17/11/2025
こんにちは。
ほぐリッチです。
もみほぐしセラピストにとって、姿勢分析は「痛みの原因を見抜くための地図」のようなものです。
肩がつらい、腰が重い、首が回らないなど、表面に出ている不調はあくまで結果であり、本当の原因は姿勢バランスの崩れにあります。
姿勢分析ができるようになると、
どの筋肉が短縮しているのか、
どの部位に負担が蓄積しているのか、
施術の優先順位はどこか、
こうした判断が自然にできるようになります。
この記事では、未経験の方でも使える「姿勢分析のシンプルなコツ」をまとめました。
1. まず“基準線”を知る
姿勢分析は、正しい姿勢をイメージできなければ始まりません。
横から見た理想的な姿勢
・耳(外耳道)
・肩峰
・大転子
・膝関節のやや前
・外くるぶしのやや前
これらが、ほぼ一直線に並びます。
正面・背面の基準
・顔、胸骨、へそ、恥骨が一直線
・肩の高さが左右同じ
・骨盤の高さに左右差がない
・膝の向きがまっすぐ
・足部の倒れ込み(回内)、外反が強くない
この理想姿勢とのズレを見極めるのが、姿勢分析の第一歩です。
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2. 全体を見る → 部分を見る
初心者がまずつまづくポイントは「細かい部分から見ようとしてしまう」ことです。
姿勢分析では、まず全体の印象をつかみます。
・頭が前に出ている
・背骨のカーブが強い
・骨盤が前傾(反り腰)または後傾(猫背)
・肩の左右差
・重心が片側に偏っている
全体の傾向をつかむと、局所を見るときに「なぜこの位置にあるのか」が理解しやすくなります。
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3. 姿勢の中心は“骨盤”
姿勢分析で最も重要なのは骨盤です。
骨盤の傾きは、背骨、肩、頭、そして下肢の配列まで大きく左右します。
骨盤のチェックポイント
・左右ASIS(上前腸骨棘)の高さ
・左右PSIS(上後腸骨棘)の高さ
・前傾か後傾か(腰椎のカーブで判断)
・へそが体の中心にあるか
骨盤の傾きから読み取れる筋バランス
前傾
→腸腰筋、脊柱起立筋が過緊張
→腹筋やハムストリングが弱くなりやすい
後傾
→ハムストリング、腹筋が優位
→腰のカーブが減り、背中が張りやすい
左右の傾き
→荷重側の腰方形筋、大腿筋膜張筋、殿筋群が硬くなる
骨盤が分かると、施術で狙うべき部位がほぼ決まります。
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4. 表面の形を見るのではなく「力のバランス」を見る
姿勢の崩れは見た目では同じでも、原因となる筋肉は人によって異なります。
大切なのは「形」ではなく「どの筋肉が引っ張り、どの筋肉が弱っているか」という力のバランスを見ることです。
例
・肩が前に丸い
→胸筋群の短縮、肩甲骨内転筋の弱化
・頭が前に出る
→胸鎖乳突筋、後頭下筋の過緊張
→背部の張りは“結果”であり原因ではない
・反り腰
→腸腰筋の短縮が中心原因
→腰を揉むだけでは改善しない
原因筋にアプローチできるかどうかが、セラピストのレベルを分けるポイントです。
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5. 写真を使うと分析精度が一気に上がる
姿勢は目視だけでは見落としが出ます。
正面・側面・背面の3方向を撮影して比較すると、初心者でもはっきり違いが分かります。
チェックポイント
・中心線から頭・肩・骨盤がどれだけズレているか
・左右差
・重心の位置
・足部の角度
写真は施術前後の変化にも使えるので、クライアントの納得感が大きく高まります。
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6. 施術前後の比較は“信頼”につながる
筋肉の硬さだけでなく、
・姿勢の変化
・可動域の改善
・重心の位置の変化
を確認すると、施術の効果が明確になります。
施術の説明がより的確になり、リピート率の向上にもつながります。
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まとめ
・姿勢分析の出発点は「基準線」を理解すること
・細部よりも、まず全体のシルエットを見る
・骨盤の位置を把握すると、原因筋が分かり施術方針が立てやすい
・姿勢は“形”ではなく“筋肉の力のバランス”で判断する
・写真を使うと分析の精度が高まる
・施術前後で姿勢を比較すると、効果説明が格段に分かりやすい
ほぐリッチ整骨院・もみほぐしセラピストスクール
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