健康スポーツクリニック

健スポ院長通信No176について澁澤院長からあなたへ!  今回は「デュピュイトラン拘縮」についてです。  1. どんな病気?手のひらの皮膚の下にある「手掌腱膜」という組織が、異常に厚く硬くなり縮んでしまい、指が伸びにくくなる病気です。指を曲...
15/04/2026

健スポ院長通信No176について

澁澤院長からあなたへ!

今回は「デュピュイトラン拘縮」についてです。  
1. どんな病気?
手のひらの皮膚の下にある「手掌腱膜」という組織が、異常に厚く硬くなり縮んでしまい、指が伸びにくくなる病気です。指を曲げる「腱」そのものではありません。
2. 主な症状と進行
この病気は痛みがないことが多いため、放置されがちですが、数か月から数年かけてゆっくりと進行します。 
※特に薬指や小指に多く見られます。
• 初期: 手のひらに「しこり」や「くぼみ」ができます。
• 中期: しこりが上下に伸びて、太いひも状(索状物)になります。
• 後期: 指が手のひら側に曲がり、反対の手で引っ張っても伸びなくなります。
3. 原因と罹りやすい人
はっきりとした原因は解明されていませんが、以下のような方に多い傾向があります。
・高齢の男性 ・糖尿病を患っている方 ・飲酒・喫煙の習慣がある方
・家族に同じ病気の方がいる(遺伝的要因)
4. 治療のタイミングと方法
日常生活で「顔を洗うときに指が目に刺さりそうになる」「手袋がはめにくい」「ポケットに手を入れにくい」といった不便を感じたら治療の検討時期です。
治療法 特徴
酵素注射療法 固まった組織を溶かす注射治療で負担が少ないですが、2021年以降は薬剤供給中止となっており、現在アメリカでしか治療を受けられません。
針穿刺 針を使って皮膚の下で固まった組織を切ります。切っても再度繋がってしまうため、再発率は高い傾向にあります。
手術(腱膜切除術) 悪くなった組織を取り除きます。皮膚も硬いので皮弁を追加することもあります。再発のリスクが最も低い確実な方法です。
【アドバイス】
指が曲がった状態で長く放置すると、指の関節自体が固まってしまい、手術をしても完全には伸びなくなることがあります。早めの治療介入が大切です。

健スポ院長通信No175について澁澤院長からあなたへ!今回は「舟状骨骨折」についてです。1. 舟状骨とは?手首には8つの小さな骨(手根骨)が並んでいますが、その中で親指の付け根付近にある、船のような形をした骨が「舟状骨」です。骨折は若年層に...
10/03/2026

健スポ院長通信No175について

澁澤院長からあなたへ!

今回は「舟状骨骨折」についてです。
1. 舟状骨とは?
手首には8つの小さな骨(手根骨)が並んでいますが、その中で親指の付け根付近にある、船のような形をした骨が「舟状骨」です。骨折は若年層に来しやすい特徴があります。
2. 「厄介な骨折」と言われますが、なぜでしょうか?
• 見逃されやすい:転倒して手をついた際によく起こりますが、レントゲンを撮っても最初は骨折が写りにくいことがあります。小さい骨折で痛くても手首は動かせるため、本人も「ただの捻挫だろう」と放置してしまうケースが少なくありません。
• 非常に治りにくい:この骨は血行がもともとあまり良くなく、骨折が癒合しにくい部位で、骨折で血流が途絶えると、骨折部が動いてしまう偽関節になったり、骨がダメになり骨壊死するリスクがあります。治癒しないと最終的には変形関節症を引き起こします。
3. 診断
スナッフボックスと言われる部位が痛い場合にはこの骨折を積極的に疑います。レントゲンで舟状骨撮影という特殊な方法で撮影します。はっきりしない場合にはMRI検査が有効で、骨折の前段階の状態(骨挫傷)も診断できますので、治療期間を決める目安にできます。
4.治療法
保存療法(ギプス固定): ズレが小さい場合に行われます。親指を含めた広い範囲を固定する必要で、血流が悪いため6〜8週間という長期間の固定が求められることがあります。
手術療法: 最近では、ズレが小さくても早期に社会復帰やスポーツ復帰をするために、小さなネジ(スクリュー)で骨を固定する手術(右写真)が選択されることも多いです。ズレがある場合は手術が推奨されます。骨癒合が得られずに偽関節になってしまった場合は、自分の他の部位から骨を移植する手術が必要になることもあります。

