
05/09/2024
ついに次のステップへ。
今日は皆さんに覚悟を表明したいと思います。発表してしまえば後に引けなくなるから🥲
私は13年前に父の跡を引き継ぎ地元の開業医として帰ってきました。15歳から県外の高校に出たので20年ぶりでした。開業当初はがん治療等の自費診療をやろうとは全く考えておらず、ただただ日々来てくださる地元の患者さんにかかりつけ医としての役割を全うしようとしていました。開業して3年目くらいにがんで困っている患者さんから丸山ワクチンの投与を頼まれ、何気なしにOKしたところ、ほかの患者さんも希望してこられるようになりました。丸山ワクチンは患者さんが自分で入手して持ってこられるので自分はただそれを打ってあげるだけでした。
ある時、患者さんのご家族から話を聞いていると県外(東京)に免疫療法を受けに行くと。ご高齢で進行がんの患者さんがわざわざ飛行機で東京へ行かれることに驚き、もし可能なら当院で導入しましょうか?といったのが発端となり、ありとあらゆるがん治療を勉強していきました。そのころ高濃度ビタミンC療法を学びに柳澤先生の点滴療法研究会へ参加したのですが、慣れない会場の隅っこで講演をひっそりと聞いていましたが、来年はこの点滴療法研究会で講演依頼をいただき、縁というのは不思議なものだと感慨深いものがあります。
それから10年、リンパ球療法から樹状細胞療法、NKT標的細胞療法、水素関連医療、光免疫療法などがん治療オタクと呼べるほど様々な治療法を導入してきました。そんな中、ずっと気になっていたことがあります。どうしても自費診療は高額になってしまい、予算のない方へ良い治療、良い選択肢を提供できないというジレンマです。もちろんサンプルで渡せるサプリメントを差し上げたり生活習慣指導や食事指導、メンタルケアなどはしますが、もっと踏み込んだ治療ができないかと悩んでいました。その答えは保険診療で可能なハイパーサーミヤ(温熱治療)以外にはなく、何とか導入できないか何年も悩んでいました。
ハイパーサーミヤは保険で可能ながん治療であり、ほとんど副作用もなく放射線治療が効きにくいがんの細胞周期でも効果を発揮し、少量の抗がん剤でも抗がん作用を強く発揮することができます。さらにはがん細胞は血流が滞っているため加温しやすく42度以上で死滅していきます。熱により局所のリンパ球活性、樹状細胞活性は上がることが分かっており、死んだがん細胞からの指名手配が効率よく行われる免疫療法のような効果も期待できるのです。このハイパーサーミヤは機械の定価が1億円以上、そして設置場所がCT室並みに広い空間が必要となります。コスト面でも設置場所も当院ではクリアすることができず、半ばあきらめていました。
そんな時、クリニックの隣の住居に住んでいる患者さんから引っ越すので自宅を買わないかと相談されました。非常に安価でしたので使い道はいづれ考えるにしても何かに使えるかもと購入してみました。ふと家の中を確認すると以前お店だったスペースが広く、「もしかしたらハイパーサーミヤがおけるかも。。」とよぎったのが運の尽き。長年ため込んでいた感情が一気に動き出したのです。業者さんを呼んで見分した際に耐震工事などを考えるとコストが非常にかかることが分かり萎えそうになったんですが、当院の付属施設であるWELLBEINGのラドンルームが移設されるのでそのスペースを見に行きました。
すでに耐震や消防法もクリアされた建物なので設置は問題なし。あとは少し壁を加工したりで難なく入りそうなことが判明しました。
経営者として本当に導入すべきかまだ悩んでいるのですが、抗がん剤や放射線治療が終了し、標準治療でなすすべがない患者さんに保険診療でもまだできることがある、というのは大きな希望になります。しかもエビデンスはしっかりあり、昨年ハイパーサーミヤ学会からガイドラインが作成され1クール2か月(計8回)の治療費は3割負担で月に13500円、1割なら4500円でできます。保険は以前1クール(2か月)のみだったのが4年前に改定され3クール(半年間)に延長されたのです。投資家もついておらず借金もたんまりある田舎の内科開業医にとって億に近い治療機器の導入は下手をすれば破産のリスクもあります。
ただもう腹が決まっているのです。
でも内心とてもビビッているのです。
そんな中、昨日相談にこられた患者さんは自分と同い年の方でお子さんも同じ年代、進行がんでいい治療をしてあげたいのですが予算があまりかけられず困りはてました。こんな時にハイパーサーミヤがあれば・・・と。
さっきFBでたまたま読んだ山納銀之輔さんの記事で
初めてなにかをやるとき大切なことは
「自分を信じること」
と。
そして今、これはもうやるしかないと、思ったわけです。だから今日、この場で宣言しました。
導入するのはアスクープ8という機種。今までの機械の問題点を改良しまくって患者や取り扱い従事者の負担を極限まで減らし、5年前にできたばかりの新設計のものです。コストは従来機よりかかりますが性能には妥協できません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
https://www.gankatsu.net/treatment/pg2334.html
これからは腹を決めて自分を信じてやるしかない。よろずクリニックは次のステップに向かいます。皆さん応援してやってください👍