03/02/2026
セレウス菌による食中毒の予防について
国外において、ネスレ社(スイス)、ダノン社(フランス)などで、乳幼児用粉ミルクに毒素「セレウリド」が含まれている可能性があるとして自主回収が行われていますが、厚生労働省によれば、1月23日時点で、回収対象品の我が国への販売目的での輸入は確認されていません。(※食品の回収に関する最新情報は厚生労働省ウェブサイトで確認できます。本事例は製造過程における混入が疑われておりますが、今回混入した毒素「セレウリド」について、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
ここからは、セレウリドを産生するセレウス菌の特徴や、食中毒対策についてご紹介します。
<参考:セレウス菌による食中毒について>
〇セレウス菌とは
セレウス菌は土壌や空気中、河川など自然界に幅広く生息し、農作物等の食料、飼料等に広く分布します。
さらにセレウス菌は芽胞を形成し、90℃で60分の加熱にも耐える、高い耐熱性を有するため、セレウス菌の芽胞は通常の加熱調理で殺菌することができません。調理した食品を常温で放置すると、生き残った芽胞が発芽増殖して食中毒の原因となります。
〇セレウス菌食中毒について
セレウス菌食中毒は、その臨床症状から、 「嘔吐型」と「下痢型」の2つに大別されます。日本で報告されるセレウス菌による食中毒の大半は「嘔吐型」です。
嘔吐型食中毒は、セレウス菌に汚染された食品中で産生された毒素、セレウリドの摂取によって引き起こされます。セレウリドは、20℃~30℃で多く産生され、その毒素は126℃で90分の加熱処理でも分解しないと言われています。食べてから0.5~6時間でおこります。嘔吐型の食中毒の原因食品としては、穀類及びその加工品の報告が多く、チャーハン・ピラフなどの焼飯類、焼きそばやスパゲッティなどの麺類など、作り置きされることの多い食品でセレウス菌食中毒の発生があります。
下痢型食中毒は、食品とともに摂取したセレウス菌がヒトの小腸で増殖し、産生される下痢を引き起こす毒素(エンテロトキシン)によって起こります。下痢型のエンテロトキシンは熱に感受性があり、56℃・5 分間の加熱処理により不活化されます。下痢型食中毒は、肉類、野菜類、乳製品等、原因食品の種類は多様です。食べてから8~16時間でおこるといわれています。
嘔吐型、下痢型ともに、ほとんどの場合、発症後1~2日で回復します。
〇食中毒の予防
セレウス菌は自然界に広く存在し熱にも強いため、食品に「つけない」・「やっつける」ことの徹底は不可能です。そのため、この菌を増殖させない、つまり、「ふやさない」ことが重要です。
セレウス菌による食中毒の予防のためには、
・大量調理はせず必要量の調理をし、調理後はすぐに食べる。
・調理後に食品を保存する場合は菌が増殖する前に冷蔵庫に入れる。
・冷蔵庫に保存した食品も、なるべく早めに消費する。
以下の注意事項を守ることが大切です。
セレウス菌の特徴を知って食中毒を予防しましょう。
(参考リンク)
・食品安全委員会 ファクトシート「セレウス菌食中毒」
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/06bacillus_cereus.pdf
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