池田鍼灸治療院

池田鍼灸治療院 1986年開業以来、地域の皆様の健康を祈り、清潔で明るく感じの良い治療院

中医学の教科書 第18話 腎は水分代謝と納気をつかさどる💧「腎は水分代謝と納気をつかさどる」──静かなる根が、命を潤す 私たちの身体は、目に見えない流れによって支えられています。 水の巡り、そして気の呼吸。その根底にあるのが、「腎」のはたら...
19/02/2026

中医学の教科書 第18話 腎は水分代謝と納気をつかさどる

💧「腎は水分代謝と納気をつかさどる」──静かなる根が、命を潤す

 私たちの身体は、目に見えない流れによって支えられています。

 水の巡り、そして気の呼吸。
その根底にあるのが、「腎」のはたらきです。
東洋医学では、腎は単なる排泄器官ではなく、水分代謝と納気という二つの重要な機能を担うとされています。
 それはまるで、地下に張り巡らされた根が、大地の水と養分を吸い上げ、幹を支えるような働きです。

🌊 水分代謝──潤いを調える腎の力

 腎は、体内の水分を管理する「水の府」。
 脾胃で吸収された水分を、必要な場所へ送り、不要なものは膀胱を通じて排出します。
 この働きが整っていれば、身体は潤い、むくみや乾燥とは無縁。
 逆に腎の水分代謝が乱れると、浮腫、頻尿、冷え、乾燥などの不調が現れます。

 鍼灸では、腎経や膀胱経の経穴を用いて、腎の水分調整力を高めます。

• 腎兪(じんゆ):腰のだるさ、冷え、むくみに。
• 陰谷(いんこく):水分代謝を促し、膀胱の働きを整える。

 これらのツボは、身体の“水の流れ”を調える鍵となります。

🌬️ 納気──呼吸の奥深くへ、気を引き込む腎の力

 納気とは、肺から吸い込んだ「清気(せいき)」を、腎が体の奥深くへ引き込む働き。
 肺が外界から気を取り入れ、腎がそれを“納める”ことで、呼吸は深く安定し、全身にエネルギーが巡ります。
 腎の納気作用が弱まると、呼吸が浅くなり、息切れや疲れやすさが現れます。
これは、加齢や腎虚によってよく見られる症状です。
 鍼灸では、肺腎の連携を整えることで、呼吸の質を高めます。

• 太渓(たいけい):腎気を補い、納気を助ける。
• 命門(めいもん):生命力の中心。呼吸力と活力を引き出す。

深い呼吸は、腎の力の証。
鍼灸は、その呼吸を静かに支える術です。

🍵 養生の知恵──腎をいたわる暮らし

 腎は、静かに、深く、命を支える臓。
 その働きを守るには、十分な睡眠、冷えの予防、そして腎を養う食材(黒豆、山芋、クルミなど)が欠かせません。
 また、秋冬の乾燥する季節には、肺腎の連携を意識した養生が重要です。
温かい呼吸法、蒸し料理、そして鍼灸による調整が、腎の力を育ててくれます。

 腎は、命の根。
その根が水を巡らせ、気を納めることで、私たちは潤い、呼吸し、生きていく。
鍼灸は、その根にそっと触れ、命の流れを整える術。
一針一息の中に、静かな生命の調和が息づいています。

中医学の教科書 第17話 腎は精を蔵する🌱「腎は精を蔵する」──命の根を支える、静かな力 私たちの身体は、目に見えない「精(せい)」という生命の根源によって支えられています。この精を蓄え、守り、育てる場所──それが「腎」です。 東洋医学では...
15/02/2026

中医学の教科書 第17話 腎は精を蔵する

🌱「腎は精を蔵する」──命の根を支える、静かな力

 私たちの身体は、目に見えない「精(せい)」という生命の根源によって支えられています。
この精を蓄え、守り、育てる場所──それが「腎」です。

 東洋医学では、「腎は精を蔵する」と言われます。
ここでいう「精」とは、単なる栄養素ではなく、成長・発育・生殖・老化・免疫など、人生のすべての段階に関わる根本的なエネルギー。

