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『地図と拳』読んだ。架空の満州の村の興亡を、日露戦争から終戦までの半世紀にわたって描く本。そこに関わった人たちを描く群像劇なんだけど、時代を作った英雄にはフォーカスせず、変化の波に揉まれて負け犬っぽく生きる人たちの人生が交わるうちに、なんと...
29/04/2025

『地図と拳』読んだ。

架空の満州の村の興亡を、日露戦争から終戦までの半世紀にわたって描く本。そこに関わった人たちを描く群像劇なんだけど、時代を作った英雄にはフォーカスせず、変化の波に揉まれて負け犬っぽく生きる人たちの人生が交わるうちに、なんとなく戦闘と歴史が立ち上がってくる様子を丁寧に追いかけているのが良いですねぇ。

特に派手な展開はないんだけど、気功で銃弾に負けない肉体を手に入れた男、存在しない島の謎、戦時下の大泥棒の話とか、戦時中のリアルな描写を交えつつも、途中でマジックリアリズム的な大嘘をぶち込んでくるので、最後まで楽しく読めました。戦争ベースの『百年の孤独』ですな。

そんなストーリーを追ううちに、国家、歴史、文化、戦争みたいなもんが、割と抽象度が高めに浮かび上がってくるあたりが読みどころ。「戦争はヒドい!残酷だ!」って印象で終わるんじゃなくて、「いろんなものが虚構だよなぁ」とか「歴史は平凡な人生の絡み合いだなぁ」みたいな畏敬の念が沸いてくる、良い読書でありました。

#地図と拳 #小川哲 #歴史小説 #満州 #群像劇 #戦争と国家

『女のいない男たち』読んだ。孤独と喪失を抱える男たちがわちゃわちゃする話を集めた短編集。実は村上春樹作品を読むのはこれが初めてでして(翻訳書を除く)、初見ではだいたい以下の感想を持ちました。・全体としては、非モテキャラの男たちが何かの間違い...
25/03/2025

『女のいない男たち』読んだ。

孤独と喪失を抱える男たちがわちゃわちゃする話を集めた短編集。実は村上春樹作品を読むのはこれが初めてでして(翻訳書を除く)、初見ではだいたい以下の感想を持ちました。

・全体としては、非モテキャラの男たちが何かの間違いでモテてしまい、その後で女性からフラれて困っちゃった!話……って感じ。

・主人公の大半は「自分の何かは誰かによって満たされるはずだ!」って感覚の持ち主で、そこに“非モテ感”がバキバキに漂っている。登場する女性たちがみんな「ミステリアス」な存在として描かれてるのも、非モテ感に拍車をかけている。

・10年前の作品にしてはジェンダー観が古いし、てらいなくルッキズムが出てくるので、ひっかかりを覚えるとこも多い(ただし、ミソジニーとかではない)。

・が、文章が最強に上手いので、非モテのメンタリティを追ううちに、なんだか人生の普遍的な孤独と空虚感を見せつけられた気分にさせられるのが凄い。

ってことで、なんか複雑な気持ちにさせられる読書でありました。いまんとこ自分には向いてない気もしますが、ちょっと長編も読んでみよう……。

#村上春樹 #女のいない男たち #ドライブマイカー #シェエラザード

住所

東京都中央区銀座1-22-11銀座大竹ビジデンス2F
Chuo-ku, Tokyo
104-0061

営業時間

月曜日 10:00 - 17:00

ウェブサイト

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