のだ眼科・血管内科クリニック

のだ眼科・血管内科クリニック のだ眼科・血管内科クリニック院長の野田 浩です。弘前市北部で眼科と血管内科を開設しています。眼科は眼科専門医である副院長 野田 康子が担当し、私は血管内科を担当しています。今後ともよろしくお願いします。 眼と足と血管の健康のためのクリニックです。

06/03/2026

漢方ってすごいかも!と思った外来での一場面

今日の外来で、70代の患者さんから印象的なお話をうかがいました。
もともと風邪をひきやすいことが気になっておられ、体力低下や易感染性(感染しやすさ)を意識して、以前から補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を続けていただいていた方です。

今回の受診で、その患者さんがこう話してくださいました。
「この前、孫が帰省してきてインフルエンザになったんです。あとから両親もかかってしまって。でも私は大丈夫だった。いっしょに布団で寝たこともあったのに、うつらなかった。漢方ってすごいね」

もちろん、ひとつの出来事だけで「補中益気湯のおかげで防げた」と断定することはできません。
感染の有無には、曝露の程度、体調、その時の免疫状態、ワクチン接種歴など、さまざまな要因が関わります。それでも、日々の診療の中でこうした実感のこもった言葉をいただくと、漢方の持つ可能性を改めて考えさせられます。

補中益気湯は“体を立て直す”漢方です

補中益気湯は、食欲低下、倦怠感、疲れやすさ、病後の体力低下などに用いられる代表的な漢方薬です。
西洋医学の薬のように、ひとつの症状だけをピンポイントで抑えるというより、全身状態を底上げし、回復力を支えるような使い方がしっくりくる処方です。

私自身、外来では「すぐに効く特効薬」というより、「風邪をひきやすい」「治ったあとも調子が戻りにくい」といった方に、体質や経過をみながら処方を考えることがあります。
高齢の患者さんでは、こうした“なんとなく弱っている”部分を丁寧に支えることが、結果として感染症への抵抗力に関わる可能性があります。

実は、予防効果を示唆する報告もあります

補中益気湯については、病院職員を対象に、内服群179人と非内服群179人を比較した新型インフルエンザ予防プロジェクトが会議報告として公表されています。タイトルからも分かるように、臨床現場で感染予防を意識して検討されたものです。加えて、基礎研究では、補中益気湯がインフルエンザウイルスの感染過程や生体側の防御反応に影響しうること、マウス実験や細胞実験で予防的作用が示唆されています。

一方で、こうした報告は「一定の可能性」を示すものであって、誰にでも確実な予防効果があるとまでは言えません。現時点では、ワクチン、手洗い、十分な休養、栄養管理といった基本的な感染対策の代わりになるものではなく、それらを補う選択肢のひとつとして考えるのが妥当です。

日常診療の中で、こういう話は大事にしたい

外来をしていると、検査値や画像所見だけでは見えてこない“患者さん自身の実感”に教えられることがあります。
今回の「漢方ってすごいね」というひと言も、そのひとつでした。

派手ではありませんが、体調を整え、感染しにくい状態を保つことは、特に高齢の方の診療ではとても大切です。
漢方は、そのお手伝いができることがあります。西洋医学と対立するものではなく、日々の診療を少し厚くしてくれる選択肢として、これからも丁寧に活かしていきたいと思います。

#補中益気湯 #漢方 #インフルエンザ予防 #総合診療 #地域医療

https://medical-tribune.co.jp/rensai/articles/?blogid=11&entryid=570958前回は、高齢者で降圧を頑張りすぎると「拡張期血圧(DBP)」が下がりすぎて、脳血流が落ち、めまい・...
23/02/2026

https://medical-tribune.co.jp/rensai/articles/?blogid=11&entryid=570958

前回は、高齢者で降圧を頑張りすぎると「拡張期血圧(DBP)」が下がりすぎて、脳血流が落ち、めまい・転倒など生活上のリスクにつながる、という話をしました。

最近もう一つ、気になる報告を目にしました。
「左室肥大(LVH)がある高血圧患者さんでは、厳格な降圧がかえって予後(心血管イベントや死亡率)を悪化させる可能性がある」というものです。要するに、“心臓そのものが虚血(酸素不足)に陥る危険”がある、という視点です。
なぜ、心不全予防のために血圧を下げる治療が、逆に心臓を苦しめることがあるのでしょうか。
ヒントは、生理学の大原則「冠血流(心筋の血流)は主に拡張期に流れる」です。

高血圧の期間が長いと、心臓は高い後負荷に耐えるために厚くなります(求心性肥大=LVH)。
ところが肥大した心筋は、酸素の需要が増える一方で、拡張しにくくなり、左室の拡張末期圧(LVEDP)が高く保たれやすい状態になります。
ここで重要なのが、心筋へ血液を押し込む力=「冠灌流圧」です。
これは概念的に、
【冠灌流圧 ≒ 拡張期血圧(DBP)- 左室拡張末期圧(LVEDP)】
という“引き算”で決まります。
つまり、LVHでLVEDPが高い人ほど、冠灌流圧はもともと不利です。

