08/11/2024
テレビのCMや新聞広告で「健康寿命を延ばすにはたんぱく質!」「たんぱく質を摂って足腰を丈夫に!」
こんな言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。今回は、たんぱく質のお話です。
<たんぱく質が足りないと、どうなる?>
たんぱく質は筋肉や細胞を作り、毎日ダメージを受ける体を修復する大切な栄養素です。
不足すると、どうなってしまうでしょう?
○筋力が低下するので、転びやすくなる
○免疫細胞が作られず、感染症にかかりやすくなる
○体の修復が遅れ、傷が治りにくかったり、疲れやすくなる
たんぱく質は、健康に過ごすために欠かせない栄養素なのです。
<1日にどれくらい摂れば良いのか>
たんぱく質の必要量は年齢や活動量によって異なります。今回の記事では高齢者の摂取量について説明します。高齢者は1日に体重1kgあたり1.0~1.2gのたんぱく質が必要です。
体重が50kgの場合、50~60gとなります。これを1日数回に分けて摂ることを考えてみましょう。
たんぱく質60gを3食で摂るとすると、1食あたり20g…と言われてもピンときませんよね。
そんな時に便利なのが、「手ばかり栄養法」です。
たんぱく質の1食での摂取量は、指を除いた片手の手のひらに載る分が目安とされています。
肉や魚は、大きさは手のひら大で厚さは手の厚さ。豆腐なら1/2~1/3丁。卵なら1個です。
それなら朝昼晩に卵3個を食べれば良い!というわけではありません。様々な栄養素をバランス良く摂るため、魚・肉・卵・豆製品を1日に手のひらに載る分で4種類取ることが理想的です。
<そんな食事、難しいよ!という方へ>
実際には毎日、理想的な食事をするのは難しいですよね。料理は面倒ですし、食が細くて量が食べられない…という方もいらっしゃると思います。そこで、すぐできる工夫をいくつかお伝えします。
① 料理が億劫な時はサバの水煮缶、茶わん蒸しなど市販品に頼りましょう。最近はコンビニでも、ほぐしてすぐ料理に使える「サラダチキン」という便利な加工鶏肉や、カニカマが売っています。
② 食が細い方は、間食にたんぱく質が豊富なものを取り入れましょう。1口サイズのチーズ、ヨーグルト。固形物が難しければ、牛乳や豆乳を飲むのも良いですね。最近は筋肉を鍛えたい若者向けに「プロテイン(=たんぱく質)飲料」というものが市販されていますが、高齢者がそれに頼りすぎると過剰摂取になってしまうため、お勧めしません。
毎日の食事で少しずつたんぱく質を意識して、健康な体作りを目指しましょう!
※持病のためたんぱく質の摂取量に制限のある方は、かかりつけ医の指示に従ってください。