健スポ院長通信No174澁澤院長からあなたへ!今回は「手関節TFCC損傷(Part2)」についてです。 <診断>まずは症状や発生時の状況を確認し、手首の回旋や尺屈(小指側への傾き)で痛みが誘発されるかなどを調べます。<画像検査>以下の検査を...
10/02/2026

健スポ院長通信No174

澁澤院長からあなたへ!
今回は「手関節TFCC損傷(Part2)」についてです。 
<診断>まずは症状や発生時の状況を確認し、手首の回旋や尺屈(小指側への傾き)で痛みが誘発されるかなどを調べます。
<画像検査>以下の検査を参考にします。
・X線(レントゲン):関節の変形などの形態、橈骨と尺骨の長さバランスなどを確認します。
・MRI検査:TFCCの損傷(断裂)の有無や部位・程度を評価するのに有効です。
・関節造影:造影剤を注入してTFCCの損傷部位を確認する方法もあります。
<治療>まずは手術をしない「保存治療」から始めるのが一般的です。
(1) 保存治療:損傷の程度が軽度から中度の場合や、発症初期に行われます。
・安静/外固定:手首の回旋や尺屈運動を制限するためのギプスまたはTFCC装具による固定を1〜3ヶ月間行い、患部の安静を保ちます。粘り強く継続することが良い結果を生みます。
・薬物療法:痛み応じた抗炎症薬(内服薬・湿布)の使用、ステロイド注射を行うこともあります。
・リハビリテーション:一定の固定期間後、手首の可動域訓練や筋力強化を段階的に行います。
(2) 手術治療:3ヶ月以上の保存治療を行っても症状が改善しない場合や、遠位橈尺関節の不安定性が強く出やすいTFCCの小窩部断裂などの場合に検討されます。
・関節鏡視下手術:小さな切開からカメラ(関節鏡)を入れ、損傷した靱帯を掃除(デブリードマン・リフレッシュ)したり、縫い合わせたり(縫合術)します。
・尺骨短縮術:尺骨が橈骨よりも相対的に長い場合などで尺骨を数ミリ短く骨切りすることで衝撃を緩和させて負荷を軽減する方法です。
★早期回復へのアドバイス★
手首の小指側の痛みの中での頻度は、尺側手根伸筋腱腱鞘炎が最も多く、TFCC損傷は名前が有名で言葉が一人歩きしている感があり、実は頻度は高くありません。ですがこれらを鑑別するのは一般整形外科でも難しく、症状が続く場合は、手外科専門医の診察を早期に受けましょう。TFCC損傷は放置すると慢性化しやすく、適切な時期に治療をしないと難治性になりかねません。適切な診断のもと、適切な装具固定を行って治癒を早めることが重要です。

健スポ通信No173澁澤院長からあなたへ!今回は「手関節のTFCC損傷(Part1)」についてです。 <TFCCとは?>手首の関節は、親指側の橈骨と小指側の尺骨、そして手根骨で構成されています。TFCC(Triangular Fibroca...
20/01/2026

健スポ通信No173

澁澤院長からあなたへ!

今回は「手関節のTFCC損傷(Part1)」についてです。
 
<TFCCとは?>
手首の関節は、親指側の橈骨と小指側の尺骨、そして手根骨で構成されています。TFCC(Triangular Fibrocartilage Complex)は三角線維軟骨複合体の略で、この橈骨と尺骨と手根骨の3つの間にある、靭帯と線維軟骨の複合体のことです(右図)。
<TFCCの主な役割は?>
①手首の安定性の保持:特に遠位橈尺関節を安定させ、手首の回旋(ひねる動き)をスムーズにします。
②衝撃の吸収と応力の伝達:手首にかかる力を分散し、衝撃を和らげるクッションのような役割をします。
※TFCCにダメージを受けて損傷すると、手首の小指側に痛みや不安定感が生じます。特に手首をひねる(回旋)動作で強い痛みを感じます。例えば、ドアノブを回す・タオルを絞る・重いものを持つ・キーボード操作や車のハンドル操作などです。また手首が抜けるような感覚(不安定感)や、動かす際にカクカク、またはポキッという有痛性クリック音を伴うこともあります。
<原因は?>
TFCC損傷は、主に外傷性と変性の2種類に分けられます。
📌 外傷性損傷
• 転倒:手をついて手首を強くひねったり、反らしたりした際の強い衝撃で生じます。
• スポーツ外傷:野球のバッティング、テニスやゴルフのスイング、体操など、手首に強い負荷や繰り返しひねる動作が加わることで生じます。
📌 変性損傷
• 加齢:組織が徐々に劣化し、自然にまたは小さな負荷で損傷しやすくなります。
• 尺骨突き上げ症候群:橈骨に比べて尺骨が相対的に長い(尺骨プラスバリアンス)場合に多く、手首を動かすたびに尺骨がTFCCにぶつかり、繰り返しダメージを与えることで生じます。
※次回はとしてTFCCの診断や治療について予定します。