その状態で、収縮期血圧(SBP)を目標(120台など)へ強力に下げようとすると、高齢者のように動脈が硬く脈圧が開いているケースでは、DBPまで一緒に引きずられて50mmHg台などまで落ちることがあります。
DBPが下がり、さらにLVEDPが高いままだと、この引き算の結果が小さくなり、冠灌流圧が限界を割り込みやすくなります。
するとまず血流が届きにくい「内膜下心筋」から慢性的な虚血に陥り、不整脈や心不全悪化の土台になり得る。これが「厳格降圧が予後を悪くし得る」メカニズムとして、私はしっくりきました。

もちろん、SBPを下げて後負荷を軽くすることは、長期的には心臓を守るために大切です。
ただし、将来のために焦るあまり、いまのDBPを下げすぎて心筋を“兵糧攻め(虚血)”にしてしまっては本末転倒です。
日々の診療で「SBPが目標に入った、よし」と安心する前に、もう一歩だけ。
「DBPが下がりすぎていないか(目安として60未満など)」「胸部症状、息切れ、ふらつき、徐脈、虚血所見など“サイン”は出ていないか」をセットで考える。
血圧計の数字だけでなく、目の前の患者さんの“臓器血流”を診る感覚を、地域のチームでも共有していきたいと思います。

#高血圧
#降圧治療
#拡張期血圧
#左室肥大
#冠血流
#心不全予防
#臓器血流

〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は2月2~8日....

22/02/2026

血圧の「数字」の向こう側にあるもの 〜高齢者診療で私たちが忘れてはいけない視点〜

先日、「かかりつけ医の高血圧診療」をテーマにした講演会の案内を目にしました。高血圧診療の現在地、新ガイドラインと非薬物療法、脳卒中予防、厳格な降圧管理、心不全予防――いずれも、いまの地域医療に直結する重要なテーマだと感じます。

高血圧診療は確実に進歩しています。2025年の日本高血圧学会ガイドライン(JSH2025)では、降圧目標が年齢によらず原則として「診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満」というより厳格な方向が示され、素晴らしい新薬も次々と登場しています。これは医療の確実な前進です。

一方で、その案内を見たとき、私の中に小さな引っかかりも生まれました。「血圧をより厳格に下げる」ことが強調される流れの中で、私たちが日常診療で守るべき“もう一つの視点”が、置き去りになっていないだろうか、という点です。

ガイドラインでは同時に、薬剤の副作用や有害事象に注意し、個別性を踏まえて調整することも強く推奨されています。つまり、「下げる」ことと同じ重さで、「安全に下げる」「その人に合わせる」ことが求められているという理解が大切だと思います。

過去からの学び
ここで、過去の医療からの学びを一つ挙げます。血管治療の世界ではかつて、「狭いところが見えたら、とにかく拡げるのが正義」という時代がありました。けれど、その後の経験で私たちは学びました。形や数字が整っても、患者さんの実際の機能や生活が守られなければ、医療の本来の目的(健康寿命やQOLの改善)には届かない、ということを。

高齢者の高血圧診療でも、似た構図が起こり得ます。血圧計の数字を見た瞬間に、反射的に“正解の値”へ寄せたくなる。しかし、ご高齢の方の体は、単純な足し算・引き算では説明しきれない局面が多々あります。

「下の血圧」が下がりすぎる怖さ
ここで特に意識したいのが「拡張期血圧(下の血圧)」です。高齢の患者さんでは動脈硬化が進み、血管の弾力が低下して硬くなっています。クッション性がないため、上と下の血圧の差(脈圧)が大きく開いてしまうのが特徴です。

この状態で、上の血圧を125mmHgまで厳格に下げようとすると、どうなるか。物理的な結果として、下の血圧が40mmHgや50mmHgといった異常な低値まで下がってしまうことがよくあります。

心臓や脳に血液がしっかり流れ込むのは、実はこの「下の血圧」のタイミングです。ここが下がりすぎると臓器に十分な血液がいかなくなり、現場では「めまい、ふらつき、立ちくらみ」として症状に表れます。

数字を治して、生活を壊さないために
現場で最も問題になるのは、まさにこの症状です。めまいやふらつきは、患者さんの「生活の安全」を直撃します。最も怖いのは転倒です。転倒からの大腿骨近位部骨折は、活動性の低下、フレイルの進行、さらには認知機能の低下へと連鎖し得ます。将来の心臓発作を防ぐために強いお薬を使い、その結果として今日転倒して寝たきりになってしまっては、何のための医療かわからなくなってしまいます。

もちろん、反対側の問題も見過ごせません。地域には、治療の強化が必要なのに先送りされてしまう「クリニカル・イナーシャ(臨床的惰性)」が確かに存在します。ここは私たちが正面から改善すべき課題です。

ガイドラインの目標値は、あくまで「集団の平均」として目指すべき大切な指標です。しかし、目の前にいる患者さんの血管の硬さ、足腰の強さ、そして毎日の生活環境は一人ひとり違います。

「上の血圧が少し高くても、下の血圧が60mmHgを切っているから、あえてこれ以上は強い薬を使わないでおこう」
「最近お薬が変わったけれど、日常生活や入浴時などで立ちくらみはないかな?」

血圧計の単調な数字だけにとらわれず、そんな風に患者さんの「全体像」を診る、少しのゆとりと想像力を、地域のチーム皆で共有していけたらと思っています。

私たちが目指すのは、数字を整えることそのものではなく、患者さんの暮らしを守り、将来のイベントを減らすことです。地域のチームでこの視点を共有しながら、高血圧診療を一段前へ進めていければと思います。

