22/10/2025
三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller(藤原)
芸術家/建築家の荒川修作と、マドリン・ギンズによる「死なないための住宅」。
2005年に完成したこの住宅は、全部で9戸の集合住宅で、現在住んでいる人もいます。
見学会やショートステイもできるこの住宅。
前から気になっていたので、事前予約して見学会に参加してきました。
この建物には様々な仕掛けがあって、身体の感覚を刺激します。
床は凸凹していて足裏を刺激してきます。
床全体は高低差もあり、バランスをとりながら歩かなくてはいけません。
収納場所がないため、天井にあるフックにハンガーなどで吊るすのですが、凸凹しているため脚立が置けず、身体を伸ばして引っ掛けるしかありません。
球状になった部屋はツルツルして滑ります。
インターホンも斜めで、顔を傾けてしまいます。
どんな住宅だって思いますよね(笑)。
でも、嫌ということはなく、身体を動かしたくなる仕組みがありむしろすごく楽しい。
建築したお二人の長年の研究から、一人一人の身体が中心となるよう設計されているそうです。
なので、どんな人でも、例えば身体的に不自由な人や子供でも、それぞれに合った使い方が身体を動かすことで身につき生活していける、そんな住宅なんです。
まさに、五感をフル活!!
五感を刺激し続けることによって『死なないように』設計されているのです。
内外装に14色もの色を使用しているのですが、不思議と落ち着くのにも理由があります。
人は6色以上の色が視界に入ると、無意識のうちに、色を単体ではなく全体の色として認識するそうです。
それは無数の色があふれかえる自然の中と同じで、だから不思議と落ち着くのだそうです。
今までは自然という「環境に合わせた生活」をしてきました。
現在は自然という「環境を合わせる生活」に変化してきました。
雨風がしのげる立派な家、夏でも冬でも快適に過ごせる環境など、環境を合わせるということは、生活が便利になること。
そのため、私達の身体機能は昔と比べて衰えています。
そんな中、芸術家で建築家の方が、人工的な『自然』を作り、まさに『自然という環境』に合わせるような生活をさせ、身体機能が蘇るような試みをしていることに本当に驚き、良い体験ができました。
1時間30分の見学会でしたが、身体を刺激する体験ができ、はしゃいで楽しかったです(笑)。
興味のある方はぜひ事前予約をした上で、行ってみてください。