16/04/2026
先日東京海洋大学にてジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会の研修会に参加してきました。
アスリートにおける内科的障害
・貧血
・低体温症とアフタードロップ現象
・熱中症
・アレルギー(アナフィラキシーと気管支喘息)
・スポーツ心臓と肥大型心筋症
・マルファン症候群
・疲労とオーバートレーニング症候群
について順天堂大学の循環器専門のスポーツDr.から講義を受講しました。
スポーツをする子供達の命を守るというテーマであった今回の講義内容を、アスレティックトレーナーとして所属しているコーチを含むチーム関係者だけでなく、選手ならびに家族の方々と共有させていただきました。
そこで、今回の内容はスポーツ選手だけでも、子供だけでもなく、命を守るため全世代に知って欲しいということもありまして、長生院のフォロワーの皆さんと共有できたらと思います。
必要な部分を抜粋し、箇条書きのようになってしまい、長文で見づらくて恐縮ですが、お時間のある時に目を通していただけたらと思います。
・貧血
トップアスリートで栄養士がついていたとしても、10%の選手に貧血が見られるとのことです。
特に女性アスリートに貧血が多いです。
アスリートにおいての貧血では口から入れる食べ物だけでカバーすることは難しいとのことでした。
原則経口鉄剤や鉄剤静注で対応するということでした。
アスリートでなくても月経過多や体質によって起こる貧血も同様かもしれません。
・低体温症とアフタードロップ現象
体の冷えが体にどう影響を与えるのか?
低体温常になるとどうなるのか?
アフタードロップとは?
関連記事がありますので、簡単な知識を皆様にも共有していただきたいと思います。
https://kodomo-bousai.net/blog/4409/
・熱中症
熱中症と脱水症の違い
熱中症とは
暑さによって体温調節機能が乱れたり、体内の水分量・塩分量のバランスが崩れることによって生じるさまざまなからだの不調のこと
脱水症とは
カラダから水分と電解質が失われた状態
* 脱水とは、体内の水分量が不足した状態
* 水分量に対して水分摂取量が不足することによって起こる
* 電解質濃度や浸透圧によって、低張性、等張性、高張性の3つに分けることができる
* 症状は、口湯・口唇の乾燥・尿量の減少・頭痛・全身倦怠感・食欲不振・めまい・嘔気・嘔吐など
* 治療は電解質を含んだ水分摂取。飲水不可であったり嘔吐・下痢がひとい場合は、点滴静注による補液。
* 暑環境では、運動中は多くの発汗により水分を多く損失するため、脱水を生じ、熱中症を生じやすい
※気温だけではなく、湿度も大事※
運動時の熱中症のかかる年齢は10歳から19歳が最も多い
統計的には特に高校一年生の男子に死亡率が多い
熱中症の原因
○熱産生の増加
○熱喪失障害
高温、高湿度
体熱放散に非効率な衣服着用
暑熱馴化されていない
脱水
低カリウム血症
衰弱
高齡
アスリートでは
不十分なレースへの準備
熱中症の既往
睡眠不足
頑張り屋
と言われていましたが、アスリートでなくても一緒かもしれません。
水分補給の目安
2%の水でパフォーマンスが低下し、体重の3%以上の脱水で体温調節が障害され、生命の危機にさらされる。
1. スポーツ開始前(1-2時間前)に500M程度の水分を摂る
2. スポーツ実施中には15~30分ごとに水分を摂取する
3. スポーツ開始前と実施中とで失われる水分の80%を補給し、残りはスポーツを終了した後に補う
4. 水温は5~15°Cが飲みやすい
5. (0.2%程度の食塩と、糖分を3%から5%程度含むものが適当)
※水分補給は運動時だけでなく運動前からが大切※
熱中症発症時の対応
熱射が疑われた時は・・・
◆氷水浴/冷水浴による全身冷却
◆水道水散布法
◆ 冷房最強部屋での安静
・アレルギー(アナフィラキシーと気管支喘息)
アナフィラキシーショックの原因
■食物:卵、乳製品、小麦(エビやカニナッツ類、果物(キウイ、バナナ、桃など)、そば
■薬物:抗生剤、アスピリン、非ステロイド抗炎症薬、ラテックス、造影剤
■ 虫刺傷
ハチ、蟻
■その他:ハムスター咬傷、
食物依存運動誘発
アナフィラキシーへの対応
アナフィラキシーの症状が出た場合は、即座に
119番通報し、救急車を呼ぶ
1. 緊急の注射薬(エピペン)を打つ
2. 文部科学省や厚生労働省通達�この場合の注射は医師法には触れない
過去にアレルギー反応がでていなくても急にアナフィラキシーを起こすことがある
気管支喘息
子供に多く、重積発作では、高度の呼吸困難を伴い、 しばしば長年にわたり(時には一生)、 患者本人のみならず、家族全体を巻き込むことがある。
症状:1)頑固な咳、2)喘鳴(ぜいめい)、3)呼吸困難
運動によって誘発される喘息
頻度:運動選手の3-5%
気管支喘息が重症な患者
喘息発作がコントロールされていない患者
強度が高い運動を持続する場合
冬季・乾燥した環境
肺機能低下:運動終了5-10分、通常20-30分で回復(遅発性3-9時間後)
過去気管支喘息と診断されて、今は症状が落ち着いて治療をしていなくても、運動によって症状がぶり返すことがあるとのことです。
だからといって運動をやめるというのではなく、プロの選手でも受診をしてコントロールすることで選手として続けていけるとのことでした。
・スポーツ心臓と肥大型心筋症
スポーツ心臓とは
運動トレーニングによって起こった心筋肥大や心腔拡大
ただのスポーツ心臓であればスポーツを辞めたら半年~1年で元に戻る
症状はなく、治療の必要もない
しかしスポーツ心臓に隠れて肥大型心筋症があり、胸部X線だけでなく心エコー検査が必要
・マルファン症候群
大動脈、骨格、眼、肺、皮膚、硬膜などの全身の結合組織が脆弱になる遺伝性疾患
日本には、約40,000人(5.000~10,000人に1人)
高身長、長四肢、長指趾が特徴的
マルファン症候群は突然死を来すことがある疾患です。
その原因のほとんどが「大動脈解離、大動脈瘤破裂」
心大血管疾患のメディカルチェックが重要とのことでした。
突然死を生じさせてはいけない!
○そのためには、ハイリスクは避けるべき
○早期発見、早期治療すべき
○本人も家族もメディカルスタッフも、もっと病気について知るべき
・疲労とオーバートレーニング症候群
オーバートレーニング症候群とは
○過剰なトレーニングによって競技成績が低下し、容易には回復しなくなった状態
○トレーニングによる疲労と回復のアンバランスによる適応不全
最後に
アスリートをサポートするうえで、整形外科分野に関する知識はもちろん、内科的障害に関する知識も重要であり、内科的スポーツ医学では、突然死予防、メディカルチェック、コンディショニングが重要。
突然死予防のためには、選手、家族のみならず、指導者やメディカルスタッフにも知識の啓発が重要。
メティカルチェックの重要性を再認識する必要があり、突然死予防のために積極的な心エコーの実施がすすめられる。
アスリートにおいて、貧血やアレルギー疾患、熱中症への対応は重要である。さらに、コンティショニングには疲労の評価が欠かせず、主観的評価のみならず、客観的評価も行うことが、オーバートレーニングを予防し、高いパフォーマンス発揮へ繋がる。
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私が学んでいるスポーツを行う子供達の身体のメンテナンスでも特に心臓の反応を見ることを指導されます。
勿論スポーツ選手だけでなく、一般の方でもまず心臓への負担を確認した後、調整を行っています。
何故ならば人によって強い刺激、バキバキと鳴らすアジャスト、強くなくても背中の刺激は一瞬体が軽くなるかもしれませんが、それはエナジードリンクと同じで、交感神経を高めて元気の前借りをしている状態だからです。
ちなみに左下横寝ばかりで寝ている状態は疲れた心臓を庇っている可能性があり、うつ伏せ寝も同様です。
使い過ぎた臓器に緊張が現れると、その緊張をくつろがせるため体は無意識に偏った姿勢をとります。
偏った姿勢は上下左右のバランスを崩して、持って生まれたスムーズな動作や体の連動を阻害します。
連動しなくなった体は、特定の部分ばかりを使うようになり、一部の筋肉の負担が大きくなってしまうのです。
全体を使って動かしているように思っていても、負担のかかるところはいつも同じ場所。
縮んでばかりいる筋肉に痛みが出ることもありますし、伸び縮みしないことで、関節など骨格を支えることができなくなり、故障へと繋がります。
先天的な要因が内科的障害と関わっていることもありますが、それらは突然起こることばかりではありません。
必要以上に心配することはいらないですが、自分に不調を覚えた時、その不調はどこからきて、どうやってリカバリーさせるかを考えてあげることは、どなたにも必要なことであると思います。