19/11/2025
母の手を握りながら、ただ母と一緒にいる。
母のぬくもりを感じながら、ただ一緒にいる。
それだけで、ひたすら嬉しかった。
お母さん、産んでくれてありがとう。
育ててくれてありがとう。
一緒にいるからね。
また、みんなで会おうね。
お母さんからもらった命を全うしたら、
僕も行くから待っててね。
母の両手を私と妹が握りしめていると、
幼い頃の記憶がよみがえってきました。
寒い冬空の中、3人で手をつないで、
田舎道をとぼとぼ歩いていたこと。
母と手をつないでいるだけで幸せだった。
母熊の後をついていく子熊たちのイメージとなぜか重なって、ああ、母も妹も、
一緒に幸せを感じていたのだな、と嬉しくなりました。
妹は30時間以上、
一睡もせずに母親に寄り添っていました。
母の手を握り、母の額の汗を拭きながら、
ずっと母に話しかけていました。
呼吸困難の母は、酸素吸入しながら、
かすかに頷いたり細く目をあけようと
したりして、妹や私に返事をしてくれました。
実は母親と妹にはちょとした感情のすれ違いがあって、それは3年前に他界した
父親の悩みの種でもありました。
最後の最後に二人は和解することができました。
互いに愛を確かめ、愛を取り戻すことができました。もつれた糸がほぐれていくように。
その様子を目の当たりにして感動しました。
あの世の父が導いてくれたのかもしれません。
3年前に父がお空に還った時はコロナ禍でもあり、私も妹も父を看取ることは
できませんでした。
今回、母親の看取りの時間をいただけたこと、
本当にありがたいことだと思いました。
お母さん、あの世でゆっくり休んでくださいね。
お母さんの息子であることが私の誇りです。
私も妹も、お母さんを選んでよかったよ。
産んでくれて、育ててくれて、
ずっと見守って愛してくれて、
本当にありがとうございます。
また会いましょうね。
荻久保監督メルマガより
ご冥福を心よりお祈り申し上げます