20/12/2025
IARP本部講師ヨガ講習会にて、近藤蓮華先生、新潟より車ではるばるお越しいただく。人間の身体と五行の話。五行とは、世界のあらゆる現象や仕組みを木・火・土・金・水の五つの要素と関係性で捉える、古代中国の思想体系。古代中国とはいつかというと、黄帝内経という中国の医学文献の中で、身体と自然と宇宙を陰陽五行により説明されているということで、黄帝(紀元前27世紀)まで遡るということになるのだろうか。陰陽五行の五行は、五行相生(そうせい)と五行相克で成り立っていて、相生は、たとえば「木は燃えて火を生む」というふうに、互いに生み合う関係。そして相克は、たとえば「木は土の養分を奪う」というように、互いを抑制する関係。この対照的な関係性が両立していることによって、全体が成り立っているというシステム論でもある。
そして、聞き入ったのは、この五行が人間の身体の営みとして仕組まれているという。図にあるように、水=腎臓や膀胱などの人間の身体の水分を浄化する役割のことを指していて、それが活発に働く時間が夜の21時から1時の間と決まっている?という。木=肝臓/胆嚢 は、体外から入ってきたものを解毒する役目だが、それらは「水」の刻の次、夜中の3時から朝の7時の間に、この役割が活発になるという。水~木の刻、つまり、日が暮れている間に、これらの臓器が、体の回復を施すから、その時間は当然ながらきちんと休んでいなさい。そしてこの時間は、食べ物を消化する時間となるべく重ならないように、寝る前の3時間は飲食をしないように、となる。できれば6時に夕食は食べ終わっているべき、のようである。お寺の食事は、今でこそ3食だが、かつては、2食、1食、つまり夕食は食べないものだったらしいから、これらの理にかなっている。
自分も、時々夕食抜きを決行するが、これがとても身体にいいことを実感している。睡眠の質もいいし、翌日のお腹の感じもスッキリしていて快適である。「空腹はなぜいいか」石原 結實(2015/php文庫)にも、16時間断食の計り知れない効用が述べられている。 現代のお寺がなぜ3食になったかは、多分、世の中の3食の習慣に従っているからではないか、という天台宗の雲水でもあるヨガの先生の解答だったが、確かに問題は、社会生活の上でのギャップである。私は夕食抜き(と決めた)日に宴会のお誘いをいただくと、「今日は宗教上の理由(ラマダン)で、出席できません」と半分冗談、半分ほんとのことを言って、失礼したりする。
そうこうしていると、先日、面白い現代音楽を聴きにアクロス円形ホールに出向くことがあった。「自然真営祭」というピアニスト河合拓始(かわいたくじ)さん率いる楽団の皆さんによる、自然真営道/安藤昌益(1703-1762)の文章に曲をつけた戯曲?劇?コンサート?である。安藤昌益は、自然の中での労働に全ての真理がある、とした江戸時代の医師、思想家、哲学者である。彼の思想には、やはり五行が下敷きになっているらしく、言葉と身体の関係とか、口や鼻との関係など、やはり相生と相克の関係論で説明されていた。音楽の歌詞というと、歌謡曲などは、恋心などの個人の心内を歌ったものが大半だが、思想を楽曲にして、表現するというのは、なるほど深いと思った。河合さんがその思想につけた曲がまたとても良くて、聞き入った。だからか?にもかかわらずか?私は音楽を聴くときはあまり歌詞を追わないので、肝心の昌益の言葉は、ほとんど馬耳東風となってしまった。アナーキストの昌益の根っこは骨太だから、そのくらいの聴き方の方がもしかしたら、ちょうどいいかもと思ったりもした。河合さんの和音の進行がここちよすぎた、ということにでもしておこう。