30/01/2026
R8年1月27日(火)
第115回未来志向 地域医療を考える会
国分寺さくらスタイル・シリーズ
院長談話
【わたし達の道程~海外クリニックとの比較から見えてくること~】
今回の未来志向の会は米国のクリニックとの比較から今後のクリニックの歩む道をテーマに開催されました。
米国のクリニックでは、少ない人数のスタッフで運営されており、予約制が基本となっています。急患はERが対応し、クリニックは軽い症状や日常的な体調管理に対応し、必要な設備も最小限に抑えられています。役割分担がはっきりしていることで医療を効率よく提供する仕組みが整えられており、医療資源が役割に応じて適切に使われています。
日本のクリニックでは日常的な診療だけでなく、1次救急対応を担っており、専門医療を提供している場合がほとんどです。そのためスタッフの確保や設備に費用がかかります。
現在の診療報酬制度では、患者さんをいつでも受け入れるために必要な人手や時間、いわゆる待機コストを含むことが難しくなっており、また、医療費を抑える手段として診療内容や費用をまとめて管理する「包括化」へと誘導される傾向があります。
日本のかかりつけ医制度では個々のクリニックに24時間365日の対応や在宅医療の提供も求められています。制度として十分に整理されているとは言えないのが現状です。
このような状況の中で運営していくためには、診療時間を増やすことなく、新患患者を受け入れてホーム患者を増やしていくことが重要になります。当院はかかりつけ医としての軽い症状や身近な健康サポートと主治医としての専門医療を提供しています。複数の専門医がいることで様々な疾患にスムーズに対応することができます。それでも当院で対応できない疾患の場合は適切な医療機関を紹介することで患者さんにとって大きな安心につながると思います。そのためには周囲の医療機関と連携していくことも重要となり、それは「患者さんを面で支え、襷リレーしていく」ことになります。
高村光太郎の「道程」には「僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる」という一節があります。この言葉は、あらかじめ用意された道を選ぶのではなく、自らが新しい道を踏み出すことで初めて道が生まれることを示しています。医療を取り巻く環境は、時代やルールの変化とともにこれまでのやり方がそのまま通用しない場面も増えています。こうした変化の中で大切なのは、固定観念にとらわれず、柔軟に考え対応していく姿勢だと考えています。新しい時代の最端にいる今、私たちは私たちの道程を歩んでいきたいと思います。
事務部 K.H
写真は患者さんからいただいた縁起物の掛け軸です。