 腎に蓄えられたこの精は、「腎精(じんせい)」と呼ばれ、まさに命の貯蔵庫なのです。

🔍 腎精のはたらき

 腎精は、私たちの一生を支える静かな力です。

• 成長と発育:子どもの骨や脳の発達、思春期の成熟。
• 生殖機能:妊娠・出産・性機能の維持。
• 老化の速度:白髪、骨の弱り、記憶力の低下など。
• 免疫と回復力:病気への抵抗力、疲労からの回復。

 腎精が充実していれば、心身は若々しく、老化も緩やか。
逆に腎精が不足すると、体力の低下、耳鳴り、腰痛、集中力の低下など、さまざまな不調が現れます。

🪡 鍼灸で腎精を養う

 鍼灸は、腎精を守り、補うための静かな手段です。
腎経に属する経穴を刺激することで、腎の働きを高め、精の巡りを整えます。

• 腎兪(じんゆ):
    腰のだるさ、精力低下、冷えに。
• 太渓(たいけい):
    腎陰・腎陽のバランスを整え、精を養う。
• 命門(めいもん):
    生命力の中心。腎陽を補い、活力を引き出す。

 これらのツボは、加齢による腎精の衰えを緩やかにし、心身の調和を取り戻すための“命のスイッチ”とも言える存在です。

🍵 養生の知恵──腎精を守る暮らし

 腎精は、日々の生活の中で少しずつ育まれ、また消耗もします。
 夜更かしや過労、過度な性行為は腎精を削り、逆に十分な睡眠、穏やかな心、滋養のある食事は腎精を養います。
 黒豆、山芋、クルミ、黒ごまなどの「補腎食材」や、温かいスープ、蒸し料理は腎をいたわる食養生として知られています。

 腎は、静かに、深く、命を支える臓。
その中に蓄えられた精は、人生の根を育てる力です。
 鍼灸は、その根にそっと触れ、命の流れを整える術。
一針一息の中に、老いと向き合い、命を慈しむ知恵が息づいています。

インフルエンザに感染してしまい、5日間休診となりご迷惑をおかけしました。 ご心配くださった皆さま、本当にありがとうございます。 今回のことを機に、これまで以上に体調管理に気を配り、万全の状態で治療に向き合ってまいります。 安心して通っていた...
09/02/2026

インフルエンザに感染してしまい、5日間休診となりご迷惑をおかけしました。

 ご心配くださった皆さま、本当にありがとうございます。
 今回のことを機に、これまで以上に体調管理に気を配り、万全の状態で治療に向き合ってまいります。

 安心して通っていただけるよう、より一層努めてまいります。
今後とも変わらぬご厚情を賜れましたら幸いです。

1月25日、愛知県鍼灸師会主催 第83回学術講習会に参加させていただきました。講 師 は  伊藤 和真先生演 題 :  「鍼灸師の未来予想図」~医療連携・AIと触れる技術~内容は 1980年代、肩にかけるような大きな携帯電話から物語は始まり...
26/01/2026

1月25日、愛知県鍼灸師会主催 第83回学術講習会に参加させていただきました。

講 師 は 伊藤 和真先生
演 題 : 「鍼灸師の未来予想図」~医療連携・AIと触れる技術~

内容は

 1980年代、肩にかけるような大きな携帯電話から物語は始まりました。
やがてパソコンが家に入り、
スマートフォンが世界をポケットに押し縮め、
そして今、AIが静かに私たちの思考のそばに座るようになった。
 技術の進化は、まるで長い旅路のように、私たちの暮らしを少しずつ変えて便利な社会となり、生活に欠かせないものとなってきました。
 しかしながら、いくら最新型の優秀なAIでもかなわないものがあります。