健スポ通信No172澁澤院長からあなたへ!今回は「キーンベック病」についてです。○手首の中央にある月状骨(げつじょうこつ)という小さな骨の血行が悪くなり、骨が壊死して、徐々に変形・潰れていく疾患です。別名「月状骨軟化症」とも呼ばれます。明確...
08/12/2025

健スポ通信No172

澁澤院長からあなたへ!

今回は「キーンベック病」についてです。
○手首の中央にある月状骨(げつじょうこつ)という小さな骨の血行が悪くなり、骨が壊死して、徐々に変形・潰れていく疾患です。別名「月状骨軟化症」とも呼ばれます。
明確な原因は不明ですが、以下のような要因が関わっていると考えられています。
・手首への繰り返しの衝撃や負荷(職業的・スポーツなど青壮年期の男性に多い。)
・解剖学的要因として、前腕の骨である橈骨と尺骨の長さの不均衡(特に尺骨が短いタイプ)で月状骨にかかる圧力が大きくなることも考えられています。

・過去の手首の怪我・骨折の影響も稀にあります。
○初期は症状が軽いですが進行すると手首の中央あたりの痛み、手首の動きの制限、握力の低下、腫れなどの症状が現れます。
○診断はレントゲン検査をまず行い、変形が始まっている段階では硬化や変形、圧壊像を確認できますが初期では異常が見られないこともあり、この際にはMRI検査で初期の血行不全や骨壊死の状態を詳しく確認することができます。
○治療方針は疾患の進行度、症状の程度、年齢などによって異なります。放置すると進行し、関節全体に影響を及ぼすため、早期の専門的な治療が重要です。
・保存的治療は初期や症状が軽い場合に行います。ギプスやサポーターなどで手首を固定し、月状骨への負担を減らし、血行の改善を試みます。
・手術的治療は保存療法で改善しない場合や病期が進行している場合に考慮されます。
橈骨短縮骨切り術:月状骨への圧力を減らす手術であり、橈骨を数㎜切除して短くすることで、月状骨にかかる圧力を軽減し、血流の回復を促します。
血管柄付き骨移植:血行を再建する手術であり、血管を付けた骨を月状骨に移植し、骨内の血行を改善します。
月状骨摘出術:壊死が進んだ月状骨を摘出し、腱を丸めた腱球を挿入してクッションやスペーサーとするものです。

★キーンベック病は変形が進行する前に治療する必要があり、早期に手外科医の診察を受けることが重要です。

健スポ通信No171澁澤院長からあなたへ!今回は「強剛母指」についてです。  強剛母指(きょうごうぼし)は、主に乳幼児の親指の第一関節(指先に一番近い関節)が曲がったまま伸びない状態を指します。1. 症状• 親指の第一関節が曲がったまま伸び...
10/11/2025

健スポ通信No171

澁澤院長からあなたへ!

今回は「強剛母指」についてです。  
強剛母指(きょうごうぼし)は、主に乳幼児の親指の第一関節(指先に一番近い関節)が曲がったまま伸びない状態を指します。
1. 症状
• 親指の第一関節が曲がったまま伸びない:自分でも伸ばせず、他の人が伸ばそうとしても抵抗があって伸びません。
• 乳幼児の場合、この状態自体を痛がることはほとんどありません。
2. 原因と病態
• 先天性のようですが、原因ははっきりとは分かっていません。
• 親指の付け根にしこりを触れます。親指を曲げる屈筋腱が通るトンネルである腱鞘の入口あたりでしこりを作るように太くなっており、トンネルを通り抜けられなくなることで起こります。
3. 診断
• 生後3ヶ月以降になって、親御さんが親指を伸ばさないことに気づくのが一般的です。
• 親指を伸ばそうとしても伸びないこと、しこりを超音波検査で確認して診断できます。

