05/09/2023
産後は生理が戻ってくるまでに個人差があります。一度戻った後に生理不順になる方もいらっしゃいます。
子育てで忙しくご自分のことは後回しになりがちですが、お母様の健康はお子様の心身の健康にとって大切なことです。
ぜひお早めにご相談下さい。
【産後ケア編】産後の生理不順<第2回>
🔸中医学における産後の生理不順の観点
1️⃣生理周期が早くなる「気」の不足
「気(エネルギー)」には、「血(けつ:栄養)」や「津液(しんえき:潤い)」を体内に留めておく働きがあり、「気」が不足するとその力が足りずに、生理が早く来てしまう原因となります。疲れている方や胃腸機能が弱い方に多い体質です。
2️⃣生理周期が長くなる「血」の不足や滞り
生理の基本となる「血」が不足すると、卵胞が成熟するまでに時間がかかるため、周期が長くなってしまう場合があります。
産後は特に「血」の消耗が激しい時期ですし、睡眠不足から疲れが溜まりやすくストレスも感じやすいため、「血」の不足だけでなく流れも滞ってしまうことで、子宮や卵巣の働きが鈍くなりがちです。
身体が冷えやすい方の場合にも「血」の流れが滞ってしまうことで、子宮や卵巣の働きが鈍くなりがちなので、冷房に長時間当たる事は避け、冷たい飲食は控えましょう。
3️⃣生殖を司る「腎」による生理不順
中医学で考える五臓六腑のうち、生殖を司る「腎(じん)」は、生理や排卵と深い関わりがあります。
妊娠・出産後は特に「腎」の機能の低下が著しくなるので、排卵を促す力が弱くなり生理周期が乱れる原因となります。
産後の生理周期を整えやすくするためには?
授乳によるプロラクチンの分泌が産後の生理不順の主な原因とはいえ、WHOでは2歳以上までの授乳を推奨しているように母子にとって大切な母乳育児をすぐにやめるわけにはいきませんよね。
そこで、産後の生理不順に悩まされているときには、以下の対処法を取り入れてみましょう。
🔸体質別の特徴と対処法
🌿「気虚(ききょ)」体質
エネルギーである「気」が不足している方の特徴などについてご紹介します。
🟣生理の状態:生理の量が多い、サラサラで色が薄い、生理痛は後半にシクシク痛む、不正出血など。
🟢自覚症状:食欲不振、お腹の張り、倦怠感、疲れやすい、むくみ、めまいなど。
🟡おすすめ食材:豆腐や湯葉などの大豆製品、卵、いんげん豆、山芋、きのこ類など
🌿「血虚(けっきょ)」体質
「血」の不足は産後の方に多く見られる体質です。共通して対処するとよいでしょう。
🟣生理の状態:生理の量が少ない、サラサラで色が薄い、生理痛は後半にシクシク痛むなど。
🟢自覚症状:めまい、立ちくらみ、顔色が白い、眼精疲労、不眠、動悸、脱毛など。
🟡おすすめ食材:人参、ほうれん草、なつめ、黒ごま、クコの実、プルーンなど
🌿「瘀血(おけつ)」体質
内臓や全身を栄養する「血」が滞ると痛みなどの様々な症状がみられます。
🟣生理の状態:生理の色は暗く塊が多い、生理痛、排卵痛など。
🟢自覚症状:肩こり、頭痛、唇の色が悪い、シミやくすみが目立つ、冷えのぼせなど。
🟡おすすめ食材:紅花、シナモン、黒糖、生姜、ネギ、玉ねぎなど
🌿「腎虚(じんきょ)」体質
生殖を司る「腎」は出産だけでなく、年齢共に弱りやすくなります。将来の健康のためにもしっかり養生されることをおすすめします。
🟣生理の状態:生理の色が暗く少ない、無排卵など。
🟢自覚症状:足腰がだるい、物忘れ、耳鳴り、頻尿、白髪、難聴、精力減退、むくみなど。
🟡おすすめ食材:黒豆、黒きくらげ、黒ごま、山芋、卵、くるみ、アーモンドなど
産後の生理は、なかなか安定しづらいものです。
産後に生理が再開する時期や、周期が安定するまでの期間にも個人差があります。授乳の頻度や睡眠時間などの生活スタイルによっても異なってきます。
とにかく赤ちゃんの事ばかりが気になってしまう時期ではありますが、ママの身体が元気であることが赤ちゃんの生活を守る秘訣でもあります。
バランスのよい食事や質のいい睡眠をしっかりとるように意識し、心身ともに健康的な生活を心がけていく事で徐々に生理周期が規則的になっていくでしょう。
生理は煩わしい物ではありますが、女性の健康管理や体調の指標として欠かせないものです。漢方や鍼灸で「気」「血」の巡りを整える事で生理周期が戻り、毎月の生理痛や排卵痛、月経過多などの不快な生理症状が軽くなった方も少なくありません。
断乳してから数ヶ月たっても生理が来ない、産後1年を過ぎても生理不順が続く、第二子・第三子を計画しているなどの方は一度、漢方相談にいらしてください。
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