 それは、心に触れる、肌に触れる、私の職域では鍼に触れることです。

🌱 心に触れるということ
 誰かの言葉がふっと胸の奥に届く瞬間があります。
それは大げさな励ましでも、派手なドラマでもなくて、
ただ「あなたのことを見ていますよ」という静かなまなざしのようなもの。
 心に触れるとは、
相手の痛みや迷いを奪うことではなく、
その隣にそっと座るような行為なのだと思います。
触れた指先が温かいほど、心はゆっくりほどけていく。

🌸 肌に触れるということ
 肌は、身体のいちばん外側にある“心の窓”のような存在。
優しい手が触れたとき、
その温度は皮膚を通って、
まるで波紋のように内側へ広がっていきます。
 触れられることで、
「大丈夫だよ」と言われているような安心感が生まれる。
皮膚は、言葉よりも早く、
その人の状態を受け取り、そして返してくれる場所。

🪡 鍼に触れるということ
 鍼が皮膚に触れる瞬間は、
とても静かで、
まるで呼吸の合間にそっと置かれる一滴の雫のよう。
痛みを与えるためではなく、
身体が忘れてしまったリズムを思い出させるために触れる。
 鍼は、身体の奥に眠る声を聴き、
必要なところにだけ、そっと手を差し伸べる。
鍼に触れるという行為は、
身体と心のあいだにある薄い膜を、
やさしく揺らして整えていくようなもの。
そこには技術だけでは届かない、
施術者の“祈り”のような気持ちが宿る。

🌿 触れるという行為のすべては、つながること
 心に触れ、皮膚に触れ、鍼に触れる。
どれも違うようでいて、
実はすべて「その人とつながる」ための方法。
 触れるという行為は、
相手を変えるためではなく、
相手の中にある力をそっと思い出させるためのもの。
その瞬間、
人はひとりではなくなる。
そして、身体も心も、
ゆっくりと自分の場所へ帰っていく。

中医学の教科書 第16話 肺が一身の気をつかさどる🌬️「肺が一身の気をつかさどる」──鍼灸で整える、命の呼吸 私たちは、日々何気なく呼吸をしています。しかしその一息一息が、全身の「気」を生み、巡らせ、生命を支えていることを、どれほど意識して...
24/01/2026

中医学の教科書 第16話 肺が一身の気をつかさどる

🌬️「肺が一身の気をつかさどる」──鍼灸で整える、命の呼吸

 私たちは、日々何気なく呼吸をしています。
しかしその一息一息が、全身の「気」を生み、巡らせ、生命を支えていることを、どれほど意識しているでしょうか。
 東洋医学では、肺は「一身の気をつかさどる」とされます。
つまり、肺は全身の気の生成・調整・循環において中心的な役割を担っているのです。

🫁 肺と宗気──命のエネルギーを育む場

 肺は、外界から清気(新鮮な空気)を吸い込み、脾胃から運ばれた飲食物の精微と結びつけて「宗気(そうき)」を生成します。
 この宗気は胸に蓄えられ、呼吸や心拍、声の力、そして気血の巡りを支える、まさに“命のエネルギー”です。
 宗気が充実していれば、呼吸は深く、声は明瞭で、心身に活力が満ちます。
 逆に宗気が不足すると、息切れ、倦怠感、声の弱さ、免疫力の低下などが現れます。

🪡 鍼灸の役割──肺経を通じて気を整える

 鍼灸では、肺の働きを高めるために「手の太陰肺経」に属する経穴を活用します。
たとえば:
- 中府(ちゅうふ):
   胸の詰まりや咳に。肺の宣発作用を助けます。
- 尺沢(しゃくたく):
   呼吸器の急性症状に。肺気の粛降を促します。
- 太淵(たいえん):
   宗気を補い、呼吸と心拍の調整に。

