
20/08/2024
ついに表紙が正式に決まりました!
【脳の機能解剖とリハビリテーション】
医学書院より10/20ごろ発売します。
本著に取り掛かっておよそ1年半、尽力してイメージ通りの内容を書き上げたという自負がありま す。
もともと当施設 STROKE LABの療法士向け講習会で脳科学コースを長年実践しており、脳科学を臨床に落とし込んでいくノウハウを蓄積していました。
そのノウハウを臨床現場に落とし込む作業として本著で完成できたことに安堵しています。
本著の構成として最も意識したことは、大学病院勤務時代の悩みや問いを掘り起こしていく事に尽きます。
当時、整形外科、内科、小児科など幅広い担当を年間約200名、患者さん一人ひとりの状態を迅速に把握することに追われながら、適切なリハビリテーション方法を模索していました。
カルテで分からない情報を見つけるとすぐに調べる習慣を叩き込まれ、脳神経系であれば「脳領域 別の理解ならこの本!疾患の理解ならこの本!リハビリの技術アイデアならこの本!」のように多くの書籍をまたぐため、非効率な勉強にならざるを得なく、一定の知識に到達するまでは無限の迷 路のように感じられました。
本著では、当時の悩みを解決するため、1ページごとに、脳領域の基礎知識と、臨床での糸口とな る観察ポイントと臨床アイデアを織り交ぜ、見開きで繋げました。
特に観察のポイントは、まさに臨床の源泉といえます。そして大脳皮質、高次脳機能にとどまらない、脳幹や脊髄まで網羅することで、応用できる幅を広がることを目標としました。各領域を神経ネットワーク として結びつけながらの解説も、脳を局所ではなく全体で捉える重要なポイントとしてまとめました。
この幅広く結びつける作業は、大学病院時代の脳幹や脊髄疾患まで幅広く患者を担当してきた経験も大きいといえます。
ほかにも、大量の論文情報からトピックを選出し、難しい情報を臨床につなげる展開を意識しました。
論文読解に慣れない医療従事者に伝わるよう、分かりやすい要約に加え、イラストイメージを豊富に活用しました。臨床場面の絵を用いたことで、日々の臨床光景が読者の中に浮かびやすいよ う工夫しました。
そして、前作の「脳卒中の機能回復」と同様、すべての領域に20〜50分前後 の動画を組み込むことで、画像読解の限界を動画解説で乗り越えています。
近年は動画で学ぶ学習スタイルが主流となり始めており、個人的には文字でも動画でも臨床に活か せるのであればどちらのスタイルでも続けて学んでいく事をおすすめします。