
23/04/2025
皆さま、お久しぶりです。
気がつけば前回の投稿から、早くも2年が経っておりました。時の流れは本当に早いものですね…。
さて今回は、現在ニュースでも取り上げられている「百日咳」についてお話しさせていただきます。
百日咳は、ワクチンを接種している方でも感染する可能性がありますが、特に重症化しやすいのは、まだワクチン接種が始められない生後2か月未満の乳児です。
こうした新生児や早期乳児を守るための対策は、大きく2つに分けられます。
① 百日咳の流行そのものを抑える
百日咳のワクチン接種は、生後2か月から始まる「5種混合ワクチン」に含まれています。1年後には「1期追加接種」がありますが、それ以降、公費による百日咳ワクチンの接種機会は設けられていません。
しかし、この計4回の接種だけでは、時間の経過とともに免疫が徐々に低下してしまうことが分かっています。
そのため、日本小児科学会は以下の年齢での「三種混合ワクチン(DPT)」の追加接種を推奨しています:
①5歳以上〜7歳未満
②11歳〜12歳(※通常のDTに代えて)
現在の流行の中心は、5歳〜19歳の年齢層とされております。
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/pertussis/pertussis/
この機会に、ぜひ追加接種をご検討いただければ幸いです。
② 新生児に免疫を届ける「母子免疫ワクチン」
妊娠27週〜36週の妊婦さんが百日咳のワクチンを接種することで、生まれてくる赤ちゃんに免疫を届けることができます。
このように、妊娠中にお母さんが受けたワクチンで赤ちゃんにも免疫をつける方法を「母子免疫ワクチン」と呼びます。
現在、日本では百日咳のほかにRSウイルス感染症に対するワクチンも、母子免疫ワクチンとして使用可能となっています。
①の「追加接種」は百日咳の流行を抑えるため、②の「母子免疫ワクチン」は新生児の重症化予防を目的としています。
妊娠中の方は、かかりつけの産科医にご相談のうえ、ご検討いただければと思います。
ご質問等があれば、お気軽にコメントくださいませ。どうか皆さま、お身体を大切にお過ごしください。【文責:K】
東京都感染症情報センターは、東京都における感染症の発生状況など、感染症に関する色々な情報を提供しています。