
01/09/2025
こんにちは、東部典礼/岡山典礼会館の片岡です。
もうすぐ「秋分の日」
この時期になると、よく耳にするのが「お彼岸」です。
「春のお彼岸と秋のお彼岸って、毎年あるけど、結局なんなの?」と、
実は詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今日はそんな“お彼岸の雑学”を、ちょっと葬儀社としての知見を交えて、
ご紹介したいと思います。
◆「暑さ寒さも彼岸まで」ってほんと?
さて
昔から日本では「暑さ寒さも彼岸まで」と言われています。
これは、ちょうど春分・秋分の日を境に、季節が大きく切り替わるから。
人間の体感って、このあたり正確に出来てるらしく、まさに「ご先祖さまが、季節のリズムをちゃんと教えてくれているのかも?」なんて言われてきました。
ただ、夏の暑さが年々増していく現代では、
「まだまだ暑い!!!」とエアコンの場所から出たくないですよね。
昔は気がつけば夜は涼しい風が吹き、虫の声が響く。
と言われてましたが、今じゃどうなんでしょう・・。
◆なぜ「お彼岸」はお墓参り?
お彼岸は仏教の教えに由来しています。
「彼岸」とは、悟りの世界のこと。
「此岸(しがん)」は、私たちが生きている現実の世界。
つまり、お彼岸は「此岸から彼岸へ想いを馳せる」特別な期間なのです。
しかも、この期間は“太陽が真東から昇り、真西に沈む”という特別な天体の動きと重なります。
これは、仏教の世界観では、西に極楽浄土があるとされているため。
この時期は極楽がいちばん身近に感じられるみたいで、
だからこそ「ご先祖さまを想う」「お墓参りをする」という風習が根付いたんですね。
◆おはぎとぼたもちの違い、知ってますか?
お彼岸といえば「おはぎ」。
私片岡も大好きです。
スーパーや和菓子屋さんの店頭でもよく見かけますよね。
ここで、ちょっとした雑学。
実は「おはぎ」と「ぼたもち」は同じものです。
違いは『季節』
春のお彼岸は“牡丹”の花にちなんで「ぼたもち」、
秋のお彼岸は“萩”の花にちなんで「おはぎ」と呼ぶのです。
しかも、小豆の赤色には魔除けの意味があるため、ご先祖さまへの供養にぴったり。
僕も甘いものには(和菓子は特に)目がありません。
そんな自分にとっては「これは供養だから!いいの」という立派な言い訳ができて、個人的には非常に、ありがたいことです。
◆現代風のお彼岸
そういえば
昔は家族みんなでお墓に行ってお線香をあげるのが当たり前でしたよね。
しかし、それが今ではライフスタイルの変化に伴い「新しいお彼岸の過ごし方」も増えています。
たとえば…
・お墓が遠方にあるので、代わりに仏壇をきれいに掃除する
・LINEで家族に近況を送り、みんなでご先祖さまを偲ぶ
・おはぎを作ってSNSなどにアップし「お彼岸」をつけて供養とする
などなど。
色んな供養の形式の形を聞くことは多いです。
でも、そういう供養のカタチが変わっても「ご先祖さまを想う心」は今も昔も変わらないと思うのです。
大切なのは“形より気持ち”
どんな方法でも、節目である供養の時期を忘れずにいれば、ご先祖様はきっと喜んでくださるはずです。
◆岡山でのお彼岸あるある
私たち、東部典礼の根付く岡山西大寺方面でも、お彼岸になると「お墓参りの渋滞」がよく見られます。
普段は車も少ない道なのに、この日ばかりは大行列!なんてことも。
正直、業務中に渋滞にかかると忙しない気持ちが増すばかりですが・・。それだけ地域の方々が、しっかりとご先祖さまを大切にしている証拠だと思うと、なんだか少しほっこりしてきます。
◆まとめ
秋のお彼岸は、季節の変わり目を感じながら、
ご先祖さまに「今年の夏も無事に過ごせました」という感謝の念を報告する絶好の機会です。
お墓参りに行く方も、仏壇の前で手を合わせる方も、おはぎを食べながら想いを馳せる方も
どんな形であっても、心を込めたひとときが大切です。
皆さまにとって、今年のお彼岸が「ちょっと心温まる時間」となりますように・・・🍵