
22/08/2025
宗門人別改帳とは?
現在の戸籍や国勢調査に該当するものとして、宗門人別改帳がありますが、これは江戸時代中期に宗門改帳と人別改帳を統合したものです。実際の調査では江戸時代初期に見られます。これが所謂、宗門帳でしょうか。現在、国勢調査は5年に一回ですが、宗門帳は基本的に毎年、作成していました。
読んでみると、戸主、戸主の女房、長男、長男の女房、二男、二男の女房、使用人などが記され、家族数が10人を越えることは珍しくありません。また、「雌馬一匹黒毛」等、人間以外の家畜なども書かれています。
何故このような大家族だったのか?結婚しても現在のように独立して家を持つことはありませんでした。独立すると土地を分けなければなりませんので、食べていけないですから二男家庭、三男家庭は小作や水呑百姓のようになって同じ家屋に入った訳です。戒名調査等をしていると、そのような二男家庭、三男家庭も当然含まれてきます。位牌や過去帳や墓の記載があっても、慣れた人でないと家系図にするのはなかなか簡単ではないのです。(笑)
イエズス会が日本に入った時、日本人の人身売買や植民地化の問題が見えてきたので、江戸幕府はキリスト教禁止令を発布し、やがて寺請制度を確立させ、民衆がどのような宗教宗派を信仰しているかを定期的に調査するようになりました。それが宗門人別改帳が出てきた所以です。