 これらのツボを刺激することで、肺の気の流れを整え、宗気の生成と循環を助けることができます。
 また、呼吸が浅くなりがちな現代人にとって、鍼灸は「気の呼吸」を取り戻すための静かな手助けとなります。
 胸郭の柔軟性を高め、横隔膜の動きを促すことで、自然な深呼吸が生まれ、肺の力が蘇るのです。

🍂 季節の養生と肺の気

 秋は「肺の季節」とも言われ、乾燥や冷えによって肺の気が乱れやすくなります。
 この時期は、白い食材(れんこん、百合根、梨など)や、温かい呼吸法、そして鍼灸による調整が、肺の気を守る養生となります。

中医学の教科書 第15話 肺は通調水道をつかさどる🌿「肺は通調水道をつかさどる」──水の巡りを調える、静かな司令塔 私たちの身体は、目に見えない水の流れによって潤され、守られています。その水の巡りを調える静かな司令塔こそが、肺です。 東洋医...
21/01/2026

中医学の教科書 第15話 肺は通調水道をつかさどる

🌿「肺は通調水道をつかさどる」──水の巡りを調える、静かな司令塔

 私たちの身体は、目に見えない水の流れによって潤され、守られています。
その水の巡りを調える静かな司令塔こそが、肺です。
 東洋医学では、肺は単なる呼吸器官ではなく、「通調水道(つうちょうすいどう)」──すなわち、体内の水分代謝を調整する役割を担うとされています。

💧水道とは何か

「水道」とは、体内の水液(津液)が流れる道筋のこと。
飲食物から得た水分は、脾によって吸収され、肺によって全身に分配されます。
 肺はその最上流に位置し、「水の上源(じょうげん)」とも呼ばれます。

🌬️肺の働き:宣発と粛降

 肺は、宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)という二つの働きを通じて、水液の流れを調整します。
• 宣発:水分を皮膚や体表に巡らせ、汗として排出。
 体温調節や老廃物の排泄を助けます。
• 粛降:余分な水分を腎や膀胱へと送り、尿として排泄。
 水分の下流処理を支えます。
 この上下の流れが滞ると、むくみ、咳、排尿困難などの不調が現れることもあります。

🧘‍♀️呼吸と水の調和

 呼吸は、空気だけでなく、水の巡りも調える行為。
深く静かな呼吸は、肺の宣発・粛降を助け、体内の水分バランスを整えてくれます。
 秋冬の乾燥する季節には、肺の潤いを守ることが養生の要。
白い食材(れんこん、百合根、梨など)や、加湿、ゆったりとした呼吸法が、肺の通調水道作用を支えてくれます。
 水は形を持たず、音もなく流れます。
その流れを見守り、調える肺の働きは、まるで静かに庭を潤す井戸のよう。
日々の暮らしの中で、肺の声に耳を澄ませてみませんか。

19/01/2026

「手に職」という言葉の、その先にあるもの ――会社員を辞めて鍼灸業界に来た人たちの話 先日、母校の事務の方と雑談をしていたとき、 「最近、会社員の方の入学が増えているんですよ」 という話を聞いた。 理由はだ....

中医学の教科書 第14話 肺は宣発・粛降作用「肺は語る、内と外の調和」 私たちの身体は、自然と呼応しながら日々を営んでいます。その中で、肺は「宣発」と「粛降」という二つの働きを通じて、体内外のバランスを保っています。宣発は、気を外へと巡らせ...
17/01/2026

中医学の教科書 第14話 肺は宣発・粛降作用

「肺は語る、内と外の調和」

 私たちの身体は、自然と呼応しながら日々を営んでいます。
その中で、肺は「宣発」と「粛降」という二つの働きを通じて、体内外のバランスを保っています。

宣発は、気を外へと巡らせ、体表を守る。
粛降は、気を内へと導き、潤いと安定をもたらす。

 この上下の流れが滞ると、咳や息切れ、むくみ、冷えなど、さまざまな不調が現れます。
 だからこそ、呼吸を整えることは、心身の調和を整えること。
一息ごとに、自然とつながる感覚を大切にしてみませんか。

