08/07/2020
【stay at home 解除後に多く聞かれる訴え】
この春いっぱい続いた緊急事態宣言が解除され
最近の当院を受診される患者さま方より
以下のようなご訴えが多く続いています。
こども: 学校に行ったら黒板が見えない。
大人: 在宅勤務でパソコン作業が増え目が疲れる。
こどもも大人も家の中からほとんど出ませんでしたので遠くの距離を見る機会が減り、その代わり近くのものを見る機会が格段に増えました。
お子さんに関しては学校に行けず、お家で学校からの課題をプリントや教科書に併せてオンライン学習などそして学習以外の時間でも気分転換にゲームやyoutubuの動画を視聴したり
とにかく近くの距離を見る時間が学校に通う生活以上に増えました。
遠くの距離のモノほとんど見ずに、近くの距離のモノばかり見て暮らす生活と言っても過言ではありません。
従来の普通の暮らしというのは遠くの距離のモノを見たり 近くの距離のモノ両方を見たり、外出することでそのどちらの距離のモノも見る機会を自然に得ていました。
(まぁ、外出先でもずっとスマホゲームから目を離さなければ近くを見続けていることになりますが…)
しかし家からほとんど出ないstay at homeの期間は家の中の壁に囲まれた環境がよほどの豪邸(笑)でない限り1辺5メートルを超え広い空間はなかなか無いと思います。
したがって近距離(30cm)から中間距離(2m前後)を常に見ています。
それは常に眼の中の筋肉が緊張し調節をしている状態ということになり、それが長時間にわたり近くを見ていると緊張したままが維持されます。
その流れで近くを見るピントのまま遠くを見てしまうと当然「見えない」
ことになります。
近く⇔遠くを交代で見る際には脳の切り替え機能が本来作動します。 それを調節緊張 ⇔ 調節弛緩 と言います。
遠くや近くをさまざま見るたびにピントの切り替えを行うわけなのですがその機能がうまく作動しないわけです。
ピントの切り替えが作動しないだけなら緊張を解けば普通に遠くは見えるようになりますが
なかには、緊張したピントのままそれが固定してまい「近視の度が進んだ状態」になるケースもあります。
そのほか近くに合ったピントがフリーズしてしまい緊張が解けないケースもあります。
お子さんが久しぶりに登校して「黒板が見にくかった」などとおっしゃる際はぜひ眼科に視力検査にお越しください。
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大人の場合も子供と同じくstay at home期間に
在宅勤務などで自宅で過ごす時間が大半となり、
近くを見て過ごす時間が格段に増えました。
近くをみる作業=近業(きんぎょう)は集中するので
瞬きの回数が減ります。
瞬きの回数が減ると目が開きっぱなしになるので乾きます。
また瞬きによって涙液は分泌されますので、瞬きの回数が減るということは目の表面にある涙液の量が減っていることになります。
そのため近業の時間数の増加によりドライアイが悪化しモノが見にくくなることも考えられます。
それ以外に、stay at home期間以前から手元に持っている眼鏡が
今の状態にしっかり合っておらず短時間の近業には耐えられるものの長時間の近業には耐えられないなどのケースもあります。
中にはコンタクトの度数を完全に遠く用に合わせたものを使って 在宅勤務中の近業をこなしていたので尋常じゃなく疲れる!…というケースもありました。
老眼の始まりの世代40歳から45,6歳の方々もじっくり在宅ワークをしたら、今までに感じたことが無い疲れや近方の視力不良を感じた… などとおっしゃって受診される方々もいらっしゃいます。
いずれにしても大人の場合は
病気に起因する不調なのかそれ以外の理由なのかの判別が大切です。
その先に何等か治療すれば改善するものか道具(眼鏡 コンタクト)の調整をすれば改善するのか医師の診察によって対応方法が決まります。
(視能訓練士 千葉かおり)
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