31/03/2026
その日の搬送は、
鹿児島市内から枕崎のご自宅へ。
目的は、ただ一つ。
「家に帰ること」。
ご本人様と、娘様、そしてお兄様。
ご家族に付き添われながらの移動でした。
車内は、どこか静かで、
でも確かにあたたかい空気に包まれていました。
枕崎のご自宅に到着したとき、
その場に流れた空気は、少しだけ変わりました。
“帰ってきた”
言葉にしなくても、
そう感じられる時間がそこにありました。
そしてその後、
ご家族から一つのご希望がありました。
「少しだけ、寄りたい場所があるんです」
向かったのは、南九州市。
ご本人様にとって、ゆかりのある場所を数ヶ所。
昔過ごした場所。
思い出が残る場所。
車を止めて、外の景色を見つめる時間。
風に触れる時間。
言葉は多くなくても、
その一瞬一瞬が、とても大切なものに感じられました。
ご家族もまた、
その時間を噛みしめるように、静かに寄り添っていました。
娘様のまなざし。
お兄様の立ち姿。
そこには、長い時間を共に過ごしてきた家族の重みと、
「今、この時間を大切にしたい」という想いがありました。
私たちの仕事は、
ただの移動ではありません。
病院から病院。
施設から自宅。
それだけではなく、
「帰りたい場所」へ。
「もう一度行きたい場所」へ。
医療的な管理が必要な状況でも、
安全に、確実に。
そして、できる限りその人らしく。
この日、ご本人様が見ていた景色。
ご家族が感じていた時間。
それは、きっと何よりも価値のあるものでした。
ささやかなプレゼントとして、桜並木の美しい公園へお連れしました。
「きれい」
とご本人が声を発した瞬間、
こちらまで嬉しくなりました。
移動したいのにできない。
帰りたいのに帰れない。
そんな想いを、
少しでも叶えるお手伝いができればと思っています。
必要なときは、いつでもご相談ください。
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