
06/10/2025
TFCC損傷とは?分かりやすく解説
手首の小指側(外側)が痛むとき、その原因のひとつとしてよく挙げられるのが「TFCC損傷(ティーエフシーシーそんしょう)」です。スポーツや日常生活の中でも起こることがあり、手首を酷使する人に多く見られます。
● TFCCとは?
TFCCは「Triangular Fibrocartilage Complex(三角線維軟骨複合体)」の略です。
これは、手首の小指側にある軟骨や靱帯などの集合体で、手首の関節を安定させ、スムーズに動かすためのクッションのような役割をしています。
つまり、手首の衝撃吸収と安定性を保つための大切な構造です。
● TFCC損傷が起こる原因
TFCC損傷は、次のような状況で起こることが多いです。
•転倒して手をついたときの衝撃
•テニス、野球、ゴルフ、体操などの手首を捻るスポーツ
•重い物を持ち上げたり、手首をひねる作業の繰り返し
•硬いネジをドライバーでおもいっきり捻る動作などで痛めやすいです。
•加齢による変性(すり減り)によって自然に傷つくこともあります。
● 主な症状
•手首の小指側の関節の痛み
•手をついたり、ドアノブをひねるときに痛みが強くなる
•手首を回したときに引っかかる感じや違和感
•ひどい場合は腫れや握力低下が見られることも
•日常動作でも痛みが出やすいため、生活の質に影響することがあります。
● 診断方法
病院では次のような検査を行います。
•触診で痛みの部位を確認
•手首の動き(回す・曲げる)で痛みの出方をチェック
•MRIでTFCCの損傷部位を詳しく確認
•レントゲンでは写りにくいため、MRIが有効な検査方法です。
•当院では触診や動きをチェックして超音波画像でTFCCの状態を確認します。
● 治療法
TFCC損傷の治療は、損傷の程度によって変わります。
:保存療法(軽症の場合)当院での治療
•安静・固定(サポーターやテーピング)
•負担のかかる動作チェック
•物理療法(ハイボルテージなど電気治療・超音波など)
•手首だけでは無く肩や首、骨盤までチェックして治療します。
:手術療法(重症の場合)
TFCCが完全に断裂している場合や保存療法で改善しない場合は、適切な病院を紹介させて頂きお医者様の診断を頂き関節鏡下手術になる事もあります。
● 日常生活での注意点
•手首をねじる・つく・支える動作を避ける
•サポーターで固定して安定させる
•痛みが落ち着いたら、ストレッチや筋力トレーニングで再発を予防
● まとめ
TFCC損傷は、手首の小指側にある「安定装置」が傷ついて起こるケガです。
放置すると慢性的な痛みや不安定感につながるため、早めの診断と適切な治療が大切です。
スポーツや仕事で手首をよく使う方は、違和感を感じたらすぐにご相談ください。