10/12/2021
【「筋膜」まとめ3ー注意点ー】
前回は、様々な筋膜リリースの方法について説明してまいりました。
ここで、ほとんどの方が誤ったイメージをお持ちになるのが
「 頑固なコリには強い力が必要」という認識です。
ガッチガチに凝り固まったものをほぐすには強い力が必要な場面は日常多々ありますが、人体の場合は別です。
あらゆる筋膜リリース方法で共通する大切なこと。
それは力加減です。
力加減に注意しなければ筋膜リリースやっても、むしろ逆効果。
浅筋膜は結合組織の中でも強度の弱い疎性結合組織。
とても 傷つきやすい繊細な組織 です。
傷がつけば炎症を起こします。
痛みとして自覚がなかったとしてもです。
繰り返しの炎症は、
「線維化」を招く可能性もあります。
※「線維化」… 筋膜が別の組織に変化してしまうこと。
基本的に「線維化」は元には戻らない。
【癒着・コリを解消するのは強い力ではない】
人体は外部からの刺激に対して適応します。
常に体重のかかる足の裏は皮膚が分厚くなっていますよね。
日頃のケアとして強い力でゴリゴリやることは、筋膜自体を「分厚く」「硬く」変化させてしまう可能性も否定できません。
解剖学・生理学の観点からいえば、セルフケアとして行う筋膜リリースは 組織を傷つけないということを第一にソフトな力で行うべきです。
ゴリゴリと深部に刺激をいれるのではなく、
コロコロとやさしく皮膚に刺激をする気持ちで行いましょう。
ただし、、、
筋膜リリースは力加減が大切ですが、
組織が「線維化」して、形態の異常になってしまっている状態ですとソフトにやっても回復しません。
根本的に「線維化」を改善するには鍼や注射などで 一度 組織を破壊して
リモデリングを期待するしか方法がありません。
※ 線維化により別の結合組織に変わってしまった場合は
完全に治る可能性は高くありません。
一度 [破壊する]目的では、強い力での筋膜リリースも功を奏する可能性はあります。
ただしこれには 専門的な知識と技術が必要 です。
炎症を起こさせるのでリスクもあります。
ソフトな筋膜リリースで思うような効果が得られない場合
必ず専門家に相談してください。
以上、過去3回に分けて
「筋膜リリース」についてご説明しました。
正しい知識のもと、より効果的なセルフケアを行っていただけたらと思います。
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