05/06/2023
毎月産業医の先生より旬の情報をお届けいたします。 Contents ●歯と口の健康習慣 ●二次健診の重要性 ●ニキビについて ●熱中症の基礎知識と注意事項 歯と口の健康習慣 毎年6月4日~10日は歯と口の健康週間です。人生100年時代ともいわれるかつてないほどに寿命が長くなった今、毎日を健康に過ごすために、歯はさらに重要視されるようになりました。歯は生命維持に必要な食べ物を咀嚼し、全身に栄養をとどける働きをしており、口は食べる機能だけでなく会話をしてコミュニケーションをとる機能を持っています。 しかし現在、働く成人の7割が歯周病に罹患していると言われています。歯周病の原因には、歯磨きが不十分であることはもちろんですが、進行させる原因の中には不規則な生活や歯ぎしり、ストレス、喫煙などが挙げられているのです。また、歯周病は血管の炎症を引き起こすため動脈硬化や糖尿病の悪化、肥満、早産などの全身に影響を及ぼすことも分かっています。 定期的に歯の清掃を歯医者で行ったり、フロスや歯間ブラシなどの歯ブラシ以外のケアをしていますか?毎日のケアで歯周病を予防し、全身疾患を予防することができます。まずは歯周病チェックや歯ブラシ習慣の見直しをしてみてください。 竹中Dr. 二次健診の重要性 健康診断は2つの目的があります。まず第一の目的は健診結果から自分自身の生活習慣の問題を自覚し、病気を予防するための改善に取り組むきっかけとすることです。もう1つは病気を早期発見し、早期治療に結びつけることです。 ただ、健診結果が基準値を外れていたからといって直ちに病気があるわけでないこともあります。 健康診断の基準とは、健康な正常人の95%が入る範囲の値を基準値としています。すなわち5%の人は健康であっても基準値を外れてしまう可能性があるわけです。しかしながら、非常に大きく外れていたり、たとえ少しの異常であっても複数の項目において異常と診断されれば、病気が隠れている可能性は非常に大きいと考えられ、きちんと二次健診を受け詳しく調べることが病気の早期発見に大変重要です。 また、「数年前から異常値を指摘されており、一度検査したけれど心配ないと言われたので、もう二次健診はしません」と言われる方もしばしばありますが、年齢を取るにつれ異常が進行し、病気が顕在化するリスクが高くなるため、できるだけ毎回二次健診で確認することも必要です。 最近は一定の条件を満たせば二次健診費用も補助が受けられる制度もできています。ぜひ、こまめに二次健診を受けていただくことをお勧めします。 橋本Dr. ニキビについて コロナ禍でマスクを着用するようになり、ニキビが増えた人も多いのではないでしょうか。 ニキビは医学的には、尋常性痤瘡(ざそう)と言い、10~30歳代の若い男女にみられる毛穴の皮脂腺に起こる炎症性の慢性疾患です。ホルモンバランスや皮膚の角化、そして皮膚にいるアクネ菌などの要因によってできるとされています。 放置しても治ることが多いですが、顔にできるため、悩まされることも少なくありません。 ニキビには多くの俗説がありますが、特定の食べ物の制限は推奨されていません。 洗顔に関しては、1日2回が推奨されていますので、洗いすぎないようにしましょう。 スキンケアに関しては、低刺激性でノンコメドジェニック(ニキビの出来にくい成分で作られているということ)なものを選ぶようにすると良いでしょう。 治療は、基本的に皮膚科で処方される外用薬の使用が推奨されています。炎症が強い場合には皮膚科で処方される内服薬も推奨されています。外用薬の一部のものは、美肌効果があるものもありますが、使用については注意が必要ですので、必ず医師の指導のもとに使用するようにしてください。ニキビでお困りの方はぜひ一度皮膚科で相談してみてください。 山本Dr. 熱中症の基礎知識と注意事項 【基礎知識】高温多湿の環境下で体温調節機能が崩れて、どんどん体に熱が溜まってしまった状態が熱中症です。 熱中症の発生しやすさの指標として暑さ指数(WBGT)が利用されます。気温だけでなく湿度や日射の照り返しも考慮されたもので、その数値が上がるほど熱中症の危険性が増します。 熱中症の症状として、頭痛、不快感、倦怠感、筋肉痛、けいれん、めまい、嘔気・嘔吐、高体温などが見られた場合は、涼しい場所に移し衣服をゆるめ、体を冷やすのが基本ですが、意識混濁や全身けいれん、激しい嘔吐など見られる場合は、急激に悪化し、死に至る可能性があるので、至急の救急要請が必要です。 熱中症は本人が気付かないうちに進行することがあるので、高温多湿環境下の作業は必ず複数で行うことが必要です。 【注意事項】体温調節機能は個人差が大きいこと、年齢差があること(小さな子供や高齢者は、体温調節機能が未発達または低下している)、慢性疾患のある人や睡眠不足、風邪、二日酔いなどで体調不良の人などは暑さ指数が高くなくても熱中症に罹りやすくなることに注意が必要です。 水分補給については、水だけを大量に摂取すると体内の塩分濃度が薄まり、低ナトリウム血症(水中毒)を引き起こすことがあること(必ず塩分やミネラル入り飲料にする)、また、冷たい飲み物は急激な体温変化を引き起こすことや、利尿作用がある飲み物は脱水を促進すること、ペットボトルなどの直飲みは雑菌が増殖しやすくなることなどに十分注意し、適切な量を継続的に摂取するようにしましょう。 本行Dr.
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