#高血圧 #高血圧治療 #高齢者医療 #かかりつけ医 #地域医療

31/01/2026

ハラスメントの「自覚」が守るもの ― 社会的損失を防ぐために
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前回のブログでは、糖尿病の呼称を「ダイアベティス」に置き換える動きについて、スティグマ(病名や属性に貼られる「烙印」や「偏見」によって、本人が恥や恐れを抱き、周囲との関係で不利益を受けやすくなること)を軽くする配慮は重要である一方、現場では“警告としての力”まで弱まると患者さんの理解や治療継続に影響し得るため、言葉は心と身体の両方を守る「安全装置」として設計すべきだ、と書きました。

そして、スティグマが絡むと「言いづらい/受け止めづらい」沈黙が生まれ、対応が遅れるほど被害と損失が拡大する――これは領域が違っても共通するメカニズムだと考えています。
このメカニズムは職場のハラスメント対策にも当てはまり、沈黙と曖昧さを溜めないために、早期に線引きを明確にし、声を上げやすくする仕組みを、ワークライフバランス(WLB)の課題として整える必要があると思っています。

はじめに
私は2024年6月、青森県医師会の常任理事に就任いたしました。現在は、ワークライフバランス(WLB)推進室の末席に加わり、医師や医療従事者がいきいきと働き続けられる環境づくりに向き合っています。
WLBを考える上で、避けて通れないのが「ハラスメント対策」です。特に、表に出にくい「沈黙のハラスメント」にどう向き合うべきか。これは、医療界に限らず多くの職場が抱える課題です。
 ※本稿は特定の個人・組織を断罪する意図ではなく、組織としての予防と早期対応の考え方を述べるものです

「沈黙」の中に潜むリスクを直視する
最近、職場のハラスメントについて考える機会がありました。一般的に、パワーハラスメント(パワハラ)は業務の延長線上にあるため、まだ相談の形になりやすい傾向があります。しかし、セクシュアルハラスメント(セクハラ)は、個人の尊厳に深く関わるため、被害者が「職場にいられなくなる」ことを恐れて沈黙を選んでしまうことが少なくありません。
「相談がないから問題ない」と考えるのは、組織として大きなリスクを孕んでいます。表面化しないだけで、水面下では深刻な問題が進行している可能性があるからです。沈黙は、しばしば“平穏の証拠”ではありません。“声を上げられない構造”のサインであることがある。ここを見誤ると、取り返しがつかなくなります。

ハラスメントの明瞭化は「加害者のため」でもある
最近、自治体のトップに関するハラスメントが、第三者の調査報告書として公表され、辞職に至った事案がありました。最優先で守るべきは、被害を受けた方の尊厳と安全です。しかし、問題の核心は、個人を吊し上げることではなく、「沈黙が積み上がるほど、被害と損失が指数関数的に増える」という現実にあります。沈黙が続くほど、被害者の回復は困難となり、組織の信頼は失われます。結果として地域社会の損失になります。
だからこそ、ハラスメントを早期に明瞭化し、それを自覚させることは、被害者保護を最優先にしながら、被害拡大と社会的損失を止めるための安全装置なのです。
ここで、あえて少し踏み込んだ話をさせていただきます。ハラスメントを早期に明瞭化し、本人に自覚を促すことは、実は「加害者のため」にもなる――私はそう考えています。
※これは加害行為を軽く見る意図ではありません。放置することが、被害を拡大させ、最終的に誰もが失うことになるという問題意識です。

ハラスメントの加害者になる可能性は誰でもあり得ます。しかし組織のなかで指導的な立場やリーダー的な立ち位置にある人材に対しては、周囲が言いづらく、被害が積み上がりやすいことが問題です。
彼らが「軽い気持ち」や「境界を踏み越える冗談のつもり」、あるいは「昔は許された」という感覚のままに不適切な言動を続け、それが何年も経ってから大きな事件として表面化すれば、待っているのは社会的な破滅です。それまでのキャリアも功績も無に帰してしまいます。

私は、こうした結末を「本人の資質」だけで片づけるのは、組織として不適切だと思っています。線引きが曖昧なまま放置され、周囲が見て見ぬふりをし、沈黙が積み上がった結果として“最後に爆発する”。この構造を断ち切る責任は、個人よりもむしろ組織の側にあります。

「社会的利益の毀損」を防ぐために
有能で社会的な貢献度が高い人材が、自らの未熟な振る舞いを正す機会を失い、最終的に社会から排斥されてしまうこと。これは、医療界にとっても、ひいては地域社会にとっても計り知れない「社会的利益の毀損」です。

ただし、誤解のないように付け加えます。私が守りたい中心は“地位のある人”ではありません。守るべき最優先は、常に被害を受けた方の尊厳と安全です。

そのうえで、放置は被害を増やし、組織の信頼を腐食させ、最終的には地域医療の力を削ります。つまり、沈黙を放置すること自体が、社会に対する損失を生み続ける行為になってしまう。
早期にハラスメントを指摘し、本人の過ちを自覚させることは、被害の拡大を止めるためであり、同時に「取り返しのつかない破滅」を未然に防ぐ意味でも、組織にとっての安全装置になります。

