28/04/2026
【PI通信~海外拠点便り(8)・タイ~】
微笑みの国が「戦場」に変わる時——タイの旧正月ソンクランの光と影
タイでは一年で4月が一番暑く、毎年4月13~15日の三日間は灼熱の中で繰り広げられる「水かけ祭り」ことソンクランがここ数年で海外からも非常に注目を集めています。
2026年のソンクランは、政府による積極的な観光誘致も相まって、主要都市には例年の数倍とも言われる人々が押し寄せました。バンコクのシーロム通りやカオサン通りは、身動きが取れないほどの熱気に包まれ、まさに「世界最大の水かけ合戦」の名にふさわしい盛り上がりを見せています。
本来のソンクラン:水を掛け合う「祈り」の形
今でこそ激しい水の掛け合いが注目されますが、ソンクランの本質は「タイの旧正月」であり、家族や伝統を重んじる神聖な行事です。
伝統的なスタイルでは、人々は朝から寺院を訪れて仏像に水をかけ、自らを清めます。
また実家に帰り、年長者の手に香りをつけた水をそっと注いで敬意を表し、新年の祝福を授かる「ロットナム・ダムフア」という儀式が行われます。
現代の熱狂と、日本人が直面する「戸惑い」
しかし、この「祝福」がエンターテインメントとして進化を遂げた結果、ここ最近のソンクランは驚くほど過激なものになりました。
多くの日本人がこの祭りに初めて参加すると、まずその「容赦のなさ」に衝撃を受けます。
•「濡れたくない」が通用しない: 一歩外に出れば、見ず知らずの人からバケツ一杯の水を浴びせられることも多いですが、中には氷水を浴びせられ、顔には白い粉(泥)を塗られます。「今日は仕事だから」「高級な服を着ているから」といった個人の事情は、このお祭り騒ぎの中では一切考慮されません。
実際、この時期に合わせてタイを脱出する日本人駐在員もいるほど、このカオスな熱狂は人を選びます。
カオスの先にある「タイらしさ」
それでも、なぜこれほどまでに多くの人々がこの祭りに惹きつけられるのでしょうか。
それは、水に濡れることを諦めてカオスの中に身を投じた瞬間、不思議な一体感が生まれるからです。大人も子供も、国籍も関係なく、ただ目の前の人と笑い合い、水を掛け合う。そこには、タイの人々が大切にしている「マイペンライ(気にしない)」の精神と、すべてを水に流して新しく始めるというポジティブなエネルギーが満ち溢れています。
今年の記録的な人出は、世界がそんな「理屈抜きの解放感」を求めている証拠かもしれません。もしあなたが来年の4月にタイを訪れるなら、スマホは防水ケースに入れ、心には少しの「諦め」と「遊び心」を忍ばせて、この戦場へ繰り出してみてください。
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