
16/03/2025
2025.3.15-16
「第15回日本腎臓リハビリテーション学会」
3月15.16日に開催された第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会に参加させて頂きましたのでご報告させて頂きます。
今学会のテーマは「楽しいから始める腎リハ〜ウィルビーイングな暮らしを求めて」。楽しくリハビリをすることにより、その人らしい生活を楽しく送ることの重要性についてでした。
腎疾患では、尿毒症、栄養障害、食事制限など病態や固有の問題により、フレイル、サルコペニアが進行し、生命予後、健康寿命が損なわれる深刻な問題に直面しています。これらの問題に対し、医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士などが、様々な視点から問題点などについて有意義な議論を行なっておりました。
発表では在宅での腹膜透析、在宅血液透析、訪問リハビリテーションについて触れている内容が多い印象を受けました。腹膜透析を導入した高齢の方は、脳卒中などの新たな疾患の発症によりADLの低下が著しく、せっかく開始した腹膜透析も自己管理が出来ずに血液透析に移行してしまう症例も多いそうです。
そこで、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの福祉サービス利用を早急かつ円滑に行い、ADLの低下を最小限にとどめ腹膜透析を継続できるように援助し、訪問することにより通院の負担も抑えられ、患者さんの悲観的な言動も少なくなり、リハビリの効果も向上したとの発表もありました。
また、ADLの低下を最小限にすることで、そこから血液透析に移行した際に在宅血液透析を選択肢として選ぶことができるなどの選択肢を多く残す事がリハビリテーションの凄さだと感じました。
在宅血液透析は長時間の透析が自宅で可能でありメリットがとても多いですが、家族の協力や患者さんの理解度やセルフケアが必要なため、働き世代が中心であると思い込んでおりました。しかし、適切な在宅医療サービス(訪問看護、訪問リハビリ、訪問診療、臨床工学技士の援助)を利用する事で、高齢者であっても在宅血液透析が可能であり、これから在宅血液透析領域も幅広い年齢層に広がりつつあるとの事でした。
当院は血液透析を中心に行なっており、透析中にリハビリテーションの介入や血液透析以外の日はデイケアへ通って頂きADL維持向上の支援を行っています。また、持続可能な運動の定着を目指しSTECなどの活動を行っていることを、小野口総看護師長、大森看護主任でオーラル発表をさせて頂きました。
また、透析患者さんが腰部脊柱管狭窄症となり、寝たきりまでADLが低下した症例がありましたが、他院での手術が円滑に行えるように支援し、手術後は当院に入院しながらリハビリテーションを行い、健常時近くまでADLが向上した症例をポスターにて理学療法士の小暮さんが発表を行いました。
当院の発表後には、有意義で活発な質疑応答に恵まれまして、より腎臓リハビリ領域の向上を志すきっかけにもなりました。スタッフ交流も積極的に対応させていただき、同じ志しを持つ大分県の看護師さんから、2年後にコメディカルで座長を行う運動研究会への参加を打診されたり、他にも埼玉県の腎不全認定看護師さん意見交換したりと、充実した医学会となりました。
普段から御指導をお願いしています国際医療福祉大学教授の安藤先生からも、チャンピオンデータではなく、どんな形でも運動を続ける、生活に落とし込んでいく、就労に繋げるなどの取り組みの発表は必要だから、是非こんな発表を続けてほしいとエールを頂きました。
お忙しい中学会に参加させて頂きありがとうございました。今回の学びを臨床でも活かせていければと思います。
제15회 일본 신장 재활 학회에 참가했습니다.
我們參加了第15屆日本腎臟康復學會。
We participated in the 15th Japanese Society of Renal Rehabilitation.