14/02/2026
【抄読会報告:アンチバイオグラムの数値はどこまで信じていいのか?】
こんにちは😊
河北ファミリークリニック南阿佐谷 家庭医療学センターの広報担当です✨
本日の抄読会では、日々の感染症診療で私たちが「辞書」のように参照しているアンチバイオグラムの、臨床的な予測能について議論しました✏️
【今回取り上げた論文】
著者: Shinya Hasegawa, et al.
Journal: Clinical Infectious Diseases
年: 2024年
タイトル: Diagnostic Accuracy of Hospital Antibiograms in Predicting the Risk of Antimicrobial Resistance in Enterobacteriaceae Isolates: A Nationwide Multicenter Evaluation at the Veterans Health Administration
PMID: 38221832
「今回の勉強会で明らかになった学びのポイント」☝️💡
【「尤度比」で見るアンチバイオグラムの限界】
本研究では、例えば大腸菌に対するセファゾリンの感受性率閾値を78.1%に設定しても、陽性尤度比は1.49、陰性尤度比は0.67に留まりました。
これは、アンチバイオグラムの数値が閾値を上回っていても下回っていても、目の前の患者さんが耐性菌である確率(事後確率)をほとんど変化させないことを意味しています。
【データの「背景」を読み解く重要性】
解析データの約8割が尿検体であったことから、血液培養や喀痰培養の結果にそのまま適用するには慎重な判断が求められます。
特に耐性菌リスクが極めて低い若年女性の単純性膀胱炎などでは、施設全体の平均値がかえってノイズになり、過剰な広域抗菌薬の使用を招く懸念も議論されました。
【集団の統計から個別のリスク評価へ】
アンチバイオグラムはあくまで「地域の相場」を把握するツールです。
実際の薬剤選択においては、最近の抗菌薬使用歴、入院歴、ADL、デバイスの有無といった「その人自身の背景」を評価することの方が、耐性菌予測においてより決定的な役割を果たします。
統計的な「数字」を治療の根拠にするだけでなく、患者さんの生活背景やこれまでの経過を丁寧に吟味する姿勢の大切さを、改めて再確認する機会となりました。
関連リンク
ブログ: https://note.com/bright_drake9845
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