結びに
相談者が不利益を被らない外部窓口の活用や、性別を問わず話しやすい体制づくりは、被害者を守るためであると同時に、加害者になり得る芽を早い段階で止める「組織の安全装置」です。言い換えるなら、沈黙を溜めないための排水路であり、線引きを曖昧にしないための規律です。
沈黙を生む職場は、善意だけでは変わりません。仕組みが必要です。そして仕組みの核心は、「本人が自覚できるうちに、明確に線を引く」ことにあります。
すべての医療従事者が尊厳を保ち、その才能を長く発揮し続けられる青森の医療現場を目指して、これからも常任理事の立場から、考え続けていきたいと思います

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「ダイアベティス」という響きは、高齢の患者さんを救えるのか―現場から提言する「名称の使い分け」―はじめに2026年1月も終わろうとしています。現在、医学界では「糖尿病」という呼称を「ダイアベティス」に変えようという議論が進み、先行して、患者...
30/01/2026

「ダイアベティス」という響きは、高齢の患者さんを救えるのか
―現場から提言する「名称の使い分け」―
はじめに
2026年1月も終わろうとしています。現在、医学界では「糖尿病」という呼称を「ダイアベティス」に変えようという議論が進み、先行して、患者さんにお渡しする連携手帳の表記が「JADEC(ジャデック)」へ改められるなどの変化もみられます。これらは、病名に伴うネガティブなイメージ(スティグマ)を軽減するための配慮とされています。
一方で私は、臨床現場では「世代や状況に応じた使い分け」が必要ではないかと感じています。先日、その“配慮”が、結果として治療継続を難しくしかねない――そんな高齢患者さんのケースを経験したからです。
「傷」と血糖値が、うまく結びつかなかった
患者さんは78歳の女性です。昨年10月、健診で空腹時血糖151mg/dL、HbA1c 6.6%を指摘され、当院外来で糖尿病と診断しました。診断時点では大きな合併症は目立たず、まずは内服薬を開始せずに、食事・運動療法の指導を行いました。自己管理の一助として「連携手帳」もお渡ししました。
その後、12月中旬に自転車で転倒し、左下腿に外傷を負われました。受傷から日が浅い時期ではありましたが、ご本人としては「思ったより治りが遅い」「心配だ」という感覚が強く、12月末に当院へご相談に来られました。
診察と検査では、随時血糖220mg/dL、HbA1c 7.0%まで悪化していました。高血糖は易感染性を招き、創傷治癒を遅らせる要因になります。そこで私は、「このタイミングでは、創の経過を良くするためにも血糖を下げる必要がある」と説明し、DPP-4阻害薬(テネリア20mg)を開始しました。
「赤い薬は飲みたくない」――理解のズレが見えた瞬間
年が明け、1月下旬の受診時。患者さんは「もらった薬を飲んだら下痢をしたので、2週間でやめた」とおっしゃいました。そして「前回出された薬は飲みたくない」と、治療に消極的な反応を示されました。
副作用のつらさは当然あります。ただ、私が気になったのは別の点でした。
私が伝えたかった「高血糖が傷の治りを悪くする」という危険度と、処方した薬の位置づけ(血糖を下げる治療が“足を守る治療”でもあること)が、患者さんの中で十分に結びついていない可能性があったのです。
実際に、「血糖が高いと足の傷が治りにくく、重症化すれば壊疽(えそ)につながり得る。だから血糖を下げる必要がある」と説明しても、危機感が共有しきれていない印象がありました。
言い換えると、「血糖を下げる薬」という雰囲気は理解されていても、「それが今の傷を良くするための治療につながっている」という発想にまでは至っていなかったように見えました。
なぜ、こうしたズレが起こり得るのか。
私は、その要因の一つに、連携手帳の表記が関係しているのではないかと考えました。
「JADEC連携手帳」は、高齢者には意図が伝わりにくい場合がある
患者さんが持っていたのは、改訂された第5版の連携手帳でした。以前の第4版は表紙に大きく「糖尿病連携手帳」と明記されていましたが、新しい手帳では「糖尿病」の漢字が消え、「JADEC 連携手帳」という表記・デザインになっていました。さらに、第5版の中では「糖尿病」という表記がほとんど見当たりません。
高齢の患者さんでは、「JADEC(ジャデック)」や「ダイアベティス」といった言葉だけでは、何の病気の管理手帳なのかが直感的に伝わりにくいことがあります。その結果、病名が持つ“警告としての力”が弱まり、「いま目の前の問題(傷)」と「血糖管理(糖尿病治療)」がつながっている、という理解がつくられにくくなる場面があるのではないか――今回の経験は、そうした可能性を示唆していました。
「過渡期の痛み」で片付けられない臨床リスク
名称変更に伴う混乱を「過渡期の痛み」と表現することがあります。しかし臨床現場では、認識のズレが治療の遅れに直結し、創傷悪化や壊疽、さらには切断や透析へとつながり得ます。ここで起きるのは、比喩ではなく現実の医療リスクです。
若い世代や現役世代が、社会的な不利益(スティグマ)を避ける目的で新しい呼称を用いることには、私は賛同します。一方で、70代、80代の患者さんにとって優先されるべきは、遠い将来の社会的評価よりも、「いまの生活機能を守り、合併症を避けること」です。
認知機能や理解力の低下が背景にある方も含め、あえて伝わりにくい言葉だけで運用することは、現場では慎重であるべきだと考えます。「糖尿病」という言葉が持つ“警告としての力”が、安全装置として働く場面が確かにあります。
提言:世代・状況による「使い分け」を
理想を追うあまり、現場の安全装置を外すべきではありません。私は対案として、世代や状況に応じた用語の使い分け(層別化)を提案します。
・若年・現役世代:スティグマ配慮として「ダイアベティス」「JADEC」を積極的に活用
・高齢者、認知機能低下が疑われる方、治療中断リスクが高い方:理解の確実性を優先し「糖尿病」を基本用語として維持
言葉を変えることで守られる心があることは理解します。しかし、それによって守れなくなる身体や命があっては本末転倒です。当院では引き続き、患者さんの理解度に合わせて、分かりやすい日本語で病気を認識していただくことを重視し、足を守り、生活を守る診療を続けていきたいと思います。
#ダイアベティス
#高齢者への使い分けの提言

