07/12/2022
回外筋の損傷で土踏まずが浮く
主訴は、ピアノを弾く際に左肩周辺が不安定で特に左腕を内転させることが不安定。
左上腕三頭筋長頭の打撲による古傷が影響して、元々左腕の操作には不安定さを抱えていたが、今回はいつも以上に不安定だということ。
状態としては左広背筋と外腹斜筋がこわばっていて、大腰筋―大内転筋がゆるんでいて、本人の自覚としては左下腹部から股関節にかけての深部(おそらく大腰筋)が無感覚で動かすことができそうもない感じ、とのこと。
その他の症状としては、左足の土踏まず(母趾中足骨と内側楔状骨)が浮いて、短母趾屈筋が強くこわばり、重心が小趾側に偏るので、四趾中足骨や中間楔状骨、外側楔状骨が固まったようになっている。おそらく立位でそこから力が抜けない状態と予想できる。
短母趾屈筋のこわばりと四趾の骨間筋のこわばりは共に薄筋のこわばりに繋がり、それによて大内転筋―大腰筋―大菱形筋がゆるんだ状態になるので、その影響は左肩~左腕の不安定さに繋がると考えられる。
また、外腹斜筋―前脛骨筋とこわばっていたが、大胸筋と上腕二頭筋短頭がゆるんでいたことがその原因であった。
薄筋のこわばりは小胸筋と小菱形筋のこわばりに、大菱形筋のゆるみ過ぎは大円筋のこわばりを招き、大胸筋のゆるんだ状態は左上腕を外旋状態にするため広背筋もこわばってた可能性が考えらる。
最終的には回外筋の停止部に損傷によるゆるみ過ぎ状態があり、それが大元の影響部であった。回外筋がゆるんでいることによって肘は回内状態になり、上腕二頭筋長頭がこわばって外腹斜筋―前脛骨筋のこわばりを招き、母趾中足骨と内側楔状骨を引き上げる状態を招いていた。
この状態は必然として小趾側に重心が乗ってしまう結果を招くが、それによって左四趾の骨間筋などが強くこわばってしまったようだ。
そして左四趾の骨間筋こ強いこわばりは大内転筋―大腰筋のゆるんだ状態を招き、立位や歩行時に股関節の内側に力が入らない状況の原因となっていた。そして左肩の不安定さの原因になっていた。
回外筋のゆるみ過ぎ状態のところを修正することで上腕二頭筋短頭がしっかりすると共に、上記の幾つかの状況は改善した。