12/12/2025
【金曜日のアテアテ】
~忠臣蔵~
昔は、12月になるとテレビで『忠臣蔵』が放送されたので、それで「年末だなぁ~」と感じたものですが、最近では、BSでは過去に放送された『忠臣蔵』を再放送しているようですが、地上波ではまったく放送されなくなりました。
明後日の12月14日(旧暦)が、いわゆる「赤穂四十七士による吉良邸討ち入りの日」なので、今週は、忠臣蔵がどのような話なのかを簡単に紹介して、そして忠臣蔵の魅力も併せて紹介します。
【忠臣蔵とは?】
忠臣蔵の話は江戸時代中期の元禄14年(1701年)に起こった「赤穂事件」がもとになっています。この事件は、江戸城にあった松の廊下という場所で、赤穂藩の藩主である浅野内匠頭が、江戸幕府の家臣の吉良上野介を刃で切り付け、重症を負わしたことが発端となります。
当時は、事件の加害者と被害者は共に処分がある「喧嘩両成敗」という決まりがあったのに、吉良上野介に対して処分が下されず、浅野内匠頭だけが切腹となりました。
その結果を不服とする赤穂藩の家老である大石内蔵助をはじめとする赤穂浪士47名が、主君の仇討ちのため、吉良上野介を討ち取るというお話です。
【忠臣蔵の魅力は?】
1)物語が痛快
最大の魅力は、この物語の勧善懲悪ではないでしょうか。それが克明に描かれていて、庶民にとってはその様が痛快だからでしょう。
忠臣蔵の舞台となった元禄時代は華やかな文化が栄えた時代でしたが、それを享受できたのは一部の人たちであり、その他多くの庶民は生類憐みの令にビクビクしていたり悪銭の発行でインフレに見舞われていたりと、何かと不便な生活を強いられていました。
そんな庶民の不安を救い上げたのが、大石内蔵助らによる吉良邸討ち入りでした。弱者でもある赤穂浪士たちが名家でもある吉良邸に討ち入った事は、同じく強者(=江戸幕府)にいじめられる弱者としての自分と重なる部分があったのでしょう。大石内蔵助らの行動は、悪政に苦しむ彼らが日常の鬱憤を晴らす絶好の機会となり、称賛をもって受け入れられたのだと考えられます。
2)物語の中にある様々な要素が人々の興味を惹きつける
次の魅力は、物語の中にある様々な要素が人々の興味を惹きつけるところです。
・いまだ謎に包まれている赤穂事件の真実
・吉良邸討ち入りを成功させるまでの戦略
・脱盟した藩士の存在と、そこに至るまでの理由
・登場人物の友情や恋愛といった人間模様
・物語が問いかける「武士道とは何か」という議題
こうした物語に含まれている要素一つ一つが、忠臣蔵をみる人の心を惹きつけるところが魅力です。
3)主君への恩返しや自己犠牲の精神
さらに、切腹される事が分かっているにも関わらず主君の仇討ちを成し遂げようとする大石内蔵助らの行動が、主君への恩返しや自己犠牲の精神と捉えられ、賞賛されることにもこの物語の人気が隠されているところです。
【まとめ】
『忠臣蔵』は、吉良上野介を完全に悪(強者)とし、浅野内匠頭を善(弱者)のように描かれています。そして、“勧善懲悪”“忠義”“筋を通す”といった日本人の琴線に触れるような要素が数多く含まれています。しかし、現在ではこういったものがウケなくなってきているのかもしれませんね。
それでも、現在、BS12(トゥエルビ)では、12月2日から4週連続で、『忠臣蔵』を題材にした映画作品が放送されています。
12月16日午後7:00~
映画『赤穂浪士』
出演:片岡千恵蔵、中村錦之助(萬屋錦之介)、東千代之介、大川橋蔵ほか
12月23日午後7:00~
映画『赤穂浪士』
出演:萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、渡瀬恒彦、丹波哲郎ほか
「『忠臣蔵』を知ってる」という人でも、その内容を聞くと「吉良上野介にパワハラされた浅野内匠頭がキレて刃傷沙汰起こし切腹、数年後に大石内蔵助以下47名が吉良を殺し仇討ちを果たす」といったざっくりした回答しかなく、仇討ちを巡る人間模様といった『忠臣蔵』の“魅力”が語られることはありません。
現在、せっかくBS12(トゥエルビ)で放送されているので、この機会に『忠臣蔵』に触れてみませんか。
そして、「日本のテレビが本当につまらなくなった」と言われる今、もう日本のテレビ局には何も期待できないので、古くから日本人が愛してきた『忠臣蔵』を忘れないようにするためにも、個々で子どもたちに伝承するなど対策を講じようと、今は強く思っています。
(スタッフA子)
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