4. 治療
• 軽度の場合には自然治癒することがあるため、しばらく経過観察することがあります。
• 親指を可能な範囲で伸ばした状態に保つ装具を当てて治療することもよい手段です。これは太くなった腱を靱帯部に少しでも入れようとすることで、成長と共に比較的硬い靱帯性腱鞘が伸びて広がる効果があるためです。
• ある程度の年齢(就学時前)になっても改善しない場合は手術を検討します。あまり放置しておくと腱が短めに成長してしまい、体が大きくなってからの手術ではひっかかりが取れても指が伸びにくい状態が残る可能性があります。手術は狭くなった腱鞘を切開して腱がスムーズに動けるようにします。

澁澤院長からあなたへ!今回は「ケナコルトA(トリアムシノロン)注射剤」についてです。  ケナコルトA(一般名:トリアムシノロンアセトニド)は合成副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)の一種で、特徴として、強力な抗炎症作用・抗アレルギー作用・免疫抑...
14/10/2025

澁澤院長からあなたへ!

今回は「ケナコルトA(トリアムシノロン)注射剤」についてです。  
ケナコルトA(一般名:トリアムシノロンアセトニド)は合成副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)の一種で、特徴として、強力な抗炎症作用・抗アレルギー作用・免疫抑制作用を持ちます。主な使用用途として整形外科領域では関節や腱の炎症に注射剤として多用することが多く、皮膚科/耳鼻咽喉科/アレルギー領域でも用いられています。

①腱鞘内注射の作用:個人差や炎症状態にも左右されますが、持続時間が長いタイプであり数週間から数ヶ月に及びます。これは結晶性の懸濁液であるため腱鞘内に留まりやすく、これにより作用が長く続きます。腱鞘炎では1回の注射でいったん改善することがほとんどです。ある研究では、ばね指に対して平均315日間持続したという報告もあります。注射後すぐに効果が出るわけではなく、通常は数日から1〜2週間で効果が出始め、約2週間でピークに達するとされています。長期間作用のため逆に3〜4ヶ月程度の間隔を空けないと腱が脆くなって断裂リスクが高まります。この間に再発する腱鞘炎には手術が必要と考えます。

②関節内注射の作用:個人差や疾患の状態にもよりますが、一般的には数週間から数ヶ月間効果が持続するとされています。1回の関節内注射により数週間から数ヶ月間、痛みの軽減が見られることが多く、変形性関節症の疼痛緩和に関しては、プラセボ(偽薬)と比較して最長で4週間程度の短期的な有効性が確認されたという報告もあります。

このように整形外科診療においては根治治療ではないものの、抗炎症効果を期待してケナコルト注射を頻用しておりますが、薬品を製造販売する唯一の米国製薬会社において、数ヶ月前から海外の新製造ラインの適格性評価に関連した調査対応が長期化しており、出荷が限定的となってしまいました。現在の診療にて使用困難な状況となっています。
2025/10/01付の製薬会社からの情報によると暫定的な措置として、旧製造ラインを用いて製造を行い、10 月より段階的に出荷量を増加する手立てを講じるとのことですが、新製造ラインが稼働するまで当面は限定出荷を継続するとのことです。これまで行っていた疼痛軽減のためのケナコルト注射がもう暫くの間は制限されてしまうことになりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

健スポ通信NO169澁澤院長からあなたへ!今回は「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」についてです。肘部管は肘の内側にある靱帯性のトンネルで、そこを走行する尺骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりすることによって生じる神経障害です。圧...
09/09/2025

健スポ通信NO169

澁澤院長からあなたへ!

今回は「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」についてです。

肘部管は肘の内側にある靱帯性のトンネルで、そこを走行する尺骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりすることによって生じる神経障害です。
圧倒的に男性に多く、力仕事・スポーツなどで肘に負担がかかる人に多く見られます。
症状は神経の圧迫状態により段階的に進行することが多いです。

<初期>小指と薬指の一部(小指側半分)にしびれや感覚の麻痺が生じます。
<中期>しびれや麻痺が持続的となり、ボタンかけ、箸を使うなどの細かい動作がしにくくなります(巧緻運動障害)。
<後期>手の中の筋肉が痩せて来て、握力が低下します。指が曲がったままの状態(鷲手変形)になることがあります。