中医学の教科書 第13話 古代中国とオランダ医学書での「脾」とは🏺 古代中国における「脾」の概念(中医学) 中医学の「脾」は、西洋医学の脾臓とは異なり、消化・吸収・気血の生成・統血・昇清などの機能を担う中心的な臓器として位置づけられています...
14/01/2026

中医学の教科書 第13話 古代中国とオランダ医学書での「脾」とは
🏺 古代中国における「脾」の概念(中医学)

 中医学の「脾」は、西洋医学の脾臓とは異なり、消化・吸収・気血の生成・統血・昇清などの機能を担う中心的な臓器として位置づけられています。
主な機能(蔵象学説より)
• 運化作用:食物から栄養(水穀精微)を取り出し、気血津液
 に変換
• 生血作用:血液の生成に関与(西洋医学では骨髄が担う)
• 統血作用:血液を血管内に保ち、漏れ出さないようにする
• 昇清作用:栄養素を心肺・頭部へ持ち上げる
• 思に属す:過度な思慮が脾を傷めるとされる
 中医学の「脾」は、むしろ西洋医学の「膵臓」や「消化器系」
 に近い機能を持つとされます。

📜 杉田玄白と「脾」の再定義

 杉田玄白(1733–1817)は、江戸時代の蘭学医であり、西洋解剖学を日本に紹介した先駆者です。
彼が翻訳した『解体新書』は、オランダ語の『ターヘル・アナトミア』を基にしたもので、五臓六腑という抽象的な臓器概念に対して、実際の人体構造を明らかにした画期的な書でした。
杉田玄白の衝撃と挑戦
• 中医学では「脾」は消化吸収の中心とされていたが、
 実際の脾臓は免疫や血液の濾過に関与する小さな器官であるこ
 とが判明
• 杉田は「腑分け(解剖)」に立ち会い、五臓六腑の抽象性に
 疑問を抱く
• その結果、経験医学から実証医学への転換が始まり、
 蘭方医学が広まる契機となった

🌸 まとめ:思想の交差点としての「脾」

 古代中国では「脾」は生命活動の中心的な機能臓器として捉えられ、身体と自然の調和を重視する思想に根ざしていました。
 一方、杉田玄白は実際の人体を目にし、抽象的な臓器観から科学的な構造理解へと橋を架けた人物です。
この「脾」の違いは、単なる医学用語の差ではなく、身体をどう見るか、どう治すかという思想の違いそのものです。

🔥 丙午(ひのえうま)を、東洋医学のまなざしでそっと見つめてみる「丙午」という言葉を耳にすると、どこか昔話のような響きを感じます。火の気が強い年だとか、気性が激しいだとか、いろいろな言い伝えがありますよね。 でも、東洋医学の視点で眺めてみる...
11/01/2026

🔥 丙午(ひのえうま)を、東洋医学のまなざしでそっと見つめてみる

「丙午」という言葉を耳にすると、どこか昔話のような響きを感じます。
火の気が強い年だとか、気性が激しいだとか、いろいろな言い伝えがありますよね。
 でも、東洋医学の視点で眺めてみると、
丙午は“ちょっと火が張り切りすぎている年”くらいの、やわらかな意味合いで捉えることができます。

🔥 火が元気いっぱいの年

 丙午は、十干の「丙」も十二支の「午」も、どちらも“陽の火”。
火が二重に重なるので、どうしても勢いが出やすい。
火は本来、明るさや温かさをくれる大切な存在。
 でも、元気がありすぎると、ちょっと落ち着かなくなることもあります。
たとえば、
• なんとなくソワソワする
• 顔がほてりやすい
• 寝つきが悪い
• 気持ちが急ぎがち
そんな感覚が出やすいのが、火が強いときの特徴です。

