
22/09/2025
メキシコのジャングルの奥、わずか15人しか暮らしていない小さな村。
子どもたちは毎日片道2kmを歩いて学校へ通い、電気も商店もない素朴な生活の中で、古代からの知恵が受け継がれています。
何か作って食べさせてくれましたがこちらが日本語で話しかけても返事はスペイン語。
そんな場所で、私は通訳とともに、シャーマンのサレハンドロに導かれてテマスカルを体験。
石造りのドームの中は完全な闇。
真っ赤に熱せられた石の上に、サレハンドロが5種類のハーブを一つひとつ注いでいきます。ローズマリー、セージ、ユーカリ、バジル、そして名前も知らない野生の葉。
水とともに落ちるたび「ジュッ」と音が弾け、芳しい香りが蒸気となって一気に広がりました。鼻腔を突き抜ける清涼感と、胸を圧迫するような熱気が同時に押し寄せ、体も心も試されているよう。
やがて息苦しさに耐えきれず、私はパニック発作を起こしました。
本来、闇を破ることはタブーですが、サレハンドロは蝋燭を一本灯してくれました。
その小さな光に救われ、呼吸が戻ります。
再び歌が始まり、私は彼の声を追いながら通訳と一緒に声を重ねました。
熱と闇の中で声を響かせる時間は不思議なほど楽しく、気づけば恐怖心よりも高揚感が勝っていました。
クライマックスでは、冷たい水が顔にふきかけられ、灼熱の体に鮮烈な衝撃が走り、何故かサラ寺院を思い出しました。
サレハンドロの指示に従い、自分の中に溜まっていたネガティブな感情をすべて掬い上げ、真っ赤に焼けた石に投げ入れ身体も心も軽くなった気がします。