
10/10/2025
「魂がかいてんする」
『回転』とも『開店』とも書けるこの言葉には、
長いあいだ止まっていたものが、再び動き出すという意味が込められています。
しばらく閉じていたお店が、店主の調子が戻って「今日から開店します」と言うように、
魂もまた、整えば自然に動き出すのかもしれません。
施術中に、涙を浮かべたり、流したりする方がいます。
涙を流すほどでなくても、「そっか」「なるほど」と心で何かがほどけたような表情をされる方もいます。
反対に、「うーん…」とピンとこない様子の方もいますが(笑)。
同じ言葉を聞いても、響く人と響かない人がいる。
それは、同じお店の料理を食べても、「おいしい」と感じる人と「私はちょっと違うな」と感じる人がいるようなものかもしれません。
動き出すのは、止まっていた「魂」です。
眠っていた感情や記憶、感謝、痛み、愛といったものが再び流れ出し、
「今の自分はここにいて、生きている、感じている」と思い出す。
その瞬間に、自然と涙があふれるのだと思います。
治療とは、痛いところをどうにかすることだけではありません。
多次元操体法や仙台操体医学院で学びながら、
私自身も「心の滞り」が少しずつ動き出していくのを感じてきました。
痛いところは、そっとしておく。
身体だけでなく、その人の心や環境(家族・仕事・学校など)まで含めて観ていく。
それが、本当の治療なのだと思います。
前向きな方には、
「より心地よくストレッチを」「呼吸を感じて」「食事を見直して」などを。
後ろ向きな方には、
「ゆっくり休んで」「今のままでも大丈夫」「無理や我慢をしすぎないで」と伝えるようにしています。
無理や我慢が続くと、魂は自分を守るために固まり、動きを止めてしまう。
だからこそ、「ぐるぐると魂を回す」には、
今の自分をそのまま受け入れ、頑張りすぎないことから始まるのだと思います。
わたしの魂も回転しすぎて目が回ってきましたので、このへんで(笑)。