。FDでは、胃痛、胸やけ、膨満感、げっぷ、吐き気、あるいは...
27/05/2025

【SIBOと機能性ディスペプシア(FD)】

あまり馴染みのない名前かもしれませんが機能性ディスペプシア(FD)に悩まされる人は少なくなく、我が国では人口の15%程度がFDとされています。

FDでは、胃痛、胸やけ、膨満感、げっぷ、吐き気、あるいは少し食べただけで満腹感を覚えるといった症状を伴いますが、標準的な検査(血液検査、胃内視鏡検査など)を受けても原因が特定されません。つまり器質的な異常は認められず機能的な異常とされた場合、FDとされてきました。

FDに対してはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害する「アコファイド」と呼ばれる薬が使われます(保険適用)。これはアコファイドが副交感神経終末から遊離されるアセチルコリン(Ach)の分解を抑制することで、シナプス間隙におけるACh量を増加させると考えられ、消化管運動機能改善作用を示します。

しかし実臨床ではアコファイド無効例も一定の割合であり、それに対するさまざまな研究が進んでいます。

これまでの研究では、FDには胃腸運動障害以外に十二指腸炎、、腸管透過性亢進(リーキーガット)、内臓知覚過敏、そして脳腸相関が関連していることが示されています。

これらはFDの病態生理を理解するために重要なトピックですが、私が注目するのは最近発表されたご紹介する2つの報告で「FD」と腸内細菌叢の乱れ(Dysbiosis)との関連が指摘されています。

1つ目は、腸内細菌叢の乱れと消化不良との関連を示す研究のシステマティックレビューです。

・2件の研究では胃液吸引物について評価をしていますが、FD患者では、プレボテラ属細菌の割合が多く、アシドバクテリア属細菌が認められないことがわかりました。

・4件の研究では粘膜関連細菌叢についての評価をしましたが、FD患者では、ファーミキューテス属細菌とレンサ球菌属細菌の割合が多く、細菌量と生活の質(QOL)の間に逆相関が認められました。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7285034/ PMID: 32397332)

2つ目はコホート研究ですが、FD患者227名、過敏性腸症候群(IBS)患者90名、対照群患者30名を対象に調査した結果、以下の結果が得られました。
(PMID: 33011725 https://karger.com/ddi/article-abstract/39/4/382/96239/High-Prevalence-of-Small-Intestinal-Bacterial?redirectedFrom=fulltext)

FD患者の5名に1名がSIBO陽性
IBS患者の5名に1名がSIBO陽性
対照群患者の30名に1名がSIBO陽性

つまり、FDと診断された患者は、IBSと診断された患者と同様にSIBOを発症するリスクが高いことが明らかになり、腸内細菌の乱れはIBSだけでなくFDといった機能性障害に影響を与えていることが示唆されます。

私は、医療従事者向けのSIBO Mastery Programを修了していますが、これからもSIBOの診断と治療方法などを、日本より情報が早い海外の情報からアップデートをおこない日常診療に活かしていきます。

#機能性ディスペプシア #腸内細菌 #腸内環境 #リーキーガット

【SIBOと甲状腺】甲状腺は、首にある蝶々のような形をした臓器で、代謝を調節し、消化を含む様々な身体機能に影響を与えており、甲状腺機能低下症の一般的な症状には、むくみ、便秘症、倦怠感、体重増加、寒さへの敏感さ、薄毛などがあります(図)。SI...
25/05/2025

【SIBOと甲状腺】

甲状腺は、首にある蝶々のような形をした臓器で、代謝を調節し、消化を含む様々な身体機能に影響を与えており、甲状腺機能低下症の一般的な症状には、むくみ、便秘症、倦怠感、体重増加、寒さへの敏感さ、薄毛などがあります(図)。

SIBOにはしばしば甲状腺のトラブルを合併していることがありますが、その理由は以下のことが考えられています。

運動機能の問題:橋本病など甲状腺機能が低下する病態では、腸の蠕動運動が鈍り、小腸内のガスや増殖した細菌が腸内に停滞に停滞しやすくなります。これはSIBO発症の重要な原因の一つと考えられています。