肘部管症候群の原因は多岐にわたります。
・外的要因:肘を酷使するスポーツ(野球、柔道など)や仕事(大工など)。
・内的要因:過去の骨折や脱臼による肘の変形(特に小児期の骨折)、加齢による骨の変形(男性に多い)、ガングリオンなどの腫瘤による神経の圧迫(変形がない女性に多い)など。

基本的には症状は徐々に進行していくことが多いため、治療は進行状況によって、保存療法と手術療法が選択されます。
初期段階では手術をせずに肘を安静にしたり、効果があれば神経の鎮痛剤を使用します。
症状が進行している状態では自然改善が期待できないため、神経回復と進行予防のため手術が必要となります。手術の基本は単純除圧術(尺骨神経を圧迫している靭帯を切除して、神経の通り道を広げる)だけでよいという一定の見解がありますが、前方移行術(神経が骨の圧迫を受けない所へ移動させる手術)を追加するとより効果的です。
術後の神経回復には少なくとも1-2年待つ必要があります。進行していると神経の圧迫を解除しても回復が難しくなるため、小指や薬指にしびれを感じた場合は、早めに整形外科を受診することが重要です。

健スポ通信No168澁澤院長からあなたへ!今回は「肘内障」についてです。乳幼児に特有の肘の怪我で、「肘が抜けた」とも言われます。肘関節を構成する骨の一部である橈骨頭が、これを囲む輪状靭帯からずれてしまう(亜脱臼)ことによって起こります。5歳...
11/08/2025

健スポ通信No168

澁澤院長からあなたへ!

今回は「肘内障」についてです。
乳幼児に特有の肘の怪我で、「肘が抜けた」とも言われます。
肘関節を構成する骨の一部である橈骨頭が、これを囲む輪状靭帯からずれてしまう(亜脱臼)ことによって起こります。
5歳くらいまでの子供は、この輪状靭帯がまだ発達途中のため、大人に比べてずれやすい状態にあります。成長とともに靭帯がしっかりしてくるため、6歳以降では起こりにくくなります。

典型的な受傷パターンは以下の動作です。
・大人が子どもの手をつないでいるときに、急に引っ張った。
・転びそうになった子どもを、とっさに手で引っ張って支えた。
・子どもの両手を持ってぶら下げたり、振り回したりした。
・服を着せる際や、寝返りを打った際に腕がひねられた。

症状としては、手を引っ張られた直後などに、急に痛がって泣き出します。痛みのために腕をだらんと下げたまま動かさなくなります。特に肘を曲げたり、腕を上に上げたりするのを嫌がります。腫れや変形はほとんど見られません。
診断は受傷時の状況(手を引っ張った程度で大きな怪我はないこと)と、肘を動かそうとしないことから判断できます。転んだり、手肘を打ったなどの怪我があれば、必要に応じてレントゲン検査で骨折の鑑別を行うこともあります。

治療はすぐに徒手整復を行います。回外屈曲法や回内法があります。回内法で整復されることが多い印象があります。多くの場合、整復されたときに「コクッ」というような音が感じられます。整復されればすぐに痛みがなくなり、腕を動かせるようになります。一度肘内障になるとしばらくの間は再発しやすいため、手を強く引っ張るなどの行為は避けるように注意が必要です。
時間が経ってしまうと整復が難しくなってしまうこともありますので、肘内障と疑われる場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

健スポ通信NO167澁澤院長からあなたへ!今回は「グロムス腫瘍」についてです。グロムス腫瘍は、体温調節や血圧調整に関わる「グロムス器官」という特殊な血管構造から発生する、比較的珍しい良性の腫瘍です。主に手足の指先、特に爪の下に発生することが...
08/07/2025

健スポ通信NO167

澁澤院長からあなたへ!

今回は「グロムス腫瘍」についてです。
グロムス腫瘍は、体温調節や血圧調整に関わる「グロムス器官」という特殊な血管構造から発生する、比較的珍しい良性の腫瘍です。主に手足の指先、特に爪の下に発生することが多いです(右写真)。30~50歳代の女性に多く見られる傾向があります。

グロムス腫瘍は以下の症状があり、最大の特徴は強い痛みです。
・圧痛:腫瘍部を押すと激痛が走ります。
・寒冷時の痛み: 冷たい水に触れたり、寒い環境にいると痛みが悪化します。
・爪の変形: 爪の下にできた場合、爪が変形したり、暗赤色、青紫色、白色、ピンク色などの小さな斑点が透けて見えることがあります。腫瘍が小さい場合や指の腹にできた場合は色の変化が確認できないことが多いです。