12/09/2025

日本人の女性に特有かもしれませんが、臀部から下肢にかけて皮下脂肪が偏在する体型があります。30代後半から目立ち始め、下半身には厚い脂肪が速やかに形成される一方で、上半身やお腹には2~3cm程度の薄い皮下脂肪しかつきません。下肢の脂肪は5cmを超えることもあり、そのために「なぜ下半身だけ太るのか」「自分の浮腫の原因は何か」と疑問を抱いて受診される方が少なくありません。特徴的なのは、こうした患者さんが痛みや圧痛を訴えることはほとんどない、という点です。
海外の文献ではこの病態は「lipedema(脂肪浮腫)」として紹介されることが多く、日本の成書にも同様の記載が見られます。しかし欧米で報告される lipedema の典型例は、痛みや圧痛、あざを伴うことが多く、日本人症例とは大きく異なります。むしろ日本の臨床現場で見られるのは、痛みを欠き、下肢に無症候性の脂肪が集積するタイプであり、これは「lipohypertrophy(脂肪性肥大症)」として理解するのが適切ではないかと考えています。
発症の背景には、思春期・妊娠・更年期といったホルモン変動期が関与することが報告されており、家族内に同様の体型を示す人がいることも少なくありません。つまり生活習慣だけでは説明できず、体質や遺伝的素因、ホルモンの影響が深く関わっている可能性があります。診察の際には、左右対称に下肢が肥厚しているかどうか、足の甲の脂肪は保たれているか、そして何よりも痛みや圧痛を伴わないかを見極めることが重要です。こうした特徴はリンパ浮腫や lipedema との鑑別に役立ちます。
治療については、現状では脂肪そのものを根治的に取り除く方法はありません。しかし、圧迫ストッキングを用いて下肢の形態を保ち、だるさや夕方のむくみを予防することは効果的です。また、水中運動やウォーキングといった運動は下肢の循環改善に役立ちますし、全身の肥満を防ぐための体重管理も欠かせません。こうした保存的な対応によって、患者さんの不安を軽減し、生活の質を向上させることができます。
この「下半身に偏在する脂肪性肥大(lipohypertrophy)」は、日本ではまだ十分に知られていない病態です。「生活習慣の問題」ではなく、体質やホルモン、遺伝に由来する体型であることを理解していただくことが、患者さんの安心につながります。欧米の lipedema と同列に語るのではなく、日本人の臨床に即した病態概念として lipohypertrophy を重視することが、診断と治療の新しい指針になるのではないかと考えています。今後も症例を重ね、日本人女性に特徴的な病態として広く発信していきたいと思います。

#脂肪性肥大症

#日本人女性の体型特徴
#下半身だけ太る理由
#体質とホルモン
#遺伝と脂肪分布

23/05/2025

なぜ、のだ眼科・血管内科クリニックは「食の専門家」管理栄養士と共に歩むのか ~人生100年時代、いつまでも自分の足で歩き続けるために~

 早いもので、医師として患者さんと向き合い40年近くの歳月が流れました。63歳となった今、私が日々痛感しているのは、「いつまでも自分の足でしっかりと歩き、豊かな人生を送り続けること」の素晴らしさと、そのための健康管理の重要性です。特に、忍び寄る生活習慣病にいかに本気で立ち向かうか。これが、私たちの大きなテーマです。

 さて、当クリニックには、開院当初から「管理栄養士」が常勤しています。他のクリニックではあまり馴染みがないかもしれません。「なぜ、街のクリニックに管理栄養士が?」と疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。本日は、その理由について、私の経験も交えながらお話しさせていただきたいと思います。

 まず、「管理栄養士」と「栄養士」、この二つの資格には明確な違いがあります。栄養士が主に健康な方々への栄養指導や給食運営を担うのに対し、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格であり、より専門性の高い知識と技術を有します。病気を患っていらっしゃる方、ご高齢で食事が摂りにくくなっている方、そしてもちろん健康な方一人ひとりに対しても、その方の状態に合わせたオーダーメイドの栄養指導や食事管理を行うことができる、まさに「食のプロフェッショナル」なのです。

