26/02/2024
厚生労働省では、このたび、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を図るため、国民それぞれの状況に応じた適切な飲酒量・飲酒行動の判断に資する「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を別添のとおり作成しましたので、公表します。
本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的としています。
厚生労働省では、今後、本ガイドラインの周知等を行ってまいります。
酒は「百薬の長」ではなくなった
〇酒は飲まない;少なければ少ないほど良い
飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、飲酒によるリスクが少なくなる
健康日本 21(第三次):最低限守るべき量
「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール
摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上)を飲酒している者の減少」
例: ビール 500ml(5%)の場合の純アルコール量
500(ml) × 0.05 × 0.8 = 20(g)
※これらの量の飲酒をしている者の減少を目標としたものです。なお、これら
の量は個々人の許容量を示したものではありません。
〇寝酒は止める;睡眠の質が落ちる
不安{38}や不眠{39}を解消するための飲酒
不安の解消のための飲酒を続けることによって依存症になる可能性を高めた
り、飲酒により眠りが浅くなり睡眠リズムを乱す等の支障をきたすことが
あります。
〇とにかく飲む回数を減らす
休肝日を設ける;アルコール依存にならないために
毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながる可能性があります。
一週間の純アルコール摂取量を減らすために、定期的に飲酒をしないようにす
るなど配慮が必要です。
・「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表します
https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=F_HJKzD6VY9RpuSFY
4 飲酒量(純アルコール量)と健康に配慮した飲酒の仕方等について
上記のようなアルコールのリスクを理解した上で、次に示す純アルコール量に
着目しながら、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がける
ことが大切です。
(1)飲酒量の把握の仕方
お酒に含まれる純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×
アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができ、
食品のエネルギー(kcal)のようにその量を数値化できます。飲酒をする場合
には、お酒に含まれる純アルコール量(g)を認識し、自身のアルコール摂取
量を把握することで、例えば疾病発症等のリスクを避けるための具体的な目標
設定を行うなど、自身の健康管理にも活用することができます。単にお酒の量
(ml)だけでなく、お酒に含まれる純アルコール量(g)について着目するこ
とは重要です。
(お酒に含まれる純アルコール量の算出式)
摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)
例: ビール 500ml(5%)の場合の純アルコール量
500(ml) × 0.05 × 0.8 = 20(g)
(2)飲酒量と健康リスク
世界保健機関(WHO)では、アルコールの有害な使用を低減するための世界戦
略{25}を示しており、また、循環器疾患やがん等の疾患の予防コントロールの
ため、アルコール有害使用の削減に関する目標なども含めた行動計画{26}を発
表しています。さらに、飲酒量(純アルコール量)が少ないほど、飲酒による
リスクが少なくなるという報告もあります{27,28,29}。個々人が疾患などの発
症リスクにも着目するなどして、健康に配慮することが重要であると考えられ
ます。例えば、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、
たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまうこと、大腸がんの
場合は、1 日当たり 20g程度(週 150g)以上の量の飲酒を続けると発症の
可能性が上がる等の結果を示した研究があります。これらの研究結果に基づく
疾病毎の発症リスクが上がる飲酒量(純アルコール量)については、表1に示
したものが参考となります。
飲酒による疾患への影響については個人差があります。従って、これらよりも
少ない量の飲酒を心がければ、発症しないとまでは言えませんが、当該疾患に
かかる可能性を減らすことができると考えられます。なお、飲酒の影響を受け
やすい体質を考慮する必要がある場合などには、より少ない飲酒量(純アルコー
ル量)とすることが望まれます。飲酒は疾患によっても、臓器によっても影響
が異なり、個人差があります。かかりつけ医等がいる場合には、飲酒について
の相談をすることも有用です。飲酒量(純アルコール量)が多くなることは、
病気や怪我の可能性を高める{30,31}だけでなく、飲酒後の危険な行動につな
がる可能性も高くなります。これらを避けるよう、飲酒量(純アルコール量)
に注意していくことが重要です。
その他の参考として、国内では、第2期計画において、「生活習慣病のリスク
を高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以
上)を飲酒している者の割合を男性 13.0%、女性 6.4%まで減少させること」
(※)を重点目標として示しています。
また、令和6年度開始予定の健康日本 21(第三次)では、「生活習慣病(N
CDs)のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g
以上、女性 20g以上)を飲酒している者の減少」(※)を目標とし、男女合
わせた全体の目標値として 10%を設定し、健康づくりの取組を推進すること
としています。
※これらの量の飲酒をしている者の減少を目標としたものです。なお、これら
の量は個々人の許容量を示したものではありません。
(参考)海外で作成されたガイドラインでは、表2にある通り、1日 20gか
ら 40g程度の飲酒量(純アルコール量)など、各国毎に異なった量も示され
ています。
(3)健康に配慮した飲酒の仕方等について
飲酒をする場合においても、様々な危険を避けるために、例えば、以下のよう
な配慮等をすることが考えられます。これらにも留意することが重要です。
自らの飲酒状況等を把握する
自分の状態に応じた飲酒により、飲酒によって生じるリスクを減らすことが重
要です。医師等へ相談したり、AUDIT(問題のある飲酒をしている人を把握す
るために世界保健機関(WHO)が作成したスクリーニングテスト。飲酒問題の
早期発見等のため、10 項目の簡易な質問でアルコール関連問題の重症度の測
定を行うものです。)等を参考に自らの飲酒の習慣を把握することなどが考え
られます。
あらかじめ量を決めて飲酒をする{32}
自ら飲む量を定めることで、過度な飲酒を避けるなど飲酒行動の改善につながると言われています。行事・イベントなどの場で飲酒する場合も、各自が何を
どれくらい飲むかなどを4の(2)も参考にそれぞれ自分で決めて飲むことが
大切です。
飲酒前又は飲酒中に食事をとる
血中のアルコール濃度を上がりにくくし、お酒に酔いにくくする効果がありま
す。
飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・
吸収できるようにする(水などを混ぜてアルコール度数を低くして飲酒をする、
少しずつ飲酒する、アルコールの入っていない飲み物を選ぶなど)飲む量に占
める純アルコールの量を減らす効果があります。
一週間のうち、飲酒をしない日を設ける(毎日飲み続けるといった継続し
ての飲酒を避ける)
毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながる可能性があります。
一週間の純アルコール摂取量を減らすために、定期的に飲酒をしないようにす
るなど配慮が必要です。
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