胃酸分泌減少:甲状腺機能低下症では、しばしば低胃酸症(胃酸分泌減少)を合併しますが、これは腸内環境の自然なバランスを崩し、SIBOのリスクを高めることになります。

また、甲状腺機能低下症に使われるレボチロキシン(T4製剤、チラージン)は、活性型であるT3に主に肝臓と腸内細菌によって変換されますが、SIBOやDysbiosisがあると、この変換が阻害される可能性があります。すると結果的に甲状腺機能が改善しない→T4製剤投与量が増える→腸への負担が増す、という悪循環になり、さらにSIBOのリスクを高めることになります。

このように甲状腺と腸の健康は密接に関連しています。両方をケアすることが健康維持には重要です。

https://www.lukesashiya.com/treatment/sibo/cause.html

https://doi.org/10.1210/jc.2007-0606 PMID: 17698907

#SIBO #甲状腺

【医科歯科連携に留まらないAgri-Dent-Medicine】健康の要である腸内環境を最適化するには腸だけ診ていてもダメで、口腔内環境も含む一本の管である「消化管」として診ていくことが重要。ということで、歯科領域の情報も収集するために沖縄...
24/05/2025

【医科歯科連携に留まらないAgri-Dent-Medicine】

健康の要である腸内環境を最適化するには腸だけ診ていてもダメで、口腔内環境も含む一本の管である「消化管」として診ていくことが重要。

ということで、歯科領域の情報も収集するために沖縄までやってきました。

これまであまり連携されてこなかって医科と歯科ですが、消化管を入り口から出口まで最適化するには密な連携が必須。

中でも医科歯科の両方の最適化に最も重要なことが微生物(microbiota)最適化と睡眠を最適化です。

昨日のブログでも書きましたが、ヒトにおいても腸内細菌叢が病的口腔細菌叢の影響を受けることを示すとともに、歯周病治療・予防により健全な口腔細菌叢を回復し、それを維持することが全身の健康にとっても重要であることが最近の研究で明らかになっています。

また、充分な睡眠には、免疫力を高め燻る炎症を抑制する働きがありますが、逆に慢性的な睡眠障害は様々な疾患の原因となる慢性炎症を助長することとなったり、自律神経を乱したり、さらにはHPA軸の過剰反応を起こします。つまりIBSやSIBOという機能性障害だけでなく、歯周病や潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患や炎症性疾患のリスクも高めます。

そして、これら私たちと共生する微生物の最適化、睡眠の最適化に重要なのはやっぱり私たちが日頃口にする「食」の最適化です。

私たちは医科と歯科の連携だけにとどまらず、微生物との健全な共生ができる環境づくりや、その人の本来の自己治癒力が引き出せるよう、その人に合った食事を提案したり、自分らしい生き方を取り戻せるようにサポートいたします。これこそがAgri-Dent-Medicine(農食歯医連携)であり微生物循環学なのです。

#医科歯科連携
#口腸相関
#睡眠歯科
#腸内フローラ
#口腔内フローラ
#腸内環境
#微生物循環学

【IBSと脳腸相関】私も学生のころテストが近づくとよくお腹をこわしていましたが、IBSではストレスレベルが高くなると症状が悪化することがよく知られています。IBSの病態に関している大きな軸が「心理的・社会的ストレス」「内臓知覚過敏」「消化管...
23/05/2025

【IBSと脳腸相関】

私も学生のころテストが近づくとよくお腹をこわしていましたが、IBSではストレスレベルが高くなると症状が悪化することがよく知られています。

IBSの病態に関している大きな軸が「心理的・社会的ストレス」「内臓知覚過敏」「消化管運動障害」の3つとされています。

そのほかに遺伝的要因、腸内細菌叢、幼少期の環境、粘膜透過性の亢進など多くの要素が複雑に絡み合ってIBSの病態を形成しています。

上記の大きな3つの軸には「脳腸相関」と呼ばれる脳と腸の間で行われる相互的なシグナル伝達が大きく関与していますが、中でもストレスへの反応として重要な役割を果たしているのが、視床下部ー下垂体ー副腎軸(HPA軸)と呼ばれる一連の生体反応です。