これらの症状はグロムス腫瘍の診断に役立ちます。痛みのメカニズムとしては、腫瘍内に疼痛物質である「サブスタンスP」を含む神経線維が存在することが関連すると考えられています。

<画像診断>腫瘍が小さい場合や肉眼で確認できない場合は、MRIや超音波検査が有効です。
レントゲン検査で、腫瘍による骨の圧迫や陥没が認められることもあります。
<最終診断> 切除された腫瘍の病理組織検査によって確定診断となります。
<治療>グロムス腫瘍の唯一の根治的治療は、手術での切除です。

手術は指神経ブロック麻酔下で行い、腫瘍を完全に摘出します。適切に摘出されれば、術後すぐに痛みは消失することが多いです。術後の再発は稀で通常は経過良好です。
グロムス腫瘍は自然に治癒することはありません。小さいものだと診断が難しく、グロムス腫瘍ではないかと疑ってとりかからないと、いつまでも診断されず見過ごされてしまします。
グロムス腫瘍は比較的稀なため、診療経験の多い手外科医に受診することをお勧めします。

健スポ院長通信NO166澁澤院長からあなたへ!今回は「橈骨(とうこつ)神経麻痺」についてです。ある朝、目覚めたら急に左右どちらかの手首が上がらない、力が入らない…そんな症状があれば、それは「橈骨神経麻痺」かもしれません。腕枕で寝てしまった後...
10/06/2025

健スポ院長通信NO166

澁澤院長からあなたへ!

今回は「橈骨(とうこつ)神経麻痺」についてです。
ある朝、目覚めたら急に左右どちらかの手首が上がらない、力が入らない…そんな症状があれば、それは「橈骨神経麻痺」かもしれません。腕枕で寝てしまった後などに起こることがあり、誰にでも起こりうる身近な神経の麻痺です。脳梗塞とは異なります!

橈骨神経は首のあたりから腕を通り、指先までつながっている神経です。この神経は主に手首や指を伸ばす筋肉や、前腕を外側にひねる筋肉の動きをコントロールし、手の甲側の親指・人差し指・中指の感覚も司っています。橈骨神経麻痺はこの神経が何らかの原因で圧迫されたり損傷したりすることで、うまく機能しなくなった状態です。
特徴的な症状は「下垂手(かすいしゅ)」で、手首を自分の力で反らせない(伸ばせない)、指の付け根の関節が伸びず、指をまっすぐに伸ばせない状態となります。ただし、指を曲げたり、手首を手のひら側に曲げたりすることはできます。
橈骨神経麻痺の原因は、神経が圧迫されることによるものがほとんどです。神経の走行が上腕部では後方で骨溝を走っており、外部からの圧迫されると骨に押し付けられやすい構造しています。

•睡眠中の圧迫:自分の腕を枕代わりにして寝る「腕枕」や、パートナーの腕枕で寝る(ハネムーン麻痺)、お酒に酔って不自然な姿勢で長時間眠ってしまう(サタデーナイト麻痺)などが代表的な原因です。
痺れなどの異変に気づければすぐに改善して未然に防げますが、泥酔している場合には気づかずに長時間圧迫を受けることが多い印象があります。
診断は問診と神経学的な所見で橈骨神経のみに障害が起きていればほぼ確定できます。
神経圧迫されたことで生じた場合には多くは自然に回復しますので、治療は適切な対処をしながら待つことが基本です。神経は1日に約1mmという非常にゆっくりとしたスピードで再生するため、根気強く回復を待つことが大切です。腕枕などによる圧迫が原因の比較的軽いものでは、数週間から2〜3ヶ月で自然に回復することが多いですが、泥酔して圧迫時間が長くて神経の損傷が強い場合は、回復に半年から1年、あるいはそれ以上かかることもあります。
回復するまで長くなりそうであれば、リハビリを行いつつ、手首を持ち上げて固定する「コックアップスプリント」を装着するのもよい方法です。
肘部の少し手側で橈骨神経から枝分かれする部位で発生する後骨間神経麻痺というものもあり、原因も異なるので鑑別が必要です。正確な診断を受けるため手外科専門医に相談しましょう。

住所

弥藤呉122/1
Kumagaya-shi, Saitama
360-0203

営業時間

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火曜日 08:45 - 12:00
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木曜日 08:45 - 12:00
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金曜日 08:45 - 12:00
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0485015656

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