💧 火をやさしく包む「水」の力

 火が強いときに大切なのは、反対の性質を持つ「水」。
東洋医学では、水は“腎”に対応し、静けさや落ち着きを象徴します。
 火がパチパチと跳ねるとき、
そっと寄り添ってくれるのが水の存在。
だから丙午のような火の年には、
腎(水)を養うことが、心と身体の安定につながります。

🌿 丙午の年に、やさしく整える養生

● 黒い食材で腎をいたわる
 黒豆、黒ごま、昆布、ひじき、きくらげなど。
 黒は腎の色で、身体の奥に静かな力を育ててくれます。
● ほてりを鎮める食材を少し
 山芋、蓮根、豚肉、百合根、きのこ類。
 火の勢いをやわらげ、呼吸が深くなります。
● ゆっくりする時間をつくる
 • 深呼吸
 • 夜は早めに灯りを落とす
 • 温めすぎない
 • 予定を詰め込みすぎない
 火の年は、スピードを落とすだけで心がふっと軽くなります。

🐎 勢いのある年だからこそ、静けさを選ぶ

 丙午は、昔から“強い年”と言われてきました。
でも、強さは悪いことではなく、ただ“勢いがある”というだけのこと。
勢いがあるときほど、
静けさやゆるやかさを意識してみると、心身のバランスが整っていきます。
火の年に、水の養生を。
動きの年に、ひと息を。
そんな過ごし方も、なんだか心地よいものです。

中医学の教科書 第12話 脾は統血作用💉「脾は統血をつかさどる」──血を守る、静かな防人(さきもり) 血は、身体を潤し、栄養を運び、精神を安定させる命の流れ。その血が、必要な場所にとどまり、漏れ出さないように保つ──それが「統血(とうけつ)...
07/01/2026

中医学の教科書 第12話 脾は統血作用

💉「脾は統血をつかさどる」──血を守る、静かな防人(さきもり)

 血は、身体を潤し、栄養を運び、精神を安定させる命の流れ。
その血が、必要な場所にとどまり、漏れ出さないように保つ──それが「統血(とうけつ)」という働きです。
 東洋医学では、脾は「血を統べる臓」とされ、血液を血管内にしっかりと留めておく力を担っています。
この力が弱まると、血が脈外に漏れ出し、さまざまな出血症状が現れるのです。

🩸 統血作用の乱れ──脾不統血(ひふとうけつ)

 脾の統血作用が失調すると、以下のような症状が現れます。

• 鼻血、歯ぐきからの出血
• 血便、血尿、不正性器出血(崩漏)
• 皮下出血、紫斑
• 倦怠感、顔色の蒼白、息切れ
• 食欲不振、腹部膨満

 これらは、脾気虚によって血を統べる力が弱まり、血が“こぼれ出す”状態。
 慢性疲労や過労、甘いものの摂りすぎ、湿気の多い環境などが背景にあることも多く、季節では梅雨や夏に悪化しやすい傾向があります。

🪡 鍼灸で統血力を高める

 鍼灸では、脾経・胃経のツボを中心に、脾気を補い、統血作用を回復させる施術が行われます。

• 足三里(あしさんり):
   脾胃の気を補い、消化吸収と血の生成を助ける。
• 三陰交(さんいんこう):
   脾・肝・腎を調え、血の質と量を整える。
• 脾兪(ひゆ):
   背部の脾の要穴。脾気虚による出血症状に有効。
• 中脘(ちゅうかん):
   胃脾の中心を整え、運化力と統血力を支える。

 これらのツボは、血を守る“防人”としての脾の力を静かに呼び覚まします。
脾は、血を守る静かな防人。
 その力が整えば、身体は潤い、心は安らぎ、命は穏やかに流れ続けます。
 鍼灸は、その防人の力に寄り添い、命の安定を支える術。
一針一息の中に、血と気の調和が息づいています。

お客様各位㋿8年1月診療のお知らせ 1月9日(金) 午後の診療臨時休診12日(月)成人の日午前の診療いたします。池田鍼灸治療
04/01/2026

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