 私がなぜ、この「食のプロ」の力をかくも重視するのか。それは、医師としての長い経験の中で、ある種の「もどかしさ」を感じてきたからに他なりません。

 以前、私が大学病院で血管外科医として動脈硬化の患者さんを担当していた頃の話です。ある患者さんの手術が無事成功し、退院を翌日に控えた朝のことでした。

「先生、おかげさまで良くなりました。本当にありがとうございます。つきましては、退院したら、どんな食事に気を付ければよろしいでしょうか?」

その真摯な問いに、私はこう答えるのが精一杯でした。

「そうですね、塩辛いものや脂っこいものは控えて、バランスの良い食事を心がけてください。もちろん、タバコはもうお辞めくださいね」

…内心では、「また月並みなことしか言えなかったな。患者さんは、もっと具体的な、日々の生活に活かせるアドバイスを求めているはずなのに」と歯がゆい思いでした。患者さんも、「やはり、そうですよね…」と納得されたご様子でしたが、その表情の奥には、もう少し踏み込んだ答えを期待されていたのではないかと、今でも思うことがあります。

「医食同源」という言葉があります。患者さんご自身が、日々の食事がご自身の身体、そして病状と深く結びついていることを、誰よりも実感されているのです。だからこそ、病気の専門家である医師に、「何を食べ、何に気をつければ、この辛い病と縁遠くいられるのか」と切実に問われる。これは当然のことでしょう。

しかしながら、大変お恥ずかしい話ですが、私たち医師が受ける医学教育の中で、「栄養学」に割かれる時間は、決して多くはありません(少なくとも私の時代はそうでした)。病気のメカニズムや治療法については深く学びますが、個々の患者さんの生活背景や嗜好まで踏まえた具体的な食事指導となると、専門的な知識が追い付かない場面も多々あったのです。例えるならば、魚の目利きはできても、その魚を最高に美味しくする調理法までは語れない、といったところでしょうか。

私が専門とする動脈硬化をはじめとする血管の病は、その根底に高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病が潜んでいることがほとんどです。これらの生活習慣病をいかに的確に診断し、治療し、そしてコントロールしていくか。これが、患者さんが「いつまでも自分の足で歩く」ための、そして健康寿命を延伸するための鍵となります。そして、これらの病気の治療において、薬物療法と並んで、いや、時としてそれ以上に重要となるのが、「食事療法」と「運動療法」なのです。

特に食事療法は、日々の積み重ねが何よりも大切です。しかし、ただ「あれはダメ、これもダメ」と制限するばかりでは、長続きしません。美味しく、楽しく、そして無理なく続けられる工夫があってこそ、真の治療となり得ます。ここに、管理栄養士の専門性が活きてくるのです。

管理栄養士は、患者さん一人ひとりの病状、生活スタイル、食の好み、さらには経済的な背景までを丁寧に聞き取り、その方に最適な食事プランを一緒に考え、実践をサポートしてくれます。医師が病状を診断し治療方針の大枠を示すならば、管理栄養士はその方針に基づき、日々の食卓という具体的な形で治療を支える、まさに「二人三脚のパートナー」と言えるでしょう。

生活習慣病に本気で取り組むということは、薬だけに頼るのではなく、患者さん自身の生活そのものを見つめ直し、改善していくお手伝いをすることだと、私は考えています。そのためには、医師の力だけでは不十分であり、栄養学の深い知識と温かい心を持った管理栄養士の存在が不可欠なのです。

当クリニックの管理栄養士は、皆さまの「食べることの楽しみ」を奪うことなく、いかに健康的な食生活を実現できるかを常に考えています。時には厳しいことも申し上げるかもしれませんが、それは皆さまの未来の健康を心から願ってのこと。どうぞ、安心してご相談いただければ幸いです。

「いつまでも自分の足で歩き、笑顔で過ごせる毎日を」。そのために、のだクリニックは医師と管理栄養士、そしてスタッフ一同、これからも皆さまの健康づくりを全力でサポートしてまいります。

長文になりましたが、これが当クリニックに管理栄養士がいる、大切な理由なのです。

#のだクリニック #管理栄養士 #生活習慣病 #健康寿命 #医食同源

12/05/2025

「見える」から安心へ。放射線科医の目で診る内科診療

「CT検査や超音波検査って、先生が見て患者は報告書を聞くだけ・・・」

そう思っていませんか? 放射線科診断専門医でありながら、内科の診療もしている私にとって、画像はただの検査結果ではありません。それは、患者さんの体の状態を直接「見る」ための、大切な「目」なのです。

一般的に、放射線科医は読影業務に従事していることがほとんどであり、患者さんを直接診察する機会はあまりありません。
ですから、患者さんからみると「見えない医者」となっています。しかし私は、内科医という側面を併せ持っており、画像を通して患者さんと向き合い、画像から何がわかるか?何が起きているのか?を一緒に確認しながら、治療の計画を立てています。

画像は、病気の姿を映し出す「鏡」

画像診断のすごいところは、目に見えない病気のサインを「見える」形にしてくれることです。

例えば、健康診断で「脂肪肝の疑い」と言われた患者さんに、CT画像をお見せしながら「肝臓に脂肪がたまると肝臓が黒く写るんですね。これは危険な徴候です。」と説明すると、皆さん驚かれます。画像を見せながらが説得すると、食事や運動に気をつけようという気持ちになるようです。

首の動脈に動脈硬化が起きて血管の内腔が詰まり掛けている患者さん、さらには、足の血管がボコボコと浮き出る下肢静脈瘤の患者さんでは、超音波検査で、血流の状態が非常によくわかります。「ここが血管が狭くなっている部分です」とから、「ここが血液の逆流を起こしている部分ですよ」と説明します。すると、治療法についても、より深く理解していただけます。

