14/11/2025
朝夜と一気に涼しくなりましたね。
秋!と言えば何を思い浮かべますか?
今回は芸術の秋!と言う事で「音楽」についてです。
音楽の力ってとても凄い力があります。
音楽療法をご存知ですか? みなさんも、音楽に合わせて踊ったり、歌に涙したり勇気付けられたり、 また懐かしい曲によってその当時にタイムスリップされた経験があるのではないでしょうか。 音楽には私たちの心や精神、身体や認知に働きかける力があります。
音楽は古代エジプトやギリシャ、中世ヨーロッパでは医療の一環として組み込まれ、ルネッサンス・バロック期においては、音楽と医療の総合的な治療が行われるほど、なくてはならない存在でした。
第二次世界大戦後には急速に実践や研究が進み、そして現代、音楽療法は多様な領域において臨床研究結果をベースに、世界中の医療・福祉・心理・教育の現場で行われ、効果を上げている臨床行為の1つになりました。
音楽療法では、対象者が必要とするケアを行うため、音楽を聴く・奏でる・創る・語るなどの方法を用いて、「音楽の持つ働き」で最善のサポートを目指すものなのです。
また、認知症の方にも音楽療法を取り入れてる所もあります。
認知症は神経内科疾患の中ではとても頻度が高い病気ですので、身近に認知症の人がいて、認知症の患者さんやその家族が抱えている苦労や問題を実感されている方も多いのではないかと思います。
認知症の症状には中核症状(記憶障害や理解力・判断力低下、問題解決能力低下など、大脳機能の低下そのものが原因で起こる症状)とBPSD(中核症状から二次的に出現する精神症状や行動異常で、幻覚、妄想、うつ、不穏、興奮、徘徊など)とがあります。認知症が進行するとできないことがだんだん増えていきますが、それとともにこのBPSDが起こると介護者を悩ませ、患者さん自身は不安定になり、自宅で生活することが難しくなります。
このような認知症の症状に対していろいろな非薬物療法が試みられていますが、音楽療法もそのような試みの一つです。
音楽の持つ作用を治療の中に用いて効果を得ようとするものです。音楽を聴くとリラックスできる、活力が出てくる、自然に体が動く、音楽を聴くと曲にまつわる過去の記憶が鮮やかによみがえる、このような誰もが経験しているような音楽の作用を治療に用います。認知症に対する音楽療法の効果は国内外の治療研究で示されており、特にBPSDに対して効果があると報告されています。
必ずしも音楽にこだわらず、ご本人が好きなこと、得意とすること(演奏・絵を描く・踊る・映像を観る等)も積極的にやってみるといいですね。