
25/07/2025
骨太方針2025で一般医薬品OTC類似薬の保険適応外化の検討が明記されました。OTC=Over The Counter、薬局で「カウンター越し」に購入する薬のことで総合感冒薬(パブロン、ルルなど)、頭痛薬(ナロンエースなど)、湿布薬、整腸剤(ビオフェルミンなど)、ビタミン薬、うがい薬など従来からあるもの。加えて病院で処方する薬の中から、ある程度年数が経過、重篤な副作用のないものが「スイッチOTC」として、薬局で購入できるようになったものがあります。花粉症のアレグラ、胃潰瘍のガスターが代表例です。保険適応外にすれば保険診療の医療費は確かに減らせますが、薬が必要な方にとってはOTC購入にかかるコストが当然ながら別途、発生します。つまり統計上の医療費は減っても、医療にかかる費用全体は増えるものと予想しています。処方薬は公定価格でかなり抑えられている上に基本3割負担。OTCの価格は相対的に高めで10割負担だからです。病院の処方薬がたびたび在庫切れとなるのは、流行病で需要が逼迫してしまうほか、公定価格が低すぎて利幅が小さく、製薬会社の意欲を削いでいるという現実もあります。参議院選は終わってしまいましたが、産業として医療を育てる。海外富裕層に利用してもらいその利潤を設備投資に廻す。日本品質の医療機関をハードとソフト、セットで輸出。といったストラテジーを考えてくれる政治家の出現を期待しています。
お知らせ 7月26日休診です。