IBSでは、このHPA軸の反応が通常と異なっており、消化管運動障害の原因にもなっています。

ストレスを感知すると視床下部が反応し、室傍核より副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)が分泌されますが、CRFは大腸粘膜の肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症に関連する科学物質を放出させ、その結果、粘膜透過性を亢進させ、内臓知覚過敏を生じさせますが、IBSではしばしば過剰な反応を生じるため、さまざまな腹部症状の原因となっています。これはIBSにヒスタミン不耐症を合併しやすい要因の一つともなっています。

さらに、IBSの病態に深く関わっている生理活性物質の一つが「セロトニン」です。セロトニンは「幸せホルモン」として知られる情動を司る神経伝達物質ですが、その約9割が主に消化管粘膜にある腸クロム親和性細胞で生成され、消化管の運動、知覚、分泌などに大きく関係しています。セロトニンが欠乏すると内蔵知覚過敏が悪化するとともに不安が惹起されることが知られています。

IBSの治療においては、セロトニンの受容体に対する作動薬が用いられますが、下痢型では5-HT3拮抗薬(イリボー、ラモセトロン)が使われたり、便秘型では5-HT4作動薬(ガスモチン、モサプリド)が使われたりします。また抗うつ薬の一種であるセロトニン再取り込み阻害剤を投与すると脳の更新した活動が抑えられ腹部症状が改善も改善します。

このように、IBSには脳をはじめとする中枢神経と腸管との密接な相関が関与しており、腹部症状の背景にはストレス耐性の脆弱性、抑うつ、不安障害などが存在することも多く経験されることです。

#IBS #SIBO #腸内フローラ #脳腸相関

【口腔細菌叢の乱れは腸内細菌叢の乱れ】-歯周病に罹患すると腸内細菌叢が乱れて全身に悪影響の恐れ-
23/05/2025

【口腔細菌叢の乱れは腸内細菌叢の乱れ】

-歯周病に罹患すると腸内細菌叢が乱れて全身に悪影響の恐れ-

理研らの国際共同研究グループは、歯周病以外に全身的な疾患のない患者と歯周病を含む全身的な疾患のない健康な対象者の唾液、ならびにふん便中の細菌叢(そう)を網羅的に解析し、歯周病患者では唾液中の細菌だけで...

【意外と多くの人が悩まされているSIBO】SIBO(小腸内細菌異常増殖症)の病態は大変複雑で、理解しにくい疾患とされています。患者さんたちはネットにあふれる誤った情報に踊らされたり、漫然と効果のない薬物治療を受けていることもあります。日本で...
23/05/2025

【意外と多くの人が悩まされているSIBO】

SIBO(小腸内細菌異常増殖症)の病態は大変複雑で、理解しにくい疾患とされています。

患者さんたちはネットにあふれる誤った情報に踊らされたり、漫然と効果のない薬物治療を受けていることもあります。日本ではまだSIBOという疾患概念が確立されておらず、消化器病の専門医の間でもこのような患者さんの治療には何重することが多くあります。

当院では院長の消化器内科医としての30年以上の経験に加え、海外の自然療法医(ND)たちが実践するSIBO、IBS、その他の機能性消化器疾患に対するホリスティックなアプローチを学び、日々これらの患者様がご自身の病態と向き合い、理解を深められるようお手伝いをしております。

院長は、SIBO教育の国際的リーダーであるニララ・ヤコビ博士(Nirala Jacobi, ND※)が主催するSIBO Mastery Courseを修了(2021)し、日々IBS/SIBO患者様と向き合い治療を行なっています。

SIBOは未だ国内では疾患概念が確立されておらず健康保険適用の治療はありませんが、日々アップデートが行われるヤコビ博士のプログラムに倣い、最新の科学に裏付けられた治療をご提案しております。よって当院で行われる検査・治療はヤコビ博士のプログラムを当院が独自に日本人向けにアレンジしたものをご提供しています。

もしなかなかよくならないお腹の不調があれば、一度ご相談ください。

※ND:Naturopathic Doctor(自然療法医)

住所

8-2 むービル2F
Ashiya, Hyogo
659-0092

電話番号

+81797236033

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