
13/08/2025
上肢(腕)と体幹(胴体)を骨で直接つなぐ関節は、胸鎖関節ひとつだけです。つまり、体の前面で鎖骨が胸骨にくっついている部分が、唯一の骨格的リンクなのです。 では、背中側はどうなっているのでしょうか?実は、肩甲骨は肋骨や脊柱と直接つながっていません。 代わりに僧帽筋・肩甲挙筋・菱形筋・前鋸筋など、多くの筋肉が肩甲骨を適切な位置に保っています。この構造のおかげで腕は大きく自由に動かせますが、その自由度の裏では筋肉が常に支え続ける負担を背負っています。 長時間のデスクワークやスマホ操作で腕や肩を前に出す姿勢を続けると、肩甲骨を背中で引き戻す筋肉群も休む暇がなく疲労します。その結果、これらの筋肉は血流が悪くなり、硬くこわばってしまいます。これこそが、慢性的な肩こりの大きな原因のひとつです。 いわば肩こりは現代人にとって構造的な宿命でもあります。 鎖骨から肩甲骨 上腕骨 前腕のユニットを指して「上肢帯」といいます。肩こりに悩んでいる方は、この構造的な背景を知ることで対策がより効果的になります。解剖学的な視点から見ると、肩こりの原因がちょっと面白く、そして深く理解できるはずです。 あなたのご来院を心からお待ちしております 解剖画像は「ヒューマン・アナトミー・アトラス」からの引用です。
上肢(腕)と体幹(胴体)を骨で直接つなぐ関節は、胸鎖関節ひとつだけです。つまり、体の前面で鎖骨が胸骨にくっつい…