
29/08/2025
ノルウェーのオステオパス、フォッサム先生のセミナー通訳が無事終了しました。フォッサム先生はオステオパシー関係の書物や論文執筆にも多数関わっている、オステオパシーの歩く百科事典のような先生です。
今回はマキシマリストアプローチがテーマで、ジンク先生の呼吸・循環器系モデルのケアを基本に色々な原則、テクニック学んでいきました。マキシマリストアプローチというのは、全身の状態を良くしていくために「最大限」のアプローチしていくという意味で、症状にだけアプローチしていては状態が改善しない、慢性・複雑性疾患・症状の人に対して効果的なアプローチ方法です。
脊柱移行部と関わりの深い四つの隔膜を中心に、上縦隔と吸引パンプの重要性、各体腔の圧分布と静脈・リンパ環流、筋膜層などに関して膨大な量の解剖学図と論文、ホワイトボードを用いて、様々な角度から学んでいくことができました。
個人的には、吸気に腹腔内圧が骨盤でかかる主な方向が恥骨結合の方向だというのと、内椎骨静脈叢が静脈血の貯水槽としての機能があるという話が興味深かったです。脊柱前の静脈、大静脈で体腔のどこかにうっ血があると、それの代償で脊柱管内全体の血量が増え、頭痛や腰痛などを引き起こすことがあるそうです。頭頸部や腰仙部に水が溜まっている人は比較的多くいくので、それが体腔側の流れが改善することでどう変化していくのか、また観察していきたいと思います。
ロルフィングも筋膜へアプローチしていき、重力線周囲に10回のセッションで身体のバランスをとっていく手法なので、システマティックなマキシマリストアプローチになりますね。その過程で、呼吸も改善します。全身のバランス、姿勢も良くなっていくので、静脈・リンパ環流も改善していくんでしょう。結果として意図していなかった症状も改善したり、アスリートのパフォーマンスが向上したり、疲れ辛くなったりします。
IMACは、これらの領域の中から制限が強い部分をみつけて改善していく統合的なアプローチなので、話を聞いていて共通項が多いのと、身体の理解の方向性として間違っていないのを再確認できました。
今回もオーガナイズして下さったJACOの小倉健嗣さん、セミナーに参加しアシスタントしながらも色々雑用もこなしてくれた TENお馴染みの皆さん、参加者の皆さん、そして最後にフォッサム先生、四日間ありがとうございました!!
Thank you so much, Dr. Fossum, for such a wonderful seminar! I really appreciated all the new insights you shared—it was both inspiring and very applicable to daily practice. I’m excited to start bringing what I’ve learned into my work, and I look forward to seeing you again soon!