画像は、診断をつけるための道具であると同時に、患者さんと一緒に病気の姿を確認し、理解を深めるための「言葉」にもなるのです。

体の声と画像の声、二つを聞く

内科医として患者さんの話を聞き、体に触れて診察する時と、放射線科医として画像を見る時。この二つの視点を持つことで、私は様々な発見をします。

例えば、患者さんが「ここが痛い」と訴えているのに、レントゲンでは特に異常が見当たらないことがあります。そんな時、「もしかしたら、筋肉や神経の炎症かもしれませんね」と、さらに詳しく調べる必要があると考えられます。

逆に、呼吸の音は普通なのに、CT画像には軽い肺炎の影が映っていることもあります。特に高齢の方の場合、肺炎の症状がはっきり出にくいことがあるため、画像が重要な手がかりになるのです。

また、血液検査では正常であっても、CTでみると肝臓に腫瘤が見つかったり、腎臓が萎縮していたりなど・・・まだ数値に現れていないだけで、生活習慣の改善や治療を早く始めるきっかけになったりします。

このように、体の診察と画像診断、二つの視点を持つことで、より深く病気を理解し、適切な診断につなげることができるのです。

AIにはできない、「この人にとってどうか」という視点

最近では、AIがレントゲンやCT画像を読んで、異常を見つける手助けをする技術も進んでいます。AIはたくさんのデータからパターンを見つけるのは得意ですが、「この画像が、目の前の患者さんの状態をどう意味するのか」「これからどうすれば、この患者さんにとって一番良いのか」を判断することはできません。

だからこそ、画像を「見る」だけでなく、「この患者さんにとってどうか?どういった意味があるのか?」という視点で考える私たち放射線科医の役割は、これからもますます重要になると感じています。

「見える」安心が、信頼につながる

自分の体の状態が「見える」ということは、患者さんにとって、医師の説明を信頼する大きなきっかけになります。「先生は、私の体をしっかり見てくれている」「私の病気のことを、ちゃんと分かってくれた」と感じていただけることが多いようです。

病気の診断をするだけでなく、患者さんの不安な気持ちに寄り添い、安心してもらうこと。それこそが、医療の大切な本質だと私は思っています。

おわりに

画像を通して患者さんを診るという私の診療スタイルは、放射線科医としての専門知識と、内科医として患者さんと直接向き合ってきた経験が合わさって生まれました。

これは、私にとって医療の基礎となる考え方であり、AIが進化しても決して失われることのない、人間ならではの温かい視点と関わり方だと信じています。
#視る診療 #放射線科医 #内科医 #弘前 #地域医療、

「処方箋発行機にならないために──糖尿病と“こころ”を診る医者の話」日々の診療の中で、血糖値だけでは見えない「こころの問題」が、糖尿病の背景にあることを、改めて考えさせられる研究に出会いました。台湾の35万人以上の大規模データを分析した報告...
20/04/2025

「処方箋発行機にならないために──糖尿病と“こころ”を診る医者の話」

日々の診療の中で、血糖値だけでは見えない「こころの問題」が、糖尿病の背景にあることを、改めて考えさせられる研究に出会いました。
台湾の35万人以上の大規模データを分析した報告によれば、糖尿病治療に使われる薬の種類によって、「抑うつ」のリスクに差があるというのです。
結果を簡単にまとめると…
• GLP-1受容体作動薬やDPP-4阻害薬では、「抑うつ」の発症リスクが高い
• 一方で、SGLT2阻害薬やメトホルミンは、比較的リスクが安定していた

下の図は、Chen I-C氏らによる「血糖降下薬と抑うつリスク」の比較図です。

さらに、「抑うつ」を伴う糖尿病の方は、合併症のリスクが約1.6倍に高まることも報告されています。

私はこれまで血管の病気に長く関わってきましたが、糖尿病の患者さんと接する中で、この病気の持つ複雑さや、「こころの健康」がいかに治療成績に影響するかを、日々実感しています。

HbA1cや食事指導などの数値管理はもちろん大切ですが、「落ち込み」や「気力の低下」など、心のサインにも目を向けることが、患者さんの人生全体を支える医療につながると考えています。

外来では、明るく前向きな方もいれば、明らかに抑うつ傾向のある方もいます。また、同じ患者さんでも、その日の心の状態は毎回異なります。

抑うつの兆しを感じたときには、たとえ血糖が悪化していても、私は決して責めないようにしています。強く言ってしまうと、患者さんは萎縮し、自責の念を強め、場合によっては通院そのものをやめてしまうこともあるからです。

だからこそ、「責めずに、そっと寄り添う」。これが何より大切だと感じています。

ただし、「寄り添ってるだけ」の医師なんてのは、全く意味がありませんよね。それだけではただの処方箋発行機です。患者にとって都合の良いのが良い医師とは限りません。むしろ、血糖管理が改善しないばかりで、逆に「治療する」ということに対する患者・医師間の信頼性を損ねることになります。(※)

そこで、患者さんの表情や言動から「今日は少し前向きそうだな」と感じたときには、「少しだけ積極的な治療、試してみましょうか?」と、肘で軽く背中を押すようにやさしく促す──そうした**“ナッジ”**が重要だと思います。

アメリカでは、年に1回以上「こころのチェック(心理スクリーニング)」が推奨されており、日本のガイドラインでも、「患者さんを一人の人間として尊重すること」が明記されています。

医師の役割は、糖尿病を抱える方に「病気と闘わせる」のではなく、「人生を大切に生きていく」 ための伴走者であるべき・・・・・と私は思っています。

この記事が、どなたかの気づきや支えにつながれば、良いのだけれど・・・。

※出典:Chen I-Cら、Diabetes Res Clin Pract誌(2025年4月9日公開)
#糖尿病とこころ #抑うつと糖尿病 #メンタルヘルス #地域医療 #生活を支える医療

(※)余談ですが、「患者目線のクリニック」 というのが実在します。最初は冗談かと思いましたが、いったいどんなクリニックなんだろう・・・

03/04/2025

🔸 「郵便局で診察を?」──へき地医療の新たな挑戦に思うこと 🔸

最近、厚生労働省のこんな資料を読みました。
👉 「郵便局におけるオンライン診療について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001314399.pdf

目を引いたのはこの部分です。

「へき地医療の拠点に、郵便局を活用する」

えっ、なぜ薬局じゃなくて、郵便局?
医師と患者をオンラインでつなぐなら、薬剤師が常駐している薬局のほうが自然では?──
正直、私も最初はそう思いました。

でも調べてみると、「郵便局を使う理由」も確かにあるんです。

💡郵便局が注目される2つの理由
① 全国どこにでもある──山奥や離島にも。
② 公的支援が入りやすい──赤字でも維持されやすい。

薬局が撤退した“医療の空白地帯”において、郵便局だけが残ることも多い。
だから、**「何もない地域」の“最後の砦”**として活用できるというのが国の考え方です。

🩺でも本当にそれで足りるのか?
医師の診察後に必要な
✔️ 処方箋の発行
✔️ 薬の受け取り
✔️ 服薬指導や副作用のフォロー
…これは本来、薬局の領域です。

薬局が存在しない地域ではどうするのか?
郵便局が“ハブ”になり、医師や薬剤師と連携する新たなモデルが必要です。

👩‍⚕️結論:どちらが「正解」ではない
・薬局が活用できる地域では、それが理想。
・でも、薬局すら存在しない場所では、郵便局という手段が“現実的な希望”。

へき地に暮らす方々に、医療の手をどう差し伸べるか。
これは単なる制度設計ではなく、「いま目の前で困っている人たちのために何ができるか」という問いです。

📣 あなたはどう思いますか?
「オンライン診療の拠点として、薬局?郵便局?」
ぜひ、考えやご意見をコメントで聞かせてください。

※ちなみに、私は最初「郵便局!?」と驚いた派です。でも調べるほどに、正解は一つじゃないのだと実感しています。
医療が届きにくい地域に、少しでも光が届くような仕組みを──柔軟に模索していく必要がありそうです。

#オンライン診療 #へき地医療 #なぜ郵便局
#医療を届けるということ #医師不足 #地域医療

23/03/2025

🟦 糖尿病治療の“常識”が、変わろうとしている──
みなさん、「マンジャロ」という新しい糖尿病治療薬をご存じですか?

先日、この話題の薬に関する講演会に参加し、とても刺激を受けました。

🟨 週1回の注射で、血糖コントロールと減量まで⁉
マンジャロは、インスリンの分泌を助け、胃の動きをゆっくりにし、食欲も抑える──
そんな働きがある新しい注射薬です(週に1回でOK)。

最近では、「HbA1cを6%未満に保つこと」を目指す専門医の先生も多く、
**“低血糖のリスクを抑えながら、よりよいコントロール”**という新しい治療方針が見えてきています。

🩺 地域の開業医として、足を守る医療を届けたい
わたし自身は、長年カテーテル治療や放射線診断に関わりながら、
「患者さんが元気に、自分の足で歩き続けられる」ことを大切に診療してきました。

糖尿病に取り組む上で、血糖だけでなく、筋肉・骨・血流・神経までを総合的に見ることが不可欠と考えています。

📊 当院の現状とこれから
令和7年2月時点で、HbA1cが6%以下の方は全体の約11%。
平均は6.8%、中央値は6.7%。まだまだ改善の余地があります。

マンジャロのような新しい選択肢が、患者さんの人生を変える力を持つのではないか──
そんな手応えも感じました。

💬 ある先生の言葉が印象的でした

「複数の経口薬を使うより、週1回の注射だけのほうが、患者さんにも医師にもシンプルで良いのでは?」

確かに、治療の選択肢がどんどん進化していることを実感します。
Cペプチドや間食との関係、副作用の注意点など、臨床で役立つ学びも満載でした。

🌱 学びを臨床へ、そして患者さんの未来へ
「医療の新しい波」に触れながら、
わたし自身の診療スタイルも少しずつアップデートしていきたいと思います。

「最後まで自分らしく歩くことをサポートする」
そんな医療を届けたいと思っています。

#マンジャロ #糖尿病治療 #血糖コントロール
#開業医の学び #歩いて暮らす医療 #フットケア
#低血糖リスクを減らす #週1回の注射

住所

神田三丁目2/11
Hirosaki-shi, Aomori
036-8061

営業時間

月曜日 08:30 - 12:00
14:30 - 18:00
火曜日 08:30 - 12:00
水曜日 08:30 - 12:00
14:30 - 18:00
木曜日 08:30 - 12:00
金曜日 08:30 - 12:00
14:30 - 18:00
土曜日 08:30 - 12:00

電話番号

0172-33-6611

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