
25/08/2025
ならまち月燈が【女性のケア】を大切にする理由
8月の最終週。
まだまだ暑い日は続いていますが、つい最近までみんみん蝉や、あぶら蝉の大合唱だったのが、つくつくぼうしに置き換わってきて、夜になると秋の虫の声が聴こえてくるようになりました。
猛暑とエアコンが効いた室内との往復で、ただでさえ自律神経がヘトヘトな女性がた、無事に健やかに秋を迎えるご準備はできているでしょうか?
私はお盆休みのあと、発熱して寝こんでおりました。
もともと自己免疫疾患体質というのか、無理をしては寝こむ・・というのは、定例のことです。
思い当たることは、お盆休みで、普段は別に暮らしている息子家族や夫の妹家族が帰ってきていたことです。
息子には1歳と3歳の孫がいて可愛い盛りです。
夫の実家のすぐ近くに自宅がありまして、息子家族は自宅に、夫の妹家族は実家に滞在していました。
私は長男の嫁として、家事を一手に引き受けて働いた…というわけでは全くありません。
ほとんど、外で買ってきたものを食べたり、外食したりで、洗濯や掃除もいつも通りだったのです。
再婚である私を気遣って…ということもあり、もともととても温かい家族であるということもあり、その時は自分自身でも噓偽りなくとても愉しんでいたのです。
でも皆が帰った後に、ドッと疲れが出たのを自分でも隠しようもなく自覚しました。
もともと、自分が一人っ子で育ったこともあるだろうし、永らくシングルマザーで、息子と二人暮らしだったということもあると思いますが、自分の時間は自分が主体的に決め、自分のために使っていました。
今回は自分のペースでいられないことがしんどかったのだと思います。
誰に命じられたわけでもなく、勝手に嫁として、妻として母として、頑張り過ぎて、勝手に疲れているわけです。
元々が役割期待を過剰に果たそうと演じるタイプです。
みんなにいい顔をしたい。
普段は夫と犬と静かに暮らしています。
自分が寝たい時間に寝て、起きたい時間に起きます。
読みたい時に本を読み、在宅でできる仕事は自分の好きな時間に好きなだけします。
そういうペースが一時的にでも狂うと、なにかこころとからだのバランスが崩れるのでしょう。
氣が消耗して、減っているのを如実に感じました。
それでなくても、自分の老親の介護度が上がるにつれ、病院通いやケアマネさんとのやりとり、買い物などで、自分の時間は減っています。
そしてどんなに頑張ったところで、そこでは誰も評価してくれません。
子が親をみることは当たり前…という価値観から、私も親も自由ではありません。
「ならまち月燈」にいらして下さる女性のお話をお伺いしていても、家庭の中でケアを担っている方はとても多いです。
子育て、介護はいうに及ばず、夫の機嫌をとる・・というようなことももちろんケアです。
職業上でもケアワーカー、対人支援職である方がとても多い。
そんな女性は、ご自分を満たすケアをどこかで受けることができているのでしょうか?
東洋医学には、補瀉という概念があります。
身体には、氣・血・水が循環していて、多すぎても少なすぎてもよくないので、足りないものは補い、多すぎるものは瀉する必要があります(瀉は排出、解毒というような意味です)
そして、常に中庸を目指す動的平衡の状態が理想とされます。
自分に使うべき氣を、誰かにあげてしまうと氣虚となります。
本来、元気な状態であれば、いくらでも氣は湧いてくるのですが、いったん氣虚となると、なかなか自分では補いがつきません。
そういうときに、東洋医学では鍼やお灸、漢方、指圧といった方法を用いて、氣を補うのです。
セルフケアという言葉がありますが、セルフケアでできることとできないことがあります。
専門の臨床家によるケアは、足りない氣をしっかりと補ってくれます。
私の場合は、指圧によるケアが一番、氣を補ってくれると感じています。
温かい言葉をかけてもらうこと。
名もなき貢献を、ちゃんと承認してねぎらってもらうこと。
安心して、こころとからだを開ける場であること。
そのうえに、温かい優しい、いたわりに満ちた手をあててもらうだけで、じわ~っと人の情が沁みわたり、ささくれだったこころを潤してくれるのです。
鍼灸や指圧は、こころとからだの【セラピー】ですが、
まずはこころとからだを【ケア】することが大切だと考えています。