
24/09/2025
■第23回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術集会参加のご報告
2025年9月20日、タワーホール船堀にて開催された第23回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術集会(https://rmcm23.umin.jp/)のパネルディスカッション「在宅医療、介護と医療安全」におきまして、悠翔会在宅クリニック春日部院長の池邉太一が「在宅医療におけるインシデント366件の統計学的解析と安全管理戦略~職種別傾向と教育的アプローチの必要性」(池邉、稲垣知博、西田祥子、横田泰洋、宮武晋治、佐々木淳 いずれも医療法人社団悠翔会)について発表いたしました。
池邉は、当法人副理事長として品質管理を担当しています(Chief Quality Officer)。
悠翔会では、在宅医療領域におけるインシデントの発生動向を明らかにし、再発防止策構築のための基盤的知見を得ることを目的に、2024年5月よりGoogleフォームによるインシデントレポートシステム運用を開始しています。今回の研究では、2025年8月までに収集したインシデントレポート366件を対象に、発生頻度、職種別傾向、影響度分類等との関連を統計学的に解析しました。
その結果、最多だったのは処方箋関連エラーであり、書類処理エラー、準備不備が続きました。報告者の過半は看護師で、経験年数3年未満に偏在していました。発生は週後半および業務ピーク時に集中することや、職種とインシデント種類との間に強い関連があることも明らかになりました。影響度は大多数が軽度でしたが、一部にレベル3以上の重大事例が存在しました。
在宅医療におけるインシデントの主因は、情報管理・処方・書類処理に集約され、繁忙期の業務負荷および職種特性が関与していることから、プロセス標準化、業務平準化、職種別教育の体系化が再発防止に資すると考えます。
生活の場で行われる在宅医療・介護領域のリスクマネジメントを通じて、患者さん・ご家族の安心安全を守るのはもちろんのこと、地域の多職種の方々、そしてわたしたちスタッフ一人ひとりに還元できる取り組みを進めてまいります。
第23回日本臨床医学リスクマネジメント学会学術集会
<プログラム・抄録集 ダウンロードのご案内> プログラム・抄録集をアップロードいたしました。 *9月12日に修正版(Ver.3)を掲載いたしました。 今回も前大会と同様、PDF版の発行となります。こちらよ....