14/11/2025
<11月14日は世界糖尿病デー>
〜藤原道長に学ぶ糖尿病〜
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」
今から千年ほど前、平安貴族の藤原道長が晩年に詠んだ和歌です。
道長は平安時代の華やかな貴族文化を象徴する権力者として有名で、「源氏物語」の主人公:光源氏(ひかるげんじ)のモデルになったという説もあります。
権勢を極めた道長ですが、万寿4年12月4日(西暦1028年)に62歳でこの世を去りました。当時の平安貴族の一般的な寿命から考えれば決して短命ではありませんが、持病に関して興味深い考察があります。
記録が残るうちで日本最古の糖尿病患者といわれており、糖尿病が原因で亡くなったという説が濃厚です。
<なぜ道長が糖尿病だったと分かるのか?>
現代では主に血液検査で糖尿病を診断します。しかし、平安時代にそのような検査はありませんでしたし、糖尿病という概念自体が確立していませんでした。では、なぜ道長が糖尿病だったと考えられているのでしょうか。
実は道長が訴えていた不調が、まさに糖尿病の症状そのものだったのです。その症状が藤原実資(さねすけ)の遺した日記「小右記(しょうゆうき)」や、道長自身の日記「御堂関白記(みどうかんぱくき)」に記されています。どのような症状が記載されていたのかをまとめると次のようになります。
【道長にみられた症状】
🔵喉が乾いて大量に水を飲む
🔵痩せてきて体力がなくなった
🔵目が見えなくなった
🔵背中に腫れ物ができた
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「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」 (この世は自分のためにあるようなものだ 満月のように何も足りないものはない) 今から千年ほど前、平安貴族の藤原道長が晩年に詠んだ和歌....