20/11/2025
ADHD症状は学校での学習にどのような影響を与えるか?
― 子どもの「苦手さ」を理解し、支援につなげるために ―
(名古屋市千種区・児童精神科専門クリニック 和光医院)
■ ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症)は、注意のコントロールや衝動の調整が難しくなる発達特性です。
主な症状は次の3つに分けられます。
不注意(集中しづらい・気が散りやすい)
多動(じっとしていられない・体が動いてしまう)
衝動性(考える前に行動してしまう)
これらの特性は、本人の努力不足ではなく、脳の発達のバランスや神経伝達の働き方の違いによって生じるものです。
そのため、環境や周囲の理解によって、学習への影響を大きく軽減することができます。
■ 学校での具体的な影響
① 集中力の持続が難しい(不注意傾向)
ADHDの子どもは、授業中の注意を維持することが難しいことがあります。
興味のある科目や先生の話には集中できますが、
そうでない内容では頭の中が別のことに切り替わってしまうことがあります。
ノートを書き写す途中で別のことに気が散る
宿題の指示を聞き漏らす
板書の一部が抜け落ちる
テストでケアレスミスが多い
このような状況が続くと、「集中していない」「怠けている」と誤解されやすいのが現実です。
しかし、実際には本人も「集中したいのにできない」苦しさを感じていることが多いのです。
② 落ち着きがなく、授業に集中できない(多動傾向)
授業中に体が動いてしまう、筆箱をいじる、席を立つといった行動は、
「悪気のない行動のコントロールの難しさ」が背景にあります。
授業中に立ち歩く・話しかける
体を揺らす・足をバタバタさせる
休み時間との切り替えが難しい
体を動かすことで緊張を和らげている場合もあり、
「やめなさい」と叱るより、短時間の動作や休息を取り入れる環境調整が効果的です。
③ 思いついたことをすぐ口にする(衝動性)
衝動性が強いと、つい思ったことを口にしてしまったり、
順番を待つことが難しい場合があります。
授業中に先生の質問に割り込んで答える
友達とのトラブル(からかい・口論)が多い
集団でのルールを守るのが難しい
本人に悪意があるわけではなく、思考と行動の間に“ブレーキ”をかける機能が未成熟なためです。
トラブルが続くと自信を失い、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
■ 学習面でよく見られる困りごと
項目 困りごとの例
注意・集中 授業内容を聞き漏らす、問題文を最後まで読めない
作業スピード 宿題やテストの時間が足りない、提出物を忘れる
記憶・整理 教科書やプリントをなくす、連絡帳を正確に書けない
読み書き 書き間違い、読み飛ばし、数字の桁を入れ違える
感情・行動 失敗するとすぐ諦める、怒りやすい、泣きやすい
これらの困難は、知的能力とは関係がなく、情報処理や集中のスタイルの違いによるものです。
適切な支援を受けることで、成績や学校生活は大きく改善していきます。
■ 支援・対応の工夫
学校でできるサポート
机を前列や壁側に配置し、刺激を減らす
指示を「短く・具体的に」伝える
チェックリストやタイマーで見通しを立てる
できたことを具体的に褒める(「ちゃんと聞けたね」「最後までできたね」)
静かな環境でテストや課題に取り組める配慮
家庭でできる工夫
宿題の時間を短く区切る(15〜20分ごとに休憩)
片づけを一緒に練習し、ルール化する
成功体験を積み重ねて自信を育てる
ミスを責めず、「どうすればできるか」を一緒に考える
■ ADHDの子どもたちの強み
ADHDの特性は「困りごと」だけでなく、大きな強みにもつながります。
興味のあることへの集中力が非常に高い(ハイパーフォーカス)
アイデアが豊かで発想力がある
行動力があり、感情表現が豊か
直感的な判断や創造的な思考が得意
このような長所を生かすことで、学業以外の場面でも才能を発揮することが多くあります。
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