
04/09/2025
【治療回数券導入院の弊害】
先週の土曜日、当院は午前中で業務を終えましたが、外来初診5名、予防トレーニング新規3名、さらに再診の靱帯断裂キャスト固定なども数件ありました。
なぜ20年間、広告チラシ、雑誌掲載をいっさせず初診が途切れず続いているのか?
それは、当院の治療には「卒業」があるからです。
「あそこはしっかり治してくれる!すぐ良くなって元の生活に戻れる!」
そう思っていただけるからこそ、患者さんが紹介してくださるのです。
患者様のリリース【解放、自由にする】
怪我は必ず治るもの。
医療のゴールは「治癒」です。
もちろん
「怪我をしにくい身体づくり」
「予防の取り組み」もサポートしますが、
それは医療とは分けて、
空間も料金体系も
完全に独立させています。
だから当院には
「慰安目的の回数券」
「腰痛回数券」はありません。
医療に
「風邪の回数券」
「骨折の回数券」
「蕁麻疹の回数券」
が存在しないのと同じです。
【治療と予防の線引き】
治療には明確なゴールがあり、
そこに向かって「まず治す」。
その後に初めて、
医療とは別枠で「予防」や「トレーニング」という長期目標を設定します。
一方で、
多くの接骨院では「治療」
と予防」が同じ空間で
料金だけを分けて行われています。
その結果、
治療の延長線上でダラダラと
同じ施術を繰り返すことに…。
ゴールがなく、
先生自身も“病気でない人”を
惰性で見続ける状態となり、
それはもはや医療ではありません。
【卒業のない院が辿る道】
こうした院には慰安目的の患者が
ドンドン積み重なります。
経営的には安定しても、
院のレベルは下がり、
スタッフの経験値も止まる。
結果、
急性期や大きな疾患は来なくなり、
スタッフの気持ちも肉体も疲弊します。
「骨折が来ないから整体でいい」ではなく、
「骨折が来ないような院を作ってしまった」だけなのです。
【研修生に何を見せられるか】
学生が研修に来たとき、
骨折や脱臼がなく「もみほぐし・電気・矯正」だけの現場で、
何を教えられるでしょうか。
当院では、
先週実習生がわざわざわ県外から
三日間来てくれました。
・初日に橈骨遠位端骨折患者さまの整復固定を体験
・翌日には足の裂離骨折や小児疾患を数十例診察
・リハビリデイサービスで脳梗塞・人工関節・癌末期など幅広いリハビリを見学
・院外トレーナー現場や6種類の予防トレーニングも体験
医療と予防の違いまで、
現場で学べる環境があります。
【回数券議論の虚しさ】
マーケティング的に
「回数券」自体が悪いわけではありません。
先にデポジットを受け取り
消費していく仕組みは、
どの業界にもあります。
しかし問題は「治療」として
回数券を売ることです。
本気で患者を第一に考える医療人が、
そのような方法を取るのを
私は見たことがありません。
SNSでどれだけ雄弁に語っても、
中身は“医療”ではないケースがほとんどです。
【医療と整体の違い】
想像してみてください。
「胃がんオペ120分コース、40分コース」
「脱臼整復10分延長オプション」
「虫歯治療20%オフキャンペーン」
こんなものがあれば異常です。
しかし現実には、
「整体120分コース、40分コース」
「治療手技10分延長オプション」
「脊椎矯正回数券20%オフキャンペーン」
といったものは普通に存在しています。
その時点で、それは医療ではありません。
【当院の方針】
当院では予防やトレーニングに限って回数券を導入しています。
なぜなら、
筋力や柔軟性は「回数」に比例して成果が出るからです。
ただし治療と予防は完全に分離。
・空間も人員も料金も分ける
・同じベッドで「治療」と「メンテナンス」を混在させない
・必ず同意書を交わした上で実施
最近スタッフの独立院でも「曜日で区切る」など工夫して棲み分けをしています。
【最後に】
「治療回数券」を導入している院に、本物の医療人はいない、、、そう断言します。
重症例は来ず、
経験も積めず、
患者ファーストでもなく、
結果として集客に悩み続けることになる。
そんな院に、
未来を託したい若者が
集まるはずがありません。
先生の院はどうですか?
これから治療に行こうとしている院は
大丈夫ですか?
これから就職しようとする院は
大丈夫ですか?
院長に【治療回数券】の必要性と将来性